2008/04/23公開
2008/04/24更新
CPU温度表示の相違について(2008/04/24追加)
45nmプロセス、WolfdaleコアのXeon E3110 (3.0GHz)です
世の中はデュアルコアプロセッサーが当たり前で、クアッドコアプロセッサーへ移行を開始となっています。2年弱使用してきたデュアルコアのPentiumD 950 (3.4GHz)もパワー不足を感じていたので、一気にクアッドコアプロセッサーへと思いましたが、取りあえず45nm製造プロセスの最新デュアルコアプロセッサーのCore 2 Duo E8400と思いましたが、E8400の代替品であるXeon E3110 (3.0GHz)の並行輸入品が格安でしたので購入しました。Xeonは本来サーバー用途でその昔、かなり高額で高嶺の花だったのですがデスクトップ用プロセッサより安く購入できるとは、かなり驚きです。
Xeon E3110 (3.0GHz:Wolfdaleコア)の特徴
・LGA775 パッケージ を採用、1333MHzシステム・バス、L1キャッシュ 32KB×2、L2 キャッシュ 6MB、最新の45nmプロセス技術、デュアルコア
・インテル NetBurst マイクロアーキテクチャ、SSE2、SSE3、SSSE3、SSE4、Extended Memory 64 Technology ( EM64T )、Virtualization Technology ( VT対応 )
Xeon E3110 3.0GHz | コア裏面キャパシタ | Q746A535/3574265-5A1463 |
薄型ヒートシンク/NIDEC製ファン | ヒートシンク中央はアルミ製です | |
ヒートシンクは、かなり薄くなっていてヒートシンク中央部分がアルミ製になっていることもあってヒートシンク自体の重量は軽くなっています。
Xeon E3110 ( Wolfdale、45nm、3.0GHz、DualCore ) | |
測定環境 | ||
CPU | intel Xeon E3110 (3.0GHz) | intel PentiumD 950 (3.4GHz) |
CPUファン | リテール | |
メモリー | SanMax DDR2-800 CL5 hyni 1GB×2=2GB | |
マザーボード | Asus P5W DH Deluxe(i975X + ICH7R) BIOS 2704beta |
|
HDD | HITACHI Deskstar7K80(80GB) | |
サウンドカード | オンボード(Realtek Semiconductor ALC882M) | |
ネットワーク | オンボード(Marvell 88E8053) | |
OS | Windows XP Professional SP2 DirectX9.0c | |
ビデオカード&ドライバー | ATI HD2900XT(R600)(CATALYST 8.4)デフォルトクロック | |
セキュリティソフト | ESET Smart Security |
電圧毎のクロックアップ耐性
Core:3.42GHz、Bus Speed:380MHz、Core電圧設定:Auto | |
Core:3.60GHz、Bus Speed:400MHz、Core電圧設定:1.25V | |
ベンチマーク結果
1)CPUベンチ
Superπ 104万桁 |
SiSoftware Sandra Lite XII.2008.SP2 |
Multi Core の 4x8kb の数値がどうしてもおかしな数値を示してしまいます。それとも、こんな数値なのかはちょっとわかりませんでした。
3DMark06 Build110 |
2)メモリーベンチ
SiSoftware Sandra Lite XII.2008.SP2 |
3)3Dベンチ
3DMark06 Build110 |
LostPlanet |
4)エンコード
ビデオエンコードソフト
TMPGEnc 4.0 Xpress |
ビデオソースデータ と 出力ビデオデータの設定
ビデオソースデータ |
|
・MTV2000録画データ (1分、62.7MB) ・Video size 720 x 480 ・Video bitrate 8000kbps(CBR) ・Audio format MPEG-1 Layer-2 ・Audio frequency 48kHz ・Audio bitrate 224kbps |
|
出力ビデオデータ(WindowsMediaファイル)のエンコード設定 | |
映像 | ・Video size 720 x 480 ・Video bitrate 2394kbps(2パスCBR) ・Video codec Windows Media Video 9 ・Video framrate 29.97fps |
音声 | ・Audio codec Windows Media Audio 9.2 ・Audio format 192kbps、48kHz、Stereo(2パスCBR) |
出力ビデオデータ(MPEGファイル)のエンコード設定 | |
映像 | ・Video size 720 x 480 ・Video bitrate 4000kbps(2パスVBR) ・Video codec MPEG-2 ・Video framrate 29.97fps |
