2021/03/13 公開

Ryzen 9 5950X について

「AMD Ryzen 9 5950X」は2020年11月にリリースされましたがリリース後から今現在でも入手困難なCPUです。昨年末(2020年12月)にAmazonで予約していたのでがやっと配送されて来たので、 先に購入した「AMD Ryzen 9 3950X」と比較したいと思います。ベンチマークテストを実行したので参考にしてください。

1.Ryzen 9 5950X (3.5GHz)の仕様と特徴
プロセス技術 7nm
ソケット形状 Socket AM4
CPUコア数/スレッド数 16コア/32スレッド
L1/L2/L3キャッシュ L1キャッシュ合:1MB、L2キャッシュ合:8MB、L3:キャッシュ合計 64MB
基本クロック/最大ブースト・クロック 3.4GHz/4.9GHz
メモリー 2チャンネル DDR4-3200MHzをサポート
アーキテクチャー 「Zen3」コア
その他 105W TDP、PCI Express 4.0をサポー
「AMD Ryzen 9 3950X」では基本クロック3.5GHz/最大ブースト・クロック4.7GHzでしたので基本クロックは低くなりましたが最大ブースト・クロックが高くなったので期待できるかと思います。
アーキテクチャが「Zen2」から「Zen3」に変更されたことによる大幅な性能アップも期待したいです。

AMD Ryzen 9 5950X 製品ボックス Ryzen 9 5950X vs 3950X
化粧箱比較
製品ボックス正面 製品ボックス内容
Ryzen 9 5950X の化粧箱は3950Xと比較するとかなり簡素化されています。

AMD Ryzen 9 5950X 本体
表面 裏面

AMD Ryzen 9 5950X ( 7nm、3.4GHz、16コア/32スレッド

2.ベンチマーク結果

ベンチマーク測定環境
CPU Ryzen 9 5950X (3.4GHz) Ryzen 9 3950X (3.5GHz) Ryzen Threadripper 1950X (3.4GHz)
CPUファン Corsair製 iCUE H150i RGB PRO XT(水冷) ENERMAX製 ELC-LTTR360-TB (水冷)
メモリー G.Skill TridentZ Neo F4-3800C18D-32GTZN (16GB X 2) = 32GB CORSAIR CMK16GX4M2B3200C16 (8GB X 2)x 2 = 32GB
マザーボード ASRock X570 Taichi Razer Edition ( BIOS P1.40 ) ASRock X399 Taichi ( BIOS P3.90 )
システムHDD Samsung SSD 980 PRO 1TB x 3(RAID 0) Samsung SSD 960 PRO 512GB x 2(RAID 0)
サウンドカード オンボード(Realtek ALC1220) CRIATIVE Sound Blaster ZxR
ネットワーク オンボード(Killer E3100G) オンボード(Intel I211AT)
OS Windows 10 Pro 64bit( バージョン 20H2 )
ビデオカード&ドライバー MSI GeForce RTX 2080 Ti GAMING Z TRIO
使用電源 Thermaltake TOUGHPOWER GRAND RGB 1200W クーラーマスター V1200 Platinum (1200W)

1)CPUベンチマーク

SiSoftware Sandra Lite 2020
「SISsoftware Sandra Lite 2020」では「Ryzen 9 3950X」と「Ryzen 9 5950X」は「Zen2」「Zen3」のアーキテクチャの違いによりベンチ結果に優劣が出たように思います。

グラフィックベンチマーク

CINEBENCH R20
「Ryzen 9 5950X」はマルチコアで1万超えのスコアを叩き出しました。

CINEBENCH R23

3DMark Time Spy / Time Spy Extreme

以外にも「Ryzen 9 5950X」と「Ryzen 9 3950X」はそれほど差は付きませんでした。

3DMark Fire Strike
CPUスコアは「Ryzen 9 5950X」が優位に立っています。

HITMAN Ⅲ(FPS)
「HITMAN Ⅲ」にはベンチマークを測定する機能が備わっていますので測定してみました。「1920x1080」「2560x1440」の解像度では「Ryzen 9 5950X」の方がFPSは高くなっていますが「3840x2160」では「Ryzen 9 3950X」の方が少しですが良い結果となりました。

F1 2020(FPS)
「F1 2020」にはベンチマークを測定する機能が備わっていますので測定してみました。低解像度ほど「Ryzen 9 5950X」が良い結果となっていますが解像度「3840x2160」では「Ryzen 9 3950X」とほぼ同じFPSになりました。

3)ビデオエンコード処理

ビデオ編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使用してのエンコード処理性能を測定します。
TMPGEnc Video Mastering Works 7

ビデオソースデータ と 出力ビデオデータの設定
ビデオソースデータ(「HITMAN Ⅲ」 GeForce Experienceによる録画データ )
映像 ・長さ
・映像サイズ
・平均ビットレート
・ストリーム形式
6分14秒、22471フレーム、1.7GB
3840 x 2160
37633kbps
H.264/AVC
音声 ・サンプリング周波数
・ビットレート
・ストリーム形式
48kHz
186kbps
MPEG-4、AAC
出力ビデオデータ(MP4ファイル、H.264/AVC)のエンコード設定
映像 ・映像サイズ
・平均ビットレート
・最大ビットレート
・ストリーム形式
・映像エンコーダー
・フレームレート
1920 x 1080
24.85Mbps(1パスVBR)
99.4Mbps
H.264/AVC
x264
60fps
音声 ・サンプリング周波数
・平均ビットレート
・ストリーム形式
48kHz
128kbps
MPEG-4、AAC
出力ビデオデータ(MP4ファイル、H.265/HEVC)のエンコード設定
映像 ・映像サイズ
・平均ビットレート
・最大ビットレート
・ストリーム形式
・映像エンコーダー
・フレームレート
1920 x 1080
14.9Mbps(1パスVBR)
74.5Mbps
H.265/HEVC
x265
60fps
音声 ・サンプリング周波数
・平均ビットレート
・ストリーム形式
48kHz
128kbps
MPEG-4、AAC

TMPGEnc Video Mastering Works 7 による 1秒当たりの処理フレーム数(フィルタリング設定なし)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 (1秒当たりの処理フレーム数)
エンコード処理では「Ryzen 9 5950X」が良い結果を出しました。

3.まとめ

「Ryzen 9 5950X」はデスクトップ向けCPUとして最強のCPUだと思います。ゲームでもエンコード処理でも非常に高いパフォーマンスを発揮します。「Ryzen 9 5950X」と「Ryzen 9 3950X」を比較するとベンチソフトではほぼ同等の性能と言えるかと思います。ゲームタイトルでは低解像度ほど「Ryzen 9 5950X」の方が優位ですが4K解像度の「3840x2160」では「Ryzen 9 3950X」と同等の結果となりました。エンコード処理では「Ryzen 9 5950X」がかなり優位です。
このレビューが公開した今現在でも「Ryzen 9 5950X」は品薄状態で入手困難な状況なので「Ryzen 9 3950X」ユーザーが無理して転売屋から「Ryzen 9 5950X」を購入する必要はないかと思います。通常の価格で入手できるまで気長に待った方がいいかと思います。
新たにRyzenユーザーになろうという方でゲーム中心に使用を考えている方には Ryzen 5000 シリーズ の中でも比較的入手が容易でゲームに強いと言われている「Ryzen 7 5800X」「Ryzen 5 5600X」 がお勧めかと思います。エンコード処理が中心と言う方にはコア数の多い「Ryzen 9 3950X」がお勧めです。
早く「Ryzen 9 5950X」が入手し易くなるようになって欲しいです。








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