2001/07/08公開
2001/09/21更新
ASUS Live UpdateによるBIOSアップデート
AGPの4X Modeと2X Modeの比較
オーバークロックよるパフォーマンスの落ち込み
FSB140とFSB141のレジスタ比較
Tuatalin対応最新マザーボードTUSL2-Cです
Tualatin対応マザーボードの本命ともいうAsustekからCUSL2-Cの後継機種である、TUSL2-Cが登場しました。
1年半以上使用してきたAbitのBF6が調子悪くなってきたので、思い切って購入してみました。そのレビューです。
1.画像
TUSL2-C | Rev1.03 | i815EP B-Step |
Socket周り | ||
Socket横のコンデンサが4本少なくなっています。Socket内の配線はかなり違います。それ以外にもかなり基板の配線が変更されています。
2.測定環境
測定環境 | |
CPU&ゲタ | intel SL4MF 1GHz (ゲタはAsus S370-DLを使用) |
CPUファン | KANIE製 HedgeHog238M(山洋製6cm 高速ファン) |
メモリー | infineon 256MB PC-133 CL-3 (BIOS 2-2-2設定) |
マザーボード | Asus TUSL2-C Rev1.03 (i815EP B-Step) BIOS 1007 |
Abit BF6(440BX) BIOS XU | |
HDD | IBM DTLA307020×2(FastTrak100 RAID0) |
サウンドカード | Criative SoundBlasterLive! X-Gamer ドライバー Ver4.12.01.0801 |
OS | Windows Me 4.90.3000 DirectX8.0a |
ビデオカード&ドライバー | GULADIAC ULTRA 64(nVIDIAリファレンスドライバー Datnator Ver12.41) |
ヒートシンクはKANIEの銅製ヒートシンクを使用しました。ファンはDELTA製(6800回転)は常用するのには音が大きいので山洋製高速ファンに交換しました。
3.ベンチマークの結果
TUSL2-C | BF6 |
Sandra2001 | |
3DMark2001 | NBench |
4.オーバークロック耐性比較
マザーボード | コア電圧 | 1.70V | 1.75V | 1.80V | 1.85V | 1.90V | 1.95V | 2.00V | 2.05V |
TUSL2-C | SDRAM設定 | 2-2-2 | 2-2-2 | 2-2-2 |
測定不能 |
||||
動作FSB(MHz) | 145.96 | 147.95 | 150.00 | ||||||
CPUクロック(MHz) | 1094.73 | 1109.65 | 1124.99 | ||||||
BF6 | SDRAM設定 | 3-2-2 | 3-2-2 | 3-2-2 | 3-2-2 | 3-2-2 | 3-2-2 | 3-2-3 | 3-3-3 |
動作FSB(MHz) | 145.87 | 147.65 | 150.34 | 152.13 | 153.92 | 155.71 | 156.61 | 159.25 | |
CPUクロック(MHz) | 1093.99 | 1107.65 | 1127.55 | 1140.97 | 1154.40 | 1167.82 | 1174.54 | 1194.67 |
FSB及びCPUクロックはWCPUID Ver3.0aで測定
室温は27℃
5.総評
CPUは、予算の都合でTualatinを購入することはできませんでしたので、そちらの動作確認はできませんでした。CUSL2-Cの手持ちがないのでショップで見比べましたが、マザーボードの配線がかなり変更されています。
組み立て時に何も考えずにSoundBlasterLive!、FastTrak100、LANカードをスロットに挿したら3枚ともIRQ9を使用したため、Windowsの再起動と終了ができなくなる現象が発生しました。今はSoundBlasterLive!をスロット2、FastTrak100をスロット4、LANカードをスロット6と変則的ですがこれで問題は解決しました。再起動や終了ができなくなる現象はいろいろなサイトのBBSに挙がってましたがCUSL2-Cからの進歩はありません。
その他では、Windowsを再インストールすることなく問題なく動作しました。(いつもは、クリーンインストールするんですが時間がもったいないのでそのまま接続しました。)
ベンチマークの結果ですが、3Dは良くない結果となりました。BIOS上ではAGPを4×にしているのですが、WCPUID Ver3.0aで確認すると2×になっています。ちょっと??です。
HDBENCHの結果では、メモリーはReadよりWriteが好結果となってます。また、HDDもWriteとFileCopyが好結果となってます。でも、メモリー、HDDともにReadが悪い結果となっています。
