2002/01/31公開


40GB最速ハードディスク対決
  
Barracuda ATA W vs Deskstar120GXP


最近のハードディスクは1プラッタ当たりの記録密度が格段に向上し20GB、30GB当たり前の時代となり120GBという超大容量のハードディスクまで登場しています。データ転送のインタフェースもUltra ATA 33、Ultra ATA 66、Ultra ATA 100と高速になってきて最近ではUltra ATA 133対応のハードディスクも登場しています。さて、今回は1プラッタ当たり40GBのハードディスクで流体軸受けを採用したSeagateのBarracuda ATA Wと最速と評判の高いIBM Deskstar120GXPのレビューです。どちらも性能は高く、40GB最速ハードディスクの座を賭けた頂上対決です。はたして最速の座を勝ち取るのはどちらでしょうか。
今回は、特別に友人に無理を言ってST380021Aのベンチデータを取ってもらいました。有難う御座いました。

1.製品仕様
Barracuda ATA W
ST340016A
Deskstar120GXP
IC35L040AVVA07
容量
回転数
インタフェース
平均シークタイム
キャッシュ
内部転送レート
40GB
7200rpm
Ultra ATA/100
8.9ms
2Mbytes
555Mbits/s
容量
回転数
インタフェース
平均シークタイム
キャッシュ
内部転送レート
40GB
7200rpm
Ultra ATA/100
8.5ms
2Mbytes
592Mbits/s

ST380021Aの平均シークタイムは9.5msです。


2.ベンチマーク結果

ベンチマークでは、ノーマルと静音のモード両方を検証しました。この設定変更には、IBMのFeatuer Toolを使用しました。このツールはDeskstar120GXPだけでなく、Barracuda ATA Wの設定変更が可能でした。

・Cドライブ:10GB、Dドライブ:30GBにパーティションを分けています。
・ファイルフォーマット:NTFS

HDBENCH3.30
  ノーマル 静音 参考
Barracuda ATA W Deskstar120GXP Barracuda ATA W Deskstar120GXP ST380021A
Read 41709 43115 36119 42594 41541
Write 41057 44061 35866 37034 40894
FileCopy(100MB) 26637 22170 18712 22925 9904
※バラツキが多いので5回テストして一番いい結果を採用しました。


SiSoftware Sandra 2002 (File System Benchmark)
  ノーマル 静音 参考
Barracuda ATA W Deskstar120GXP Barracuda ATA W Deskstar120GXP ST380021A
Drive Index 23280 29479 22668 21752 24039
Buffer Read (MB/S) 67 84 67 84 67
Sequential Read (MB/S) 33 43 32 31 35
Random Read (MB/S) 6 8 6 6 6
Buffer Write (MB/S) 70 80 70 81 59
Sequential Write (MB/S) 34 41 34 31 35
Random Write (MB/S) 8 10 7 8 7
Average Access Time (ms) 7 8 8 8


Ziff Davis Media WinBench99 Ver2.0
  ノーマル 静音 参考
Barracuda ATA W Deskstar120GXP Barracuda ATA W Deskstar120GXP ST380021A
Disk Inspection tests

 

Begining(KB/s) 41800 46800 42500 46200 42500
End(KB/s) 42800 44700 42800 44100 40100
Disk Access Time 9.82 9.24 10.9 13.1 12.5
Disk CPU Utilization(%) 2.64 3.88 2.8 3.44 4.31
Disk WinMarks Business Disk WinMark99 10800 8950 10100 8280 7270
High-End Disk WinMark99 Overall 21400 23900 20700 21300 14900
AVS/Express 3.4 18300 23100 15500 19800 21400
FrontPage98 184000 161000 153000 185000 40000
Micro Station SE 23800 25700 24400 19400 13900
PhotoShop 4.0 11600 12300 11300 11600 10800
Premiere 4.2 16500 18600 14400 13400 12000
Sound Forge 4.0 28100 36600 34600 39300 24000
Visual C++ 5.0 23500 24000 25500 29200 9130」



3.温度測定
  側面温度 本体側面の温度測定風景
Barracuda ATA W 36.0℃
Deskstar120GXP 28.7℃
※室温22℃、WindowsXPインストール中の最高温度を測定しました。

測定環境
CPU
メモリー
VGA
マザー
IDEカード
サウンド
スピーカー
OS
AthlonXP1600+ 1.4GHz 
Crucial Micronチップ PC2100 CL2.5 256X2=512MB
ELSA GLADIAC ULTRA (GeForce2ULTRA)
EPoX EP-8K7A Rev1.1 BIOS 1a17
FastTrak100
Creative Sound Blaster Live! XGamer
Creative PlayWorks3500
WindowsXP Professional DirectX8.1


ST380021Aの測定環境
CPU
メモリー
VGA
マザー
OS
PentiumV-S 1.13GHz 
PC133 CL3 256X2=512MB
Creative (GeForce2 GTS)
Asus TUSL2-C
WindowsXP Professional DirectX8.1
Intel Application Accelerator 2.0.0.2093を使用


4.総合評価

今回検証にあたって、マザーボードに直付けしないで、FaskTrak100のカードを使用しました。(特に意味は無く、マザーから外すの面倒だったのでそのまま使用しました。)
ベンチマークの結果では、HDBENCH、Sandra2002、WinBench99ともに、Deskstar120GXPが性能の高さを示しています。しかし、Deskstar120GXPのDisk CPU Utilizationがちょっと高いですが、使用していて特に気にはなりませんでした。
ノーマルと静音モードの性能の違いを比較すると、HDBENCHでは両方とも静音モードの結果が悪いんですが、Barracuda ATA WはSandra2002とWinBench99では極端な差がありません。Barracuda ATA Wは静音モードでも十分な性能を発揮しているのがわかります。
Barracuda ATA Wは、かなり静かでノーマルモードでも耳を澄ましていないと電源ファンの音で動作音が掻き消されてしまいます。(短時間、電源ファン以外のファンを止めて動作音を聞いてみました。)
他のサイトの情報では流体軸受けを採用しているMaxtorやWestern Digitalのハードディスクは意外と五月蝿いとの報告があります。このことから、流体軸受けを採用している=静粛性があるとは限らないと言うことがいえます。
本体の温度ですが、本体上面だと両方ともさほど熱くは無いのですが、本体側面だとBarracuda ATA Wの方がかなり熱くなっていたので温度を測定してみました。Barracudaは前モデルでも熱いとの評判でしたが今回もちょっと熱いですね。
Barracuda ATA WとDeskstar120GXPは、それぞれ一長一短ありますが、両方とも単体使用での性能は高いので通常の使用では不満が無いように思います。Barracuda ATA WはRAID化すると単体より性能が落ちるとショップに貼り紙されていましたのでRAID化を前提に購入する時は注意が必要かと思います。
私の勝手な評価は、静かさを追求する方にはBarracuda ATA Wをお薦めいたします。性能を追求する方にはDeskstar120GXPがお薦めだと思います。

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