2006/06/07公開



 65nmプロセス、PreslerコアのPentiumD 950 (3.40GHz)です

5月1日(米国時間)に、Intelは大幅な価格改定を行い、PentiumD 950は 50%という大幅な値下げ幅でデュアルコアCPUもかなり購入しやすくなったので、これを機会に、2年半使用してきたPentium4 3.2GHzから65nm製造プロセスの最新プロセッサーでデュアルコアのPentiumD 950 (3.4GHz)を購入しました。当然ながらSocketが違いますのでマザーも交換してます。

PentiumD 950 (3.40GHz:Preslerコア)の特徴
・LGA775 パッケージ を採用、800MHzシステム・バス、L1キャッシュ 16KB×2、L2 キャッシュ 2048KB×2、最新の65nmプロセス技術、デュアルコア
インテル NetBurst マイクロアーキテクチャ、SSE2、SSE3、Extended Memory 64 Technology ( EM64T )、Virtualization Technology ( VT対応 )

PentiumD 950 3.40GHz コア裏面キャパシタ SL94PでB1ステッピング
リテールクーラー ヒートシンク中央は銅製です


PentiumD 950 ( Presler、65nm、3.40GHz、DualCore )


測定環境 Asustek P5P800 SE Asustek P4C800-E Deluxe
CPU intel PentiumD 950 (3.4GHz) intel Pentium4 3.2GHz ( Hyper-Threading )
CPUファン リテール リテール
メモリー Winbond BH-5 チップ PC3200 CL2.5 256X4=1024MB
BIOS設定:SPD (2.5-3-3-8)
Winbond BH-5 チップ PC3200 CL2.5 256X4=1024MB
BIOS設定:SPD (2.5-3-3-8)
マザーボード Asus P5P800 SE(i865PE)
BIOS 0503
Asus P4C800-E Deluxe(i875P)
BIOS 1023
HDD HITACHI Deskstar7K80(80GB) HITACHI(IBM) Deskstar7K250(80GB)
サウンドカード オンボード(AD1985 SoundMAX) Creative Sound Blaster Audigy 2 Digital Audio
ネットワーク オンボード(intel 82540ED Gigabit) オンボード(intel CSA 82547EI Gigabit)
OS Windows XP Professional SP2 DirectX9.0c
ビデオカード&ドライバー ATI X850XT PE(R480)(CATALYST 6.5)デフォルトクロック



電圧毎のクロックアップ耐性 

モデル PentiumD 950 Pentium4 3.2GHz
Vcore電圧
(PCProbe読み)
Auto
(1.272V)
1.3625V 1.550V
(1.536V)
メモリー設定 SPD 2.5-3-3-8
電圧 Auto 
2.5-3-3-8
電圧2.85V 
SPD 2.5-3-3-8
電圧 Auto 
動作FSB(MHz) 199.9 226.0 236.2 199.9
CPUクロック(MHz) 3398.5 3842.3 4016.0 3198.4
メモリークロック(MHz) 199.9 ( 1:1 ) 180.8 ( 5:4 ) 189.0 ( 5:4 ) 199.9 ( 1:1 )



ベンチマーク結果

1)CPUベンチ

Superπ 104万桁

SiSoftware Sandra Lite 2007


3DMark05 Build120

3DMark03 Build360


2)メモリーベンチ

SiSoftware Sandra Lite 2007


Everest



3)3Dベンチ

3DMark05 Build120

3DMark03 Build360


AquaMark3


4)エンコード

ビデオエンコードソフト
Windows Media Encoder 9
TMPGEnc 4.0 Xpress 体験版


ビデオソースデータ と 出力ビデオデータの設定
ビデオソースデータ
・MTV2000録画データ (1分、62.7MB)
・Video size         720 x 480
・Video bitrate     8000kbps(CBR)
・Audio format     MPEG-1 Layer-2
・Audio frequency 48kHz
・Audio bitrate     224kbps
出力ビデオデータ(WindowsMediaファイル)のエンコード設定
映像 ・Video size         720 x 480
・Video bitrate     2394kbps(2パスCBR)
・Video codec      Windows Media Video 9
・Video framrate 29.97fps
音声 ・Audio codec      Windows Media Audio 9.1
・Audio format   192kbps、48kHz、Stereo(2パスCBR)
出力ビデオデータ(MPEGファイル)のエンコード設定
映像 ・Video size         720 x 480
・Video bitrate     4000kbps(2パスVBR)
・Video codec      MPEG-2
・Video framrate 29.97fps
音声 ・Audio codec      MPEG-1 Audio Layer K
・Audio format   192kbps、48kHz


