2011/02/23公開


シングルGPU最速 nVIDIA GeForce GTX580 です

ストリーミングプロセッサー216ユニットでオーバークロック仕様のXFX GeForce GTX260 Black Editionを2年以上使用してきました。今のところ、どこと言って性能に不満はありませんがドライビングゲームもDirectX11対応が今後、序々に増えつつあるのでDirectX 11に対応したnVIDIA GeForce GTX580を搭載しリファレンスデザイン採用のInnoVISION製「Inno3D GeForce GTX580」が今のところ47,800円の最安値と言うこともあり思い切って購入してみました。
nVIDIA GeForce GTX580は昨年の2010年11月に登場したDirectX11に対応したハイエンドGPUで、今現在、シングルGPUとしては最速のカードです。また、このカードには「3DMark 11 Advanced Edition」のレジストコードが同梱されていたので購入しました。

1.nVIDIA GeForce GTX580 の仕様

Inno3D GeForceGTX580 同梱内容 GeForceGTX580カード本体 PCI Express 8pin+6pin電源コネクタ G110 チップ

GTX580(上)とGTX260(下)比較

分解後のカード

「Vapor Chamber」(ヴェイパーチャンバー)技術採用ヒートシンク
※メモリチップ冷却兼用のファン台座はトロックスのねじで固定されていて、トロックスレンチが必要です。

Inno3D GeForce GTX580 の仕様
グラフィックスユニット nVIDIA GeForce GTX580
バスシステム PCI Express(2.0) x16
プロセスルール 40nm
CUDAプロセッサー数 512 基
テクスチャーユニット数 64 基
ROP数 48 基
コアクロック 772MHz
シェーダークロック 1544MHz
ディスプレイメモリ 1536MB GDDR5 2004MHz 384bit
コネクタ DVIx2(DualLink / HDCP対応)
mini-HDMI出力対応
対応API OpenGL 4.1、DirectX 11.0、HDTV ディスプレイ対応
NVIDIA SLI technology(3-Way / 2-Way)、NVIDIA PureVideo HD technology
NVIDIA PhysX-Ready、NVIDIA CUDA technology
NVIDIA 3D Vision Surround Ready
その他付属品 DVI→D-SUB変換コネクタ x1
4pin(x2)→6pin電源変換ケーブル x1
4pin(x2)→6pin電源変換ケーブル
ドライバCD-ROM
バンドルソフト:3DMark 11 Advanced Edition 、StarCraft II のレジストコード同梱

測定環境 Asus Maximus II Formula(P45 + ICH10R)
CPU intel Core 2 Quad Q9650(4.03GHz オーバークロック)
CPUファン CWCH50-1(水冷)
メモリー SanMax DDR2-1066 CL5 ELPIDA 2GB×2=4GB (銅(Cu)配線プロセス)
マザーボード Asus Maximus II Formula(P45 + ICH10R)
HDD Seagate Barracuda 7200.11 (ST3320613AS) (320GB)
サウンドカード ONKYO SE-2000PCI LTD
ネットワーク オンボード(Marvell 88E8056)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
ドライバー nVIDIA GeForce GTX580 : Geforce 266.58 WHQL
使用電源 Antec TRUEPOWER Quattro TPQ-850 (850W)

GPU-Z 0.5.1
デフォルトクロック アイドル状態

2.オーバークロック

オーバークロックツールのMSI「AfterBurner」を使ってオーバークロックしてみました。MSI製「N580GTX-M2D15D5 OC」と同じクロック数にしてみました。これ以上クロックを上げると一部のベンチソフトがフリーズしてしまいました。
コアクロック 720MHz へオーバークロック


3.ベンチマーク結果

1)3DMark 11 Version 1.0.1(DirectX11)

3DMark 11 Performanceモード ベンチ結果

3DMark 11 Version1.0.1 Performanceモード


2)3DMark Vantage build 1.0.2(DirectX10)


3DMark Vantage build 1.0.2 Performanceモード


3)3DMark06 build 120(DirectX9)

3DMark06 build 120 (解像度:1920×1200)


4)ゲームベンチ

ゲームソフトによるベンチマーク結果。

Heaven Benchmark v2.1

BIOHAZARD 5 Benchmark DirectX10(解像度:1920×1200)