オーバークロック耐性比較では、クロックを上げないでコア電圧を1.85Vに上げるとWindowsが起動しなくなるので1.85V以上は測定できませんでした。これはヒートシンクの密着性不十分によるものと思われます。このCPUは、もともとハズレ品でしたけど。
以上の結果から、TUSL2-Cはオーバークロック向きではなく定格+α程度のクロックで安定させて常用するにのお勧めマザーボードです。
でも、440BXマザーって最新のマザーに劣らないパフォーマンスもってます。Tualatin対応していないのが残念です。
AsustekはBIOSのアップデート対応が早く、またユーザーも多いので良くも悪くも情報量が多くトラブル対応に大変重宝します。また、付属ソフトのPC
Probe(下記画像参照)は結構使いやすいです。
現在は、コア電圧1.75VでFSB147×7.5=1102.49Hz、メモリー3.7VでBIOS設定は2-2-2
5/7で常用してます。
全体低な体感スピードはBF6より上がったような気がします。
追加(2001/7/17)
コア電圧を1.85VにしてBIOSが通らない理由がわりました。電源ICにISL6524が使用されていて仕様では電圧設定範囲は1.050V〜1.825Vとなっていました。1.85Vは仕様対象外で動作しないのは当たり前ですね。BIOS画面では2.0Vまで変更可なのですが無意味です。その内、BIOSアップデートされ1.80Vまでになると思います。
TUSL2-Cは1.80Vまでしかコア電圧上げられないのでTualatin以外でのオーバークロックは楽しめませんね。「ダメダメ!!」です。
追加(2001/8/7) 修正(2001/8/31)
AGPの4X
Modeが有効にならない原因がわかりました。TUSL2-Cは、オーバークロックするとBIOSで4X
Modeに設定しても2Xにしかなりません。ただし。FSB140までだと4Xが有効です。
FSB140まで4X有効 | オーバークロックだと2Xまで |
追加(2001/8/10)
1.ASUS Live UpdateによるBIOSアップデート
WindowsMeになってから、DOSのシステムフロッピーを作成することができなくなったので、今までのように、BIOSのアップデートをDOS上から行う環境作りが難しくなりました。AsusはWindows上でもBIOSをアップデートできる「ASUS
Live
Update」というツールを提供しています。今回、Rev1009がリリースされていたので早速このツールを使用してみました。
起動時の画面 | BIOS更新後の画面 |
操作はいたって簡単で、
1.「Update BIOS from the
Internet」
:インターネット経由で更新する。
2.「Update BIOS from a
file」
:パソコン上にあるBIOSファイルから更新する。
3.「Dpwnload BIOS from the
Internet」:BIOSファイルのみのダウンロードする。
4.「Check BIOS
Information」 :現在のBIOS情報を表示する。
の中から選択できます。インターネット経由ではPROXY設定ができないため我が家の環境では使用できないので、今回はパソコン上のファイルを使用してアップデートしました。BIOSファイル選択後は「FLASH」ボタンをクリックして完了です。ウィルスバスターやB'sClipなど常駐させていましたが無事Rev1009にアップデートされました。
非常に簡単で便利なツールです。これだとBIOSアップデートの失敗も防げると思います。
2.AGPの4X Modeと2X Modeの比較
AGPの4X Modeと2X
Modeでどのくらいの差があるのかベンチを取って比較してみました。
テスト環境
CPU :intel SL4MF 1GHz(FSB133)
メモリー :PLUSS PC133 CL3
256MBX2=512MB BIOS設定2-2-2 5/7
グラフィック・ドライバー:nVIDIAリファレンスドライバー Datnator Ver12.41
結果は、3DMark2000、SL Benchでは4X
Modeの方がちょっといい結果になりました。しかし、N−Benchの結果はビックリです。何度かN-Benchやり直しましたが結果は同じで2X
Modeの方がScore高いです。理由は不明です。3DMark2001とHDBENCHの結果は、誤差の範囲でほとんど差が無いと言っていいでしょう。
期待したほどの差がでませんが、無いよりましと言う程度にとどめて置いた方がいいと思われます。このぐらいの差だとゲームプレイ時に体感的な差は感じられないと思います。もし、4X
Modeで画面表示がおかしくなるようであれば2X
Modeでもパフォーマンスダウンにはならないと思います。
追加(2001/9/20)
オーバークロックよるパフォーマンスの落ち込み
CUSL2ではオーバークロックすると途中でパフォーマンスが落ち込む現象があると聞いていました。TUSL2-Cでも同じ現象が発生するか検証してみました。
HDBENCH CPU |
|
HDBENCH Memory |
|
3DMark2000 | |
N-Bench 1.2 |
FSB | HDBENCH | 3DMark2000 | N-Bench 1.2 | ||||