音声 | ・Audio codec MPEG-1 Audio Layer K ・Audio format 192kbps、48kHz |
TMPGEnc 4.0 XPress による エンコード処理時間
TMPGEnc 4.0 XPress | ||||||||
WindowsMediaファイル | MPEGファイル | |||||||
SSE2 | SSE3 | SSSE3 | SSE4 | SSE2 | SSE3 | SSSE3 | SSE4 | |
Xeon E3110 ( 3.0GHz ) | 2分45秒 | 2分47秒 | 2分47秒 | 2分48秒 | 46秒 | 47秒 | 41秒 | 39秒 |
Xeon E3110 ( 3.42GHz ) | 2分21秒 | 2分22秒 | 2分21秒 | 2分21秒 | 39秒 | 40秒 | 35秒 | 34秒 |
Xeon E3110 ( 3.6GHz ) | 2分16秒 | 2分17秒 | 2分17秒 | 2分18秒 | 38秒 | 40秒 | 34秒 | 32秒 |
Pentium D 950 ( 3.4GHz ) | 5分07秒 | 5分13秒 | - | - | 1分23秒 | 1分16秒 | - | - |
TMPGEnc 4.0 XPressによる エンコード時のCPU温度
無負荷時 | エンコード中最高温度 | |
Xeon E3110 ( 3.0GHz ) | 9℃ | 20℃ |
Xeon E3110 ( 3.42GHz ) | 9℃ | 21℃ |
Xeon E3110 ( 3.6GHz ) | 9℃ | 20℃ |
Pentium D 950 ( 3.4GHz ) | 28℃ | 50℃ |
室内温度20℃
(PentiumD950の温度は前回レビュー時に温度を掲載しています。)
(2008/04/24追加)
PC ProbeK では異常にCPU温度が低く表示されます。CoreTemp 0.98 の表示が正しいと思います。
33℃の差があるので、上記無負荷時は、42℃でエンコード中は53℃と読み替えると納得できます。
BIOSがBetaであることが原因かと思いますが、次のバージョンでは解決していることを期待したいです。
PCProbe K と CoreTemp とのCPU温度表示の相違 |
総評
1.P5W DH DeluxeはBIOSアップデートとCMOSクリアは必須
P5W DH Deluxe で Xeon E3110を動作させるためには、BIOSを2704にアップデートする必要があり、アップデート後は必ずCMOSクリアする必要があります。CMOSクリアしないと、BusSpeedを333MHzにしてもコアクロックがおかしな値になったり、ハードディスクを認識しなかったりします。最初、CMOSクリアするのを忘れていたため、正常に動作させるまでに、かなり手こずってしまいました。
現行のBIOSバージョンでは、一旦電源を切った後に起動するとS-ATAのハードディスクが認識しなくなり動作が不安定です。FSB1333MHzは本来サポート外なのでそれが原因なのか、それとも「MaXLineIII」との愛称が悪いのかちょっとわかりません。
(2008/04/28追加)
ハードディスクをWD Caviar SE16 (
WD5000AAKS-A7B0)に交換したところ、電源を切ってから起動してもハードディスクを認識するようになりました。どうも、「MaXLineIII」が問題だったようです。
2.MPEGファイルへのエンコードでSSE4の効果が現れています
ベンチデータを見ると、PentimDと比べ物にならないくらい早くなっています。Superπは20秒を切ることができ、3.42GHzでは15秒を切る14秒を達成したので、ちょっと感激しております。また、エンコード処理もかなり早くなっていて、MPEGファイルへの変換でSSE4を使用すると39秒と40秒を切り、3.6GHzでは30秒まであともう一息のとこまでエンコード処理時間が短くなっています。Xeonの性能の高さを改めて確認することができました。
CPU温度は製造プロセスが45nmになっているのとコア電圧が1.2V以下になるので、PentiumDよりかなり低い温度になっていたのは驚きでした。ただし、気温よりもかなり低い数値になっていますが、BIOS画面でも同じ温度だったのですが、ちょっと信憑性に欠けるCPU温度です。
ヒートシンクは薄型になっていて中央部分は銅製からアルミ製に変更されているのでかなり軽くなっています。
3.オーバークロック性能
さすがにリテールヒートシンクでは4.0GHzまで到達することはできませんでしたが3.6GHzはなんなく動作しました。デフォルトのコアクロックでも十分以上の性能を発揮しているので、無理にオーバークロックすることもないのかなと思っております。
現在は、BusSpeed333MHzでFSB1333MHz、CoreSpeedは3.0GHz、DRAM frequencyは500MHzの設定にしています。
注)オーバークロックによる製品破損は保証外ですのでオーバークロックは自己責任で行ってください。