LOST PLANET 2


4.コアチップの温度
(クロックはデフォルト、室温17℃)
GPU温度
  無負荷状態 BIOHAZARD 5 ベンチ動作中 温度差
GTX580 標準ファン 32.0℃ 78.0℃ 46.0℃
GTX260 GTX Proファン 31.0℃ 51.0℃ 20.0℃


5.TMPGEnc Video Mastering Works 5 でCUDA エンコード処理

今回から「TMPGEnc Video Mastering Works 5 」を使用してエンコード処理をテストします。nVIDIA CDUA(Compute Unified Device Architecture) は、GPUのプロセシング処理を利用する技術で、GTX260ではCUDA 2.3、GTX580ではCUDA 3.1をサポートしていますが、エンコード処理時間を比較しました。

TMPGEnc Video Mastering Works 5

ビデオソースデータ
・MTV2000録画データ (1分、62.7MB)
・Video size         720 x 480
・Video bitrate     8000kbps(CBR)
・Audio format     MPEG-1 Layer-2
・Audio frequency 48kHz
・Audio bitrate     224kbps
・フレーム数    1800フレーム
出力ビデオデータ(WindowsMediaファイル)のエンコード設定
映像 ・Video size         720 x 480
・Video bitrate     2394kbps(2パスCBR)
・Video codec      Windows Media Video 9
・Video framrate 29.97fps
音声 ・Audio codec      Windows Media Audio 9.2
・Audio format   192kbps、48kHz、Stereo(2パスCBR)
出力ビデオデータ(MPEGファイル)のエンコード設定
映像 ・Video size         720 x 480
・Video bitrate     4000kbps(2パスVBR)
・Video codec      MPEG-2
・Video framrate 29.97fps
音声 ・Audio codec      MPEG-1 Audio Layer U
・Audio format   192kbps、48kHz

TMPGEnc Video Mastering Works 5 CUDA 設定


映像ブロック、映像ノイズ除去、輪郭強調、色調補正、音声ノイズ除去、音声ボリューム調整、映像シャープネス、スマートシャープネス、映像ぼかし、映像フリッカー軽減、ゴースト除去、色ずれ補正、色調補正の13種類のフィルタリングを有効にしてのエンコード処理です。

TMPGEnc Video Mastering Works 5 CPU&CUDA 使用率の表示
※エンコード中に、CPUとCUDAの使用率がリアルタイムに表示されます。

全フィルタを有効にした場合のCUDA使用率を調べてみました。
TMPGEnc Video Mastering Works 5 CUDAの使用率
  MPEGファイル WindowsMediaファイル
GTX580 (CUDA3.1) 93.3% 69.7%
GTX260 (CUDA2.3) 37.4% 45.6%

TMPGEnc Video Mastering Works 5 (1秒当たりの処理フレーム数)


総評


1)シングルGPU最速でも以外と低発熱
各種のベンチ結果は2世代前のGPUとの比較なので参考程度に止めますが、シングルGPUとして今現在、最速であることは間違いありません。しかし、GPU温度は前にGTX260の標準ファンで測定した時の温度(BIOHAZARD 5 ベンチ動作中:82℃)よりも低く、無負荷状態でもGTX Proファンを装着したGTX260とほとんど変わらないGPU温度となっていますが「Vapor Chamber」(ヴェイパーチャンバー)技術採用ヒートシンクの効果かと思います。それゆえに、ファンの音も(ハイエンドGPUとしては)以外と静かです。

2)TPMGEnc Video Mastering Works 5 でのCUDA は効果的
「TMPGEnc Video Mastering Works 5」ではフィルタリングにCUDAを使用するようになっており、フィルタリングが無い場合、CUDAの効果はありませんでした。ただし、フィルタリング有効時には、CUDAプロセッサ数がGTX260の216基の倍以上の512基となっていることもあり、かなりエンコード処理能力が高くなっています。また、GTX580ではCUDAが3.1になっていることも注目で、エンコード処理能力が高くなっているのはCUDAバージョンが上がっていることも起因しているように思われます。

3)GTX580は品不足解消し潤沢に供給
登場した当初、GTX580は品不足でしたが、最近では潤沢に供給されているよです。下位モデルのGTX570やRadeon HD6970だと最安値のGTX580との価格差は1〜1.5万円なので最安値で最速GPUを手にしたことで、非常に満足しています。オーバークロックしても効果は薄いので、デフォルト状態でできるだけ長く使っていきたいと思っています。




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