2003/01/28公開
intel 850E搭載マザーボードP4T533/Rです
昨年は、プラットフォームをintelからAMDに変更しAthlonXPを使用してきましたが、Pentium4も使ってみたいと思っていたので、今回思い切ってPentium4を購入しました。使用するマザーは目新しくはありませんが、Asusから発売されているi850Eチップセット搭載のP4T533/R中古品を購入しました。
intel850Eチップセットを搭載したAsus P4T533/Rマザーは昨年の7月から発売開始されていますが、メモリーの主流がDDR SDRAMとなっている現在では、RIMMを使用するi850Eチップセット搭載マザーは流通量が非常に少なくなっています。また、デュアルチャネルDDRをサポートした最新のintel E7205チップセット搭載マザーが既に発売されていることもあって、時流に乗り遅れている感じはありますが、今回は、i850Eチップセット搭載マザーのP4T533/R+Pentium4
2.4BとAMDのAthlonXP+VIA KT400搭載マザーのKD7-RAIDとの性能比較をしてみました。
1.P4T533/Rの特徴
Socket 478 for intel Pentium 4 (FSB533 / 400 MHz)、intel Hyper-Threading
Technology support
Intel® 850E + ICH2 チップセット
Promis PDC20276 IDE RAID コントローラ搭載(RAID 0、RAID 1)
RIMM 4200/3200 32ビットメモリーRDRAM(232ピン)(最大2GB)、デュアルチャンネルRambus、最大転送バンド幅4.2GB/秒
C-Media 8738-MX 6chPCI オーディオコントローラ
NEC USB2.0コントローラ
ASUS独自のEZ Plug:補助電源システムはATX電源のドライブ用4ピンコネクタを利用できるようにした。
Q-Fan™テクノロジー:システムの負荷により冷却ファンの回転数を自動制御。
intel 850Eチップ | PDC20276 RAIDコントローラー | Asus独自のEZ |
|
6ch CMI8738 Audio controller | USB2.0、Audio、 S/PDIF | ||
CPUへの補助電源は、Pentium4用のATX12V4ピンコネクタが無くてもドライブ用4ピンコネクタを使用できるEZ
plugは電源を交換しなくても使用できるのはうれしいです。C-RIMMはメモリースロットのターミネーターの役割をするので空きのメモリースロットには必ず挿す必要があります。
BIOS設定
BIOS画面表示は多言語対応で日本語の表示が可能でしたが、見づらかったので英語表示にすぐ戻しました。
多言語対応(日本語表示) | FSB100〜200MHz | AGP/PCI Frequency Ratioは固定です |
CPU Core電圧 1.525〜1.825V | CPU/Memory Frequency Ratio | RDRAM Turbo Mode |
2.測定環境
測定環境 | Asustek P4T533/R | ABIT KD7-RAID |
CPU | intel Pentium4 2.4B(Northwood) | AMD AthlonXP2400+(2.0GHz Thorougbred) |
CPUファン | リテール | アルファ製 PAL8045U |
メモリー | SAMSUNG 256MB RIMM4200
32ns BIOS設定:Turbo 4× |
Corsair XMS3200C2
(PC3200 CL2) 256MB BIOS設定:DDR266 2-6-2-2 |
マザーボード | Asus P4T533/R(i850E) BIOS 1006.002Beta |
ABIT KD7-RAID(KT400) BIOS CY (VIA 4in1 Drivers 4.43) |
HDD | IBM DTLA307020 | |
サウンドカード | 未使用 | |
OS | Windows XP Professional SP1 | |
ビデオカード&ドライバー | ELSA GULADIAC 925ViVo(Datnator 42.70Beta)デフォルトクロック |
3.ベンチマークの結果
Pentium4 2.4B P4T533/R | AthlonXP2400+ KD7-RAID | |
Superπ104万桁 | 60秒 | 59秒 |
FSB及びCPUクロックはWCPUID Ver3.1で測定
HDBENCH |
Sandra2003 |
3DMark2001 |
N-Bench2 |
QuakeVARENA (FPS,1280X1024 32bit) |
Comanche 4 (Frame/Sec,1280X1024 32bit) |
Comanche 4 (Tris/Sec,1280X1024 32bit) |
Unreal Tournament 2003(Flyby,1280X960) |
Unreal Tournament 2003(Botmatch,1280X960) |
4.総評
1)今更、i850Eチップセット搭載マザー?