Windows Media エンコーダー と TMPGEnc 4.0 XPress による エンコード処理時間

  Windows Media Encoder TMPGEnc 4.0 XPress
WindowsMediaファイル MPEGファイル
SSE2 SSE3 SSE2 SSE3
Pentium D 950 ( 3.4GHz ) 3分04秒 3分50秒 3分50秒 1分18秒 1分12秒
Pentium D 950 ( 3.8GHz ) 2分46秒 3分30秒 3分30秒 1分11秒 1分05秒
Pentium D 950 ( 4.0GHz ) 2分36秒 3分22秒 3分20秒 1分07秒 1分03秒
Pentium4 3.2GHz(HT ON) 4分56秒 5分50秒


Windows Media エンコーダーによる エンコード時のCPU温度

  無負荷時 エンコード中最高温度
Pentium D 950 ( 3.4GHz ) 28℃ 50℃
Pentium D 950 ( 3.8GHz ) 29℃ 52℃
Pentium D 950 ( 4.0GHz ) 33℃ 58℃
Pentium4 3.2GHz(HT ON) 41℃ 61℃

室内温度24℃


総評

1.クロックよりL2キャッシュの大きさによる恩恵が多い

NorthwoodのPentium4 3.2GHzとPentiumD 950(3.4GHz)との大きな違いは、なんと言っても物理的にコアが2つあることですが、Pentium4はハイパー・スレッディング (HT) テクノロジにより論理的なコアが2つあるのでコア数の違いによる性能差はあまり無いように思います。しかし、L2キャッシュは、Northwoodで512KB、Preslerで2048KBと4倍もの差があるので、ベンチ結果はPentium4よりもクロックが若干高いこともありかなり良い結果が得られました。

2.MPEGファイルへのエンコードでSSE3の効果が、CPU温度は以外にも低い
ゲーム以外にエンコード処理で使用することが多いので、SSE3の効果が気になっていましたが、WindowsMediaファイルへのエンコードではSSE3の恩恵を享受することはできませんでした。しかし、DVD作成で使用するMPEGファイルのエンコード処理では十分にSSE3の恩恵を享受することができます。また、エンコードソフトはTMPGEncしか使用しないので、同じ2パスのエンコードでもMPEGファイルへのエンコード処理時間の方が圧倒的に早いのもうれしいばかりです。Pentium4とのエンコード処理時間の差は、TMPGEncで1分の映像で2分もの差がでました。60分映像だと2時間というとんでもない差になり、改めてPentiumDの性能の高さを確認することができました。
予想に反してCPU温度が、Pentium4よりも低いのはちょっと驚きでした。TDPは130Wと高いのでかなりの発熱を覚悟していたのですが、無負荷状態で30℃以下という低さでした。これは、リテールのヒートシンクの冷却性能が高いためと思われます。

3.オーバークロック性能
限界ギリギリまでのオーバークロックは試しませんでしたが、4.0GHzまでは試してみたところFSB:DRAMのクロック比は5:4となるため、メモリークロックは200MHz以下になります。そのため、Memory LaytencyはFSB:DRAMのクロック比が1:1となる3.4GHzの方が一番良い結果となりました。ただし、他のベンチ結果はクロックが高い分、それなりの結果になりました。
MPEGファイルのエンコード処理では、SSE3使用で3.4GHzと4.0GHzとの差は1分の映像で9秒違います。これは、60分映像をエンコードすると540秒(9分)の差がでることになります。しかし、真夏時の使用を考えるとCPU温度が更に高くなりフリーズする可能性が高くなると思われます。そのリスクを回避するためには、標準クロックでの使用が無難かと思われます。でも、標準クロックでも必要十分な性能を発揮してくれます。

注)オーバークロックによる製品破損は保証外ですのでオーバークロックは自己責任で行ってください。



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