2002/10/19公開
やっと出てきた
ThoroughbredコアのAthlonXP
2400+です
8月21日に発表したThoroughbredコアのAthlonXP2400+ですが発表から2ヶ月を過ぎようかというときにやっと登場です。AMDのAthlonXP2400+は現在AMDの中では最速CPUで実クロックは2.0GHzに達します、Pentium4
2.4GHz相当の性能ですが、AthlonXP2200+で使用したコアに改良を加えているので、ちょっとは期待が持てるかもしれません。実際の性能はどうでしょうか。また、発熱はどうでしょうか。
AthlonXP Thoroughbredコアの特徴
・QuantiSpeedTM アーキテクチャ
・3DNow!TM
プロフェッショナル・テクノロジ
・266MHzのAMD AthlonTM XP
プロセッサ・システムバス
・128KB L1 キャッシュ(64K 命令キャッシュ+64K
データ・キャッシュ)と 256K オンチップ L2 キャッシュ
・先端 0.13ミクロン・プロセス技術を使用
Thoroughbredコア AthlonXP2400+ | ロットはAIUCB |
L1はクローズ、L3は#4、#5がオープン | |
測定環境 | |
CPUファン | アルファ製 PAL8045U(DELTA製5700rpmファン) |
メモリー | Corsair XMS3200C2 (PC3200 CL2) 256MB |
マザーボード | ABIT KD7-RAID(KT400) BIOS B8 (VIA 4in1 Drivers 4.43) |
HDD | IBM DTLA307020(20GB) |
サウンドカード | なし |
OS | Windows XP Professional DirectX8.1 SP1 |
ビデオカード&ドライバー | ELSA GLADIAC 925ViVo(Datnator 40.72Beta)デフォルトクロック |
室温 | 25℃ |
電圧毎のクロックアップ耐性
Vcore電圧 (測定値) |
1.65V (1.66V) |
1.75V (1.76V) |
1.85V (1.87V) |
1.95V (1.94V) |
2.025V (2.06V) |
メモリー設定 | DDR333(FSB166MHz) 2-6T-2-2 電圧2.55V | ||||
動作FSB(MHz) | 140.35 | 145.38 | 150.38 | 151.38 | 153.38 |
CPUクロック(MHz) | 2105.79 | 2180.72 | 2255.67 | 2270.65 | 2300.63 |
Superπ104万桁 | 56秒 | 54秒 | 53秒 | 52秒 | 51秒 |
Superπ動作時CPU温度 | 35℃ | 37℃ | 39℃ | 42℃ | 45℃ |
各Vcore電圧での動作FSBはSuperπ104万桁、3DMark2001BenchMarkが通ったときの最高動作FSBです。
FSB及びCPUクロックはWCPUID Ver3.1で測定。
定格時 | 最高クロック | 2700+相当 | 2800+相当 | |
Vcore電圧 | 1.65V | 2.075V | 1.70V | 1.90V |
動作クロック | FSB133.39×15=2000.86MHz | FSB201.36×11.5=2315.59MHz | FSB166.37×13.0=2162.82MHz | FSB167.37×13.5=2259.52MHz |
無負荷時のコア温度 | 32℃ | 43℃ | 32℃ | 40℃ |
Superπ終了時のコア温度 | 36℃ | 46℃ | 36℃ | 42℃ |
Superπ104万桁 | 59秒 | 48秒 | 55秒 | 53秒 |
3DMark2001 | 12417 | 14132 | 13160 | 13287 |
N-Bench 2.0 | 2565 | 3057 | 2796 | 2897 |
QuakeVARENA | 200.7 | 215.7 | 206.6 | 208.3 |
Sandra CPU Arithmetic | ALU 5546/FPU 2762 | ALU 6420/FPU 3207 | ALU 5943/FPU 3007 | ALU 6252/FPU 3129 |
Sandra CPU Multi | Intger 11049/Floating 12228 | Intger 12589/Floating 14155 | Intger 11943/Floating 13220 | Intger 12474/Floating 13809 |
HDBENCH | 32400 | 36867 | 34099 | 35124 |
3DMark2001は1024×768 32bit、QuakeVARENAは1280×1024 32bitの解像度。
総評
8月21日の発表以降、今週末入荷予定と毎週噂されてから2ヶ月経ってやっとバルク品が販売開始されました。しかし、入荷数量はかなり少ないため入手は難しく早い者勝ちになろうかと思います。また、次回の入荷も未定とか11月とかで潤沢に店頭に並ぶのはまだまだ先のようです。
さて、実クロックで2.0GHzに到達したAthlonXP2400+ですが、クロックアップは定格時のクロックから314.73MHzプラスの2315.59MHzまでクロックアップすることができ、Superπ104万桁ではとうとう50秒を切り48秒という結果を得ることができました。また、3DMark2001では14000を超え、N-Bench2では3000を超えるとういうすばらしい結果を得ることができました。2.3GHzオーバーはコア電圧が高いこともあって常用できるクロックではありませんが、限界ぎりぎりのクロックでもベンチソフトは安定して動作していました。前回のAthlonXP2200+では266MHzプラス止まりでしたので、今回のコア改良はかなり効果があったのではと思います。また、今回からCPUIDも「680」から「681」に変わっています。
発熱ですが、定格電圧は1.65Vと2200+と同じですが、消費電力はクロックが上がったため68.3Wになり、2200+の67.9Wより0.4W高くなっています。そのため、発熱は全体的に無負荷時でも2200+より1〜2℃高くなってます。しかし、2200+の時のようにコア温度が40℃を超えると不安定になるということも無く、46℃になってもベンチソフトは安定して動作していました。これも、コア改良の効果だと思われます。ABITのKD7-RAIDマザーの最新BIOSでは、FSB200MHzでも安定して起動(BIOS
rev
AEの時はリセット、電源ボタン押し捲りでしたからね)することができたので、このことも安定動作要因の一つかとも思います。
今回のAthlonXP2400+は、動作クロックが思った通りのところまでクロックアップできたので、AthlonXP2700+、2800+相当のクロックでもテストし、2700+、2800+の性能をシミュレートしてみました。2700+相当ではコア電圧1.70Vとあまり電圧を上げなくても動作することができ、2800+相当は、若干高めの1.90Vでの動作となりました。FSB166MHzのためか性能的には満足できる結果を得ることができました。
今回のAthlonXP2400+は限界クロックの目安は2.3GHzあたりで、2.3GHzオーバーは製品のバラつきによって異なるのではと思われます。AthlonXPは倍率可変可能ということと、今回のプラス315MHzのクロック範囲を生かしていろいろ遊べるコアだと思われます。また、定格での性能はSuperπ104万桁は1分を切る性能なので、定格安定動作で楽しむということもでき、オーバークロッカーも定格動作重視の方も両方の方が楽しめるのではと思います。
注)オーバークロックによる製品破損は保証外ですのでオーバークロックは自己責任で行ってください。