2002/09/08公開
2002/09/16更新

オーバークロック(追加レビュー)2002/9/16
VIA Appollo KT400搭載最新マザーボードKD7-RAIDです

VIA 最新チップセットKT400を搭載したABIT最新マザーボードがバーテッくスリンクから発売されていたので購入してみました。同じKT400搭載したマザーで「KD7-RAID」の上記機種にあたるSerial ATA、IEEE-1394を搭載した「AT7-MAX2」マザーもありましたが時期尚早のような気がして「KD7-RAID」の方を選びました。正式にはDDR400をサポートしていないKT400ですがABITが独自にDDR400サポートをうたっており、オーディオにS/PDIF(光出力端子)を搭載している点が他社のマザーとの大きな違いです。オーバークロッカーには人気のあるABITですが性能はどうかレビューしてみました。


1.KD7-RAIDの特徴

AMD AthlonXP対応(Thoroughbredコアに対応)
VIA KT400 / VT8235 チップセット
High Point HPT372 IDE RAID コントローラ搭載(RAID 0、RAID 1、RAID 0 + 1)
DDR400(PC3200)メモリーに対応、6-chオーディオ S/PDIF対応(光出力端子)
AGP 8X対応、USB2.0 対応、LAN 10/100Mb/sec
ノースブリッジとサウスブリッジを533MB/sの帯域幅で接続する8X V-Linkをサポート

KD7-RAID PCI-6 DIMM-4 RAID  VIA KT400チップ HPT372 RAIDコントローラー
10/100 LAN, 6-ch Audio, S/PDIF 12V 4Pinコネクタ

 

ヒートシンク取付穴の側にはチップが! Hedgehog-typeWだと電源コネクタが!

ヒートシンク取付穴の側にチップが付いているためチップを飛ばすといけないので、今回、ヒートシンクはアルファ製「PAL8045U」を諦めKANIE製「Hedgehog-typeW」を使用しました。ところが、今度は「Hedgehog-typeW」だと電源コネクタと接触します。


BIOS設定

KD7−RAIDは、BIOS画面からいろいろ変更することができます。CPUコアとDDRメモリーの電圧を変更するこが可能でその変更範囲も広いのでオーバークロッカーには有難いです。また、CPUコア温度では内部温度の表示もあり、そのほかに現在のAGP、DDR SDRAMの電圧も表示されています。

倍率 x5〜x18 FSB100〜250MHz FSB:AGP:PCI Ratio
CPU Core電圧 1.100〜2.325V DDR 電圧 2.55〜3.25V CPUコア温度、電圧表示

ThoroghbredコアはL1クローズされているので容易に倍率可変ができますが、L3クローズ無しでもx13以上、x12.5以下の変更が可能でした。x12設定時のWCPUID画像x14設定時のWCPUID画像


メモリー設定もかなり豊富で手持ちパーツに合わせた細かな設定が可能です。

DRAM Clock設定 DRAM マニュアル変更 その他のDRAM設定



2.測定環境

測定環境
CPU AMD AthlonXP2200+(1.8GHz)
CPUファン KANIE製 Hedgehog-typeW
メモリー KINGMAX 256MB PC3200 CL-2.5
マザーボード

 

 
ABIT KD7-RAID(KT400) BIOS AE
Asus A7S333(SiS745) Rev1.03 BIOS 1003
EPoX EP-8K7A(AMD761) Rev1.1 BIOS 2304
HDD IBM DTLA307020
サウンドカード なし
OS Windows XP Professional DirectX8.1
ビデオカード&ドライバー GULADIAC ULTRA 64(OMEGAドライバー Datnator 30.82)デフォルトクロック


3.ベンチマークの結果

KD7-RAIDのメモリー設定
・DDR266 2-6-2-2
・DDR333 2-6-2-2
・DDR400 2.5-6-2-2

A7S333でのメモリー設定
・1:1(133/133MHz) 2-2-2-4

EP-8K7Aでのメモリー設定
・8-8-7-2-2-2-2

HDBENCH

 

Sandra2002

 

3DMark2000

NBench2

※ドライバーはWindowsXP標準を使用しましたが、3DMark2000、N-Bench2ではベンチ結果がA7S333より悪かったので4 in 1ドライバー(Ver 4.42(a)p2)をインストールしてベンチ取り直してみました。

  Superπ104万桁
KD7-RAID(133/133MHz) 1分6秒
KD7-RAID(133/166MHz) 1分4秒
KD7-RAID(133/200MHz) 1分5秒
A7S333(133/133MHz) 1分8秒
EP-8K7A 1分8秒

FSB及びCPUクロックはWCPUID Ver3.0g+で測定


4.総評

AthlonXP2600+を探しに雨のアキバに行ったのですが、各ショップともにいつ入荷されるかわからない状態だったので、売り出されていたKD7−RAIDマザーを衝動的に購入してしまいました。ABITのマザーは、i440BXチップ搭載のBF6以来久しぶりの購入です。KT333マザーを持っていないのでKT333との比較はできませんでしたが、全項目でいい結果を得ることができました。