Socket478用マザーはi845PE/GEチップセット搭載マザーが主流となっていますが、これだとメモリー帯域幅が低く、Pentium4の性能を十分引き出すことができません、AthlonXPと性能比較するとAthlonXPが有利になるのは明らかなのでメモリー帯域幅の十分なマザーの選択となるわけですが、候補としては、i850Eチップセット搭載マザーか、最新のintel E7205チップセット搭載マザーのどちらかの選択になるかと思います。いろいろなサイトでのi850EとE7205の性能比較ではi850Eとほぼ同じ性能なんですがE7205マザーはメモリー周りに不安があるようなのでちょっと敬遠しました。また、価格面でE7205マザーはAopen製を除いて3万円以上と高かったので中古品で1万円と安いP4T533/Rを見つけたのと、一度は、RIMMの性能を体験したかったということもあってP4T533/Rマザーにしました。
P4T533/Rマザーには、SAMSUNG製RIMM同梱製品がありますが、今回購入したマザーにはRIMMは同梱されていなかったので、RIMMは別途購入しました。
2)32bit RIMMは1枚単位で増設可能
Asusには、i850Eチップセット搭載マザーはP4T533/R以外にP4T533-Cがあります。同じi850Eチップセットを使用していますが、大きく異なるのは、対応するメモリーが16bitRIMMか32bitRIMMかの違いになっています。
16bit RIMM対応のP4T533-Cはメモリーの増設が2枚単位となっていて、昔のSIMMと同じような増設単位になっています。しかし、この32bit RIMM対応のP4T533/Rは1枚単位での増設が可能になっています。といっても、メモリースロットは2スロットしか無く、空いている側のスロットにはC-RIMMを挿す必要があります。C-RIMMはターミネーターの役割があって、Rambus社のRDRAMの仕様のようです。
3)圧倒的なメモリー性能
さて、ベンチ結果を見るとFSB533MHzで4.2GB/sのメモリー帯域幅がものを言っているのか、HDBENCH、Sandora2003共にメモリーのベンチは圧倒的なパフォーマンスを示しています。しかし、KT400チップセットはシングルチャネルなので、この差はしかたがないかなと思います。AMD系のマザーでも、デュアルチャネルDDR SDRAMに対応したnVIDIAのnForce2チップセット搭載マザーも存在しますが、手元にnFroce2チップセット搭載マザーが無いので比較できないのが残念です。
4)ゲームベンチではP4T533/Rの方が高性能
Superπ104万桁では、AthlonXP2400+の方が1秒早く、この差を縮めることがなかなかできませんでした。3DMark2001はPentum4に有利、N-Bench2はAthlonXPに有利という構図がはっきり出た結果となりました。ゲームベンチでは、3種類ともP4T533/Rが高い性能を示しました。また、ベンチ結果の画面コピーをペイントブラシで編集すると、KD7-RAID+AthlonXP2400+だと画面が引っかる感じがあるのですがP4T533/R+Pentium4
2.4Bだと画面の動きがとってもスムーズでした。
5)オーバークロック機能
FSB100〜200MHzを1MHz単位で変更可能、Vcore1.525〜1.825Vを0.025単位で変更可能、AGP/PCIバスクロックは固定にすることが可能と一応の機能は揃っています。しかし、最近のマザーだとFSBは200MHzオーバーでCPUとメモリーのクロックは非同期に設定することができ、AGP電圧、DDR電圧もBIOS上で変更可能になっています。そういう意味ではちょっと機能的に不足しているかなって感じです。RIMMの電圧が変更できないのはちょっとネックです。
6)影の薄いハイエンドマザー!
現在メモリーの主流はDDR SDRAMになっていてRDRAMの存在は影が薄くりつつあります。そういう理由からかi850Eチップセット搭載マザーもアキバでの流通量が非常に少なくなっています。i850Eチップセット搭載マザーは、Asus以外にGygabyteとEPoXからも発売されていますが、こちらもかなり流通量は少ないようであまり見かけません。
影の薄い存在になりつつあるi850Eチップセット搭載マザーですが、今回のレビューの結果、i850Eチップセット搭載マザーはまだまだハイエンドマザーであることには間違いないようです。しかし、主流メモリーがDDR SDRAMとなっている現在では、デュアルチャネルDDR SDRAMに対応しているintel E7205チップセット搭載マザーがi845PE/GEチップセット搭載マザーからアップグレードする時のベストセレクションだと思います。i845PE/GEマザーからのアップグレードだとDDR
SDRAMメモリーがそのまま流用できるというメリットもあります。
ちょと、時流から外れたP4T533/Rのレビューですが、定格時のパフォーマンスは個人的には満足しています。後は、オーバークロックした時の性能ですね。今年は、ベンチ比較の時はなにかと登場してくるかと思います。