CPU | Memory | ||||||
Integer | Float | Read | Write | Read&Write | |||
133 | 40347 | 42397 | 15963 | 17402 | 24263 | 7721 | 4348 |
135 | 40648 | 42715 | 16066 | 17499 | 24453 | 7827 | 4389 |
136 | 40958 | 43040 | 16218 | 17502 | 24661 | 7873 | 4442 |
137 | 41255 | 43353 | 16326 | 17809 | 24863 | 7967 | 4498 |
138 | 41556 | 43669 | 16429 | 17959 | 24977 | 8018 | 4534 |
139 | 41857 | 43984 | 16482 | 17966 | 25185 | 7998 | 4548 |
140 | 42160 | 44308 | 16685 | 18217 | 25384 | 8055 | 4615 |
141 | 42465 | 44621 | 15707 | 17967 | 24456 | 7901 | 4569 |
142 | 42760 | 44935 | 15815 | 18119 | 24663 | 8004 | 4590 |
143 | 43038 | 45224 | 15917 | 18222 | 24860 | 8014 | 4625 |
144 | 43363 | 45568 | 16063 | 18375 | 24982 | 8132 | 4642 |
145 | 43677 | 45900 | 16168 | 18522 | 25182 | 8079 | 4691 |
146 | 43963 | 46200 | 16274 | 18630 | 25374 | 8205 | 4713 |
147 | 44277 | 46530 | 16378 | 18778 | 25576 | 8296 | 4761 |
148 | 44565 | 46830 | 16484 | 18886 | 25694 | 8292 | 4812 |
149 | 44886 | 47168 | 16627 | 19038 | 25896 | 8326 | 4822 |
150 | 45183 | 47481 | 16689 | 19144 | 26087 | 8373 | 4870 |
151 | 45484 | 47797 | 16838 | 19290 | 26210 | 8495 | 4915 |
152 | 45785 | 48112 | 16941 | 19400 | 26411 | 8520 | 4961 |
測定環境 | |
CPU メモリー VGA マザー OS |
intel
PentiumV 1GHz
(cC0コア) PLUSS PC133 CL3 256X2=512MB ELSA GRADIAC ULTRA (GeForce2ULTRA) コアクロック=270MHz、メモリークロック=490MHz (ドライバーVer21.81、クオリティ重視、FSAAなし、Vsync Off) TUSL2-C BIOS Rev1009 WindowsMe DirectX8.0a |
検証結果
検証結果はグラフを見ていただくとわかりますが、FSB141の時に一気にFSB137と同じパフォーマンスに落ち込みます。この落ち込みはHDBENCHの結果からMemoryのReadとRead&Writeの落ち込みが原因です。i440BXチップセットを使用しているAbitのBF6ではこのような落ち込みはありませんでした。TUSL2-C特有なのか、もしくは、i815のスペックなのか、他のi815マザーと比較してないので何とも言えません。
FSB140の状態に戻り始めるのはFSB143からですが、MemoryのReadはなんとFSB150まで上げないと戻りません。この検証結果からTUSL2-CでFSB140を超えてオーバークロックをする場合、最低でもFSB143以上にする必要があり、全ての項目を上回るためにはFSB150以上にしないとオーバークロックする意味が無いことが分かります。
追加(2001/9/21)
FSB140とFSB141のレジスタ比較
FSBが141以上だと、AGPの4XMode使用不可やメモリーのReadが遅くなる原因がレジスタが書き換わるためだと聞いていましたがどのように書き換わるのか検証してみました。
FSB140 | |
FSB141 |
Offset値「73」がメモリースピードに関係するところです。Offset値「A4」「A8」「B0」はAGPのデータレートの設定です。メモリースピードについては設定を変更すると改善されました。しかし、AGPの設定を変更するとフリーズ状態になりうまくいきません。
この変更した値はマシン終了するまでの間有効ですが、マシンを停止または再起動すると無効になりますので注意してください。また、このレジスタ値変更は自己責任で行ってください。最悪の場合、マシンを壊す可能性があります。