2003/08/31公開


日立(IBM)ハードディスク対決
  
Deskstar 7K250 vs 180GXP vs 120GXP


日立は、今年の1月1日にIBMのHDD事業部門を買収し、日立のHDD事業部門とを統合した日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)を設立しました。このことにより、Deskstarシリーズもメーカー名がIBMからHITACHIに変更されています。今回、HGST設立後、最初の製品としてDeskstar7K250が登場し、HITACHI(IBM)としては、初めてシリアル ATAモデルも用意されています(現時点では、アキバには登場していません)。
今回、システムディスク用として1年半使用してきたDeskstar120GXP(40GB)を交換するため、Deskstar7K250(80GB)を購入してみました。本来なら、120GB以上のHDDを購入すべきなのでしょうがワーク用のHDDとして既に180GXPを購入していたので、あえて容量80GBの製品を選択してみました。


1.製品仕様
Deskstar7K250
HDS722580VLAT20
Deskstar180GXP
IC35L120AVV207-0
Deskstar120GXP
IC35L040AVVA07
容量
回転数
インタフェース
平均シークタイム
キャッシュ
内部転送レート
80GB(250/160/120/80/60/40GB)
7200rpm
Ultra ATA/100(ATA-6準拠)
8.8ms
2Mbytes(8Mbytes)
757Mbits/s
120GB(180/120/80/60/30GB)
7200rpm
Ultra ATA/100(ATA-6準拠)
8.5ms
2Mbytes(8Mbytes)
699Mbits/s
40GB(120/100/80/60/40/20GB)
7200rpm
Ultra ATA/100
8.5ms
2Mbytes
592Mbits/s
※市場では、Deskstar180GXPの160GB版が販売されていますが、HGSTのサイトには掲載がありません。
 Deskstar7K250にはSerial ATAモデル(250/160/120GB)も用意されています。

HDD基板面デザイン
左から、7K250、180GXP、120GXP

180GXPと120GXPの基板面デザインは同じで見分けがつきません。


3.ベンチ測定環境

測定環境
CPU
メモリー
VGA
マザー
サウンド
OS
ファイルフォーマット
IDEドライバー
AthlonXP2400+ 2.01GHz 
Crucial Micronチップ PC2100 CL2.5 256X2=512MB
ELSA GLADIAC 925ViVo (GeForce4Ti4600) ドライバー Ver45.23
Gigabyte GA-7DXR+(AMD761) BIOS F9
Creative Sound Blaster Audigy 2 Digital Audio
WindowsXP Professional SP1 DirectX9.0b
NTFS
VIA IDE miniport driver v3.20b



4.ベンチマーク結果

ノーマルと静音のモードがありますが、今回はノーマルモードで検証しました。ノーマルと静音モードの設定変更は、HGSTのFeatuer Toolを使用することにより可能です。


HDBENCH3.30
  7K250 180GXP 120GXP
Read 52837  42260 44251
Write 56449  44271 46799
FileCopy(100MB) 25441  24803 26416
※バラツキが多いので10回テストして一番いい結果を採用しました。


SiSoftware Sandra MAX3! (File System Benchmark)
  7K250 180GXP 120GXP
Drive Index 36191  30030 30928
Buffer Read (MB/S) 66  64 68
Sequential Read (MB/S) 54  43 45
Random Read (MB/S) 8 8
Buffer Write (MB/S) 63  63 68
Sequential Write (MB/S) 52  43 42
Random Write (MB/S) 11 10
Average Access Time (ms) 6 6


Ziff Davis Media WinBench99 Ver2.0
7K250 180GXP 120GXP
Disk Inspection tests

 

Begining(KB/s) 59600 56300 47000
End(KB/s) 32800 30800 25200
Disk Access Time 15.8 12.5 15.6
Disk CPU Utilization(%) 16.8 91.6 12.0
Disk WinMarks Business Disk WinMark99 6720 5840 5120
High-End Disk WinMark99 Overall 19600 17200 16700
AVS/Express 3.4 17500 13200 12700
FrontPage98 159000 145000 131000
Micro Station SE 21600 23100 20700
PhotoShop 4.0 13500 11600 10900
Premiere 4.2 9980 9390 9690
Sound Forge 4.0 35200 26000 24500
Visual C++ 5.0 21800 20100 20300


Disk Inspection testsグラフ
Deskstar7K250

Deskstar180GXP

Deskstar120GXP



5.温度測定
  側面温度
Deskstar7K250 37.9℃
Deskstar180GXP 39.5℃
Deskstar120GXP 33.0℃
※室温27℃、WinBench99のDisk Inspection tests中に測定しました。


6.総合評価


1)以外と健闘した120GXP
全体的に120GXPが180GXPよりいいスコアを出したのには驚きです。また、筐体側面温度も120GXPが一番低かったです。逆に、180GXPがHDBENCH、Sandra MAX3!ではスコアが一番悪く、Disk CPU Utilizationでは90%以上になりちょっとおかしな結果となりました。
120GXPについては、ベンチ中にエラーが出たので「Drive Fitness Test (v3.50)」でチェックしたところエラー箇所があったので「Erase Disk」処理を行いました。その時の「Disk Inspection tests」グラフを見ていただくと20.5GBと25GB付近で極端に転送レートの落ち込み箇所があります。

2)7K250は驚愕の転送スピード
今回驚いたのは7K250の転送スピードで、HDBENCHではなんと50MB/sをあっさりと越えてしましました。数年前、RAID構成にしたのと同じぐらいの性能を発揮しています。WinBench99では、外周部分でほぼ60MB/s、ディスク中心部分でも32MB/sと180GXP、120GXPを圧倒する性能を発揮してくれました。

3)137GBを超えるHDD使用には注意を
最近の売れ筋は120GBから160GBに移行しているようで、160GBの1GB当たりの単価が低くなっていて一部の製品では90円/GB以下のものも見受けます。ところが、137GBを超えるHDDの使用には注意が必要でWindows2000/XP標準では137GBを超えるIDEハードディスクを扱う場合に使用される48 ビット LBA が有効に設定されていません。そのため、HDD容量を正しく認識しません。137GBを超えるHDDを使用する場合にはWindows2000 SP3およびWindows XP SP1以降で使用されるATA/ATAPI ドライバが必要となりますので注意しましょう。

4)お勧めは7K250の120GB
いままで、IBMのDTTA、DJNA、DTLAと使用してきましたが、いづれの製品も壊れやすいという印象があります。現に、DTTAとDJNAは1年ちょっとで壊れてしまい、DTLAも、2本のうち1本は壊れてしまいました。Deskstarを使用してからは壊れたという経験がなくなり丈夫になってきたのではと思います。
価格的にも7K250は徐々に安くなってきて、1GB当たりの単価が一番安いものでは120GBが100円/GBを切っています。OSインストール時の137GBオーバー問題や性能面などを考え合わせると、Deskstar7K250の120GB版が一番お勧めではないかと思います。


 

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