1)ヒートシンク取付穴の側にチップが?
組み立て時に気がつたのですが、ヒートシンク取付穴の側にはチップが取り付けられているので、アルファ製「PAL8045U」を取り付ける場合注意が必要で、なにか工夫する必要があります。それで、KANIE製「Hedgehog-typeW」を取り付けたのですが今度は電源コネクタと接触するありさまで、何とか取り付けましたが、この辺は改良の余地有りですね。「PAL8045U」の取り付けはゴムワッシャなど柔らかいもので代用できないかちょっと挑戦して見たいと思います。

2)BIOS設定は豊富、倍率可変もOK
BIOS画面での設定項目は、かなり多くてFSBは最大250MHzまで、FSB:AGP:PCIのRatioもFSB200MHz設定でも問題ないように6:2:1の設定が可能です(まだ、試してません)。電圧変更は、コア電圧とDDR電圧の変更が可能でその範囲もかなり広く設定できますが、電圧上げすぎてCPUを壊さないように注意する必要があります。DDRメモリー設定も豊富で最適地を見つけ出すには、いろいろ設定の組み合わせをテストする必要があるかと思います。今回、十分な組み合わせテストはしてませんが時間があれば設定の組み合わせによるベンチ比較してみたいと思います。
ThoroughbredコアはL1クローズされているのでCPUの倍率可変はx12.5以下もx13以上もL3クローズ無しで問題なく変更することができました。これは、オーバークロッカーには有り難い機能です。

3)DDR400設定では性能いまいち?
残念ながら、手持ちのメモリーはクロック耐性が良くないのでDDR400設定では最速設定できなかったため、DDR333設定よりもベンチ結果が低く出てしまいました。高クロック耐性のCPUとメモリーを持っているとかなりの性能が期待できるのではと予想しています。
ベンチ取得時は、WindowsXP標準ドライバーを使用していたため3DMark2000とN-Bench2で、EP-8K7Aより悪い結果となったのでVIAの4 in 1ドライバーをインストールして3DMark2000とN-Bench2のベンチを取り直してみるとかなりいい結果を得ることができました。

4)オーバークロッカー向き!
この「KD7-RAID」マザーは完全にオーバークロッカー向きですね。ベンチ結果も、VIA 4 in 1ドライバー(Ver 4.42(a)p2)を使用することにより全ての結果で、EP-8K7A、A7S333を上回っています。今後登場してくるFSB333版のAthlonXPやBartonコアとの相性は分かりませんが、取り合えず満足できる結果となりました。

注)オーバークロックによる製品破損は保証外ですのでオーバークロックは自己責任で行ってください。


オーバークロック(追加レビュー)2002/9/16公開

今回のマザー「KD7-RAID」はオーバークロック機能満載であるが、しかして、その機能が本当に生かしきれるのかオーバークロックの追加テストをしてみました。

1)DRAMのActive to Prechargeが「6T」と「7T」しか無い
マニュアルでは「5T」「6T]選択の記載があるが、BIOS画面では「6T」「7T」しか選択できません。

5T設定はどこ?


2)「DRAM Clock」の選択ができるのは、FSB133MHzの時のみ
DRAM Clockの「133MHz」「166MHz」「200MHz」を選択できるのはFSBが133MHzのときのみで、FSBが133MHzを超えるとDRAM Clockが選択できなくなり、自動的にDRAM Clockが166MHzになってしまう。FSBが200MHzになっても166MHzになっていますがFSBとDRAM クロックは同期しているのではないかと思われます。

DRAM Clockが選択できない?


3)アルファのPAL8045Uヒートシンク取り付け方法
KD7-RAIDのヒートシンク取り付け穴の側にはチップがあるためそのままではヒートシンク取り付け用のスタッドボルトを取り付けることができません。そのためひと工夫必要ですが今回、防振用ワッシャを使用してみました。

市販の防振ワッシャを使用 取り付け成功です

防振ワッシャだと柔らかく自由に変形するためチップを傷つけるこはありませんでした。
取り付け時に注意することは、ヒートシンク取り付け用スタッドボルトが真っ直ぐになっていることです。斜めにならないように注意が必要です。

4)FSB208MHz(DDR416MHz)達成
今回、初めてFSB200MHzを超えることができました。
FSBを上げていくと種々の問題が発生しました。FSB160MHzぐらいからBIOS設定変更後、リセットボタンを押さないと起動しなくなり、FSB190MHzぐらいからは電源を入れ直さないと起動しないという現象がでました。それも、何回もやらないと起動しないという不安定ぶりでした。また、FSB:AGP:PCIのRatioを6:2:1に設定すると起動しなくなるという現象も出ました。

動作環境
・CPUコア電圧 2.000V
・Ratio(FSB:AGP:PCI) : 5:2:1
・メモリーモジュール:Corsair XMS3200C2 (PC3200 CL2) 256MB
・FSB208MHzのDRAM設定(電圧3.05V)
・DRAM Timing : 2-6-2-2
・DRAM Access : 2T
・Enhance DRAM Performance : Disabled

ベンチ結果

FSB208.35MHz、Superπ104万桁52秒

 

SiSoftware Sandra2002
CPU Arithmetic Benchmark CPU Multi-Media Benchmark
Memory Bandwidth Benchmark Cache & Memory Benchmark
File System Benchmark

 

HDBENCH 3.22 3DMark2000 (1024X768 32bit)

 

N-Bench2




inserted by FC2 system