2003/08/18公開
ファンレスなELSA
GLADIAC
534です
昨年末にはリリースされているはずが、遅れに遅れて登場したnVIDIAのGeForceFXシリーズですが、その中でもバリュー市場を狙ったGeForceFX5200チップ(コードネームNV34)を搭載したELSA
GLADIAC
534がファンレスヒートシンクで登場していたので静音マシン用にと思い購入してみました。手持ちのGLADIAC
925ViVo(GeForce4Ti4600)との性能比較もしてみました。
GLADIAC 534 同梱内容 | カード本体 | GeForceFX5200チップ |
D-Sub、mini-DIN、DVI-Iコネクタ |
DVI-VGA変換アダプタ、 |
hynix製の3.6ns品で ヒートシンクなし |
下はGLADIAC 925ViVo(GeForce4Ti4600) |
ELSA GLADIAC 534の仕様 | |
バスシステム | AGP 2x/4x/8x(ユニバーサルデザイン) 1.5V/3.3V |
グラフィックスコントローラ | nVIDIA GeForceFX5200 プロセッサスピード 250MHz |
ディスプレイメモリ | 128 MB DDR SDRAM 3.6ns 400MHz |
RAMDAC | 350 MHz(2nd RAMDAC / 350MHz) |
コネクタ | アナログVGA 15ピン DVI-I デジタルビデオ出力 TV-OUT |
対応API | OpenGL 1.4,DirectX 8/9 |
その他付属品 | DVI-VGA変換アダプタ、S-VIDEO
コンポジット変換ケーブル ドライバ&ソフトウェアCD-ROM 日本語インストールガイド、日本語ユーザーマニュアル |
測定環境 | |
CPU | AthlonXP2400+(定格2.01GHz) |
メモリー | Crucial Micronチップ256MB×2 = 512MB PC2100 CL2.5 |
マザーボード | GigaByte GA-7DXR+(AMD761) BIOS BIOS F9 |
HDD | IBM Deskstar 120GXP(40GB) |
サウンドカード | Creative Sound Blaster Audigy 2 Digital Audio |
OS | WindowsXP SP1 DirectX9.0a |
ビデオカードドライバー | nVIDIAリファレンスドライバー Ver44.90(ベータ版) |
プロパティの内容 | SiSoftware Sandra MAX3 Standardの情報 |
クロック周波数の自動検出機能 |
標準は2D設定ですが、パフォーマンス(3D)で「自動検出」ボタンを押すと最適なクロックを検出します。
※オーバークロックすることになるので自己責任で行ってください。
ベンチマーク結果
ベンチテストは、標準クロックのコア/メモリーは250MHz/400MHzと自動検出でクロックアップした283MