2007/07/09公開

まだまだASUSハイエンドマザーボードの座は譲れない
   ASUSTeK
Intel 975X + Intel ICH7R搭載マザーボード P5W DH Deluxeです


手持ちの資産を有効活用するためP4C800-E Deluxeから暫定的にとP5P800SEに交換してから早1年で、最新チップのIntel P35搭載マザーも登場し、ハイエンド用のチップX38ももうそろそろ登場しようかというタイミングですが、なにやらICH9Rに問題があるとか無いとかでAsusのICH9R搭載マザーの登場遅れていました。信頼性に不安を感じたので、一世代前となってしまうかもしれませんが信頼性のあるIntel 975Xチップを搭載したハイエンドマザーのP5W DH Deluxeを購入しました。今回、プラットフォームが大きく変わったためDDR2メモリー、PCI Express x 16グラフィックカードも新たに購入しています。

1.P5W DH Deluxeの特徴

対応CPU 対応ソケット:LGA 775
Intel Core 2 Extreme、Core 2 Duo、Pentium Processor Extreme Edition、Pentium D、Pentium 4、Celeron D
FSB 1,066/800MHz
Intel Hyper-Threading Technology support、
次世代マルチコアCPUに対応
チップセット Intel 975XE + ICH7R
メモリ PC2-6400/5300/4300 DDR2 SDRAM(DDR2-800/667/533)×4
最大8GB対応、デュアルチャンネル
拡張スロット PCI Express x16×2、PCI Express x1×2、PCI×3、ATI CrossFire対応(8レーン×2)
ストレージ/RAID HDDインターフェース :
・Serial ATA 3Gb/s×6(ICH7R×3/JMicron Technology JMB363×1、Silicon Image SiI 4723×2)
・External Serial ATA 3Gb/s×1(JMicron Technology JMB363)
・Ultra ATA/133×1(JMicron Technology JMB363)
・Ultra ATA/100×1(ICH7R)

RAIDインターフェース:
・RAID 0/1/5(ICH7R/Serial ATA 3Gb/s×3)
・RAID 0/1/JBOD(JMicron Technology JMB363/Serial ATA 3Gb/s×1、External Serial ATA 3Gb/s×1)
・RAID 0/1(Silicon Image SiI 4723/Serial ATA 3Gb/s×2)
・RAID 10(ICH7R/Serial ATA 3Gb/s×3、Silicon Image SiI 4723/Serial ATA 3Gb/s×2)
LAN 無線LAN機能:IEEE802.11g、IEEE802.11b

LAN機能:1000BASE-T×2(Marvell 88E8053)
オーディオ オーディオ機能:8チャンネルHigh Definition Audio(Realtek Semiconductor ALC882M)
※Dolby Master Studio対応

Dolby Master Studio機能:Dolby Pro Logic IIx、Dolby Headphone、Dolby Virtual Speaker、Dolby Digital Live
I/Oコネクター 内部
USB 2.0×2(4ポート対応)、IEEE1394a×1、Serial ATA 3Gb/s×6、Ultra ATA/133×1、Ultra ATA/100×1、FDD×1、S/P DIF×1

外部
USB 2.0×4、IEEE1394a×1、External Serial ATA 3Gb/s×1、S/P DIF(角型)×1、S/P DIF(同軸)×1、オーディオ×6、WiFi-AP Solo(無線LAN)アンテナポート×1、1000BASE-T(RJ45)×2、PS/2×2、シリアル(COM)×1
ASUSTeK独自機能 Digital Home機能:WiFi-AP Solo、DH Remote、MP3-In、EZ-Backup

オーバークロック機能:AI NOS、AI Overclocking、AI Booster、PEG Link Mode、Precision Tweaker、C.P.R.

その他:Hyper Path 3、Stack Cool 2、SATA on the Go、AI Quiet、Q-Fan 2、EZ Flash 2、CrashFree BIOS 3、Multi-language BIOS、Q-Connector、AI NET2、MyLogo2



P5W DH Deluxe intel 975Xチップ ICH7Rサウスブリッジ Marvell 88E8053
Gigabit Ethernet Controller
サウンドチップ ALC882M LGA775ソケット回り マザー裏面 STACK COOL 2
ケーブル簡単接続ツール(Q-Connector) 外部I/Oコネクタ 付属品 Rev 1.04G

ネットワークは1000Base−Tのコネクタが2個と他に無線LAN機能も標準装備しています。リモコンも付属していてAsusのフラッグシップに恥じない豪華仕様です。
マザーボード裏面には、Asusマザーでは標準のようになったSTACK COOLが装備されています。このSTACK COOLは裏面に銅版を貼り付けてCPUや電源回路からの熱をマザー裏面から放熱する機能です。Asusのアナウンスでは、未搭載とは20℃の差が出ると謳っています。
マザーボードをケースに組み入れた後で、HDD LED、POWER SW、RESET SWなどのコネクタをマザーに接続するのは大変煩わしい作業です。Q-Connectorはそれぞれのコネクタを予め接続しマザーへの接続を簡単行うアダプタです。このアダプタは自作派にとっては非常に便利です。

2.測定環境

測定環境 Asustek P5W DH Deluxe Asustek P5P800 SE
CPU intel PentiumD 950 (3.4GHz)
CPUファン リテール
メモリー SanMax DDR2-800 CL5 hyni 1GB×2=2GB
BIOS設定:SPD (5-5-5-18)
Winbond BH-5 チップ PC3200 CL2.5 256×4=1024MB
BIOS設定:SPD (2.5-3-3-8)
マザーボード Asustek P5W DH Deluxe(i975X + ICH7R) Asus P5P800 SE(i865PE)
BIOS 0503
HDD HITACHI Deskstar7K80(80GB)
サウンドカード オンボード(Realtek Semiconductor ALC882M) オンボード(AD1985 SoundMAX)
ネットワーク オンボード(Marvell 88E8053) オンボード(intel 82540ED Gigabit)
OS Windows XP Professional SP2 DirectX9.0c
ビデオカード&ドライバー ATI HD2900XT(R600)(CATALYST 7.6)デフォルトクロック ATI X850XT PE(R480)(CATALYST 6.5)デフォルトクロック


3.ベンチマークの結果

今回、3Dテスト結果はグラフィックカードの性能が大幅に違うため掲載しませんでした。「ATI HD2900XT」のレビューを参照してください。

1)CPUテスト

  P5W DH Deluxe P5P800 SE
Superπ104万桁 38秒 39秒


SiSoftware Sandra Lite XI


3DMark05 Build120
3DMark03 Build360

どうも、CATALYST 7.6ドライバがまだHD 2900XT用としてはまだ未成熟のためかCPU Scoreは低い値となっています。

2)メモリーテスト

P5P800 SE の「Hyper Path 2」機能を有効にするには、BIOS画面の「Memory Acceleration Mode」を「Enable」にします。P5W DH Deluxeの「Hyper Path 3」機能を有効にするには、BIOS画面で「ENABLE」に設定する必要があります。

SiSoftware Sandra Lite XI


Everest

※Memory Latency は数値の低い方が性能的には上になります。

)サウンドテスト

3DMark03 Build360
  P5W DH Deluxe オンボード P5P800SE オンボード
No Sounds(fps) 90.7 77.9
24 Sounds(fps) 78.6 71.7

※fps は数値の高い方が性能的には上になります。

RightMark 3DSound v2.2 ( CPU Utilization )
P5W DH Deluxe オンボード(Realtek Semiconductor ALC882M) P5P800SE オンボード(AD1985 SoundMAX)

※CPU Utilization は数値の低い方が性能的には上になります。
2Dサウンドは差がありませんが、3DサウンドはSoundMAXの方がCPU Utilaizationが低くなっています。特に3D HardwareはSoundMAXがかなり低い値にになっています。これは、前回、「Creative Sound Blaster Audigy 2 Digital Audio」と比較した時もSoundMAXの方が低かったです。ただし、3DMark03でのサウンドテストでは「P5W DH Deluxe」の方がフレームレートが高い値を示しています。

4)その他テスト

SiSoftware Sandra Lite XI
  P5W DH Deluxe P5P800SE
Drive Index (MB/S) 49 50 
Buffer Read (MB/S) 90 119
Sequential Read (MB/S) 57 57
Random Read (MB/S) 40 41
Buffer Write (MB/S) 45 46
Sequential Write (MB/S) 55 57
Random Write (MB/S) 30 31
Average Access Time (ms)

※P5P800SE のベンチは「P5P800SE」を評価したときのベンチ結果を使用しています。

PCMark05 Build 1.1.0



4.総評

1)我が家もやっとDDR2、PCI Express x 16環境へ移行
今や、巷ではメモリーはDDR3へ移行しようとしているのに我が家はいまだにDDRメモリー&AGPカードがメインとなっています。DDR2メモリーもDDRよりもかなり安くなっているし、現在使用しているRADEON X850XT PEもそろそろパフォーマンス不足を感じ始めたのと、Shader Model 3.0に対応したゲームソフト(Splinter Cell Double Agent)も登場しているので、PC環境を刷新しようと思いました。
そこで、そろろそ型落ちになりそうな「P5W DH Deluxe」ではありますが最新チップのP35登場により、購入し易い価格まで下がってきたので思い切って購入しました。しかし、次期ハイエンドチップであるX38がもうちょっと先の登場なので、まだまだAsusのハイエンドマザーであることには違いありません。ハイエンド仕様だけあって機能は満載で付属品も多くかなり満足の行く製品です。これで、やっと巷のPC環境(DDR2、PCI Express)になったかなという感じです

2)豊富なオーバークロック機能
オーバークロック機能は、Asusお得意分野だけあってかいろいろな機能が豊富です。なんと言っても8フェーズ電源回路はワンランク上の安定した電源供給と製品寿命の向上を図っています。これだけでもハイエンドマザーに相応しい仕様です。更に、チップセットのヒートシンクはかなり大きくヒートパイプも使用して強力に冷却しています。冷却フィンに取り付け可能なファンも付属していますのでファンを取り付けるとかなり強力に冷却します。また、マザー裏面には銅版を埋め込みマザー全体の熱を裏面から放熱しシステム全体を安定させようという仕組みも取り入れています。BIOS設定もかなり細かく設定でき、オーバークロッカーにとってとても便利です。最近定格使用の多い私としてはこれらの機能は安定性を高くするため安心感もあります。
なんと言っても、このマザーの一番の特徴はintel975Xチップが高性能であることだと思っています。最新のP35チップが登場してもいろいろなサイトを見ていてintel975Xの性能はまだまだ揺るぎないものだと確信しています。と、言うかハイエンドマザーを使用しているという自己満足がそう思わせるのかもしれません。次期ハイエンドチップであるX38が登場するまでは、このマザー最上位であることには違いありません。

3)メモリー周りは高速、しかし、サウンド機能いまひとつ
今回、3Dベンチに関してはカードの性能差が極端に違ったので省略しました。Sandoraのベンチ結果を見ると「P5W DH Deluxe」の方が少し高い演算性能を見せています。同一CPUなのでこの差はintel975Xの性能の高さによるところが大きいかと思います。また、SandoraとEVERESTのメモリーのベンチ結果を見るとこれも「P5W DH Deluxe」の方が高い性能を示しています。メモリーがDDR2に変わったことも大きな要因になっているかと思います。
ところが、サウンドはちょっといただけません。3DMark03のベンチではP5P800SEよりフレームレートが高くなってはいますが、「No Sounds」と「24 Sounds」との差が大きいように思います。それだけCPUに負荷がかかっていると思われます。RightMark 3DSoundではそれを裏付ける結果になっていて「Realtek Semiconductor ALC882M」の方がCPUへ負荷がかかっていることを如実に表しています。

4)FSB 1,333MHzの「Penryn」対応はいかに
ここの報告ではIDF 2007でFSB 1,333MHzの次期プロセッサ「Penryn」をi975Xで動作させたと掲載されています。FSB 1,333MHzのCPUもそろそろ登場しそうですが、i975XチップでもBIOS変更のみで対応するのか、それとも、最新リビジョンから対応させてくるのか、それとも、未対応のままとするのか? できれば、BIOS変更で対応してくれることを望みますがどうでしょうね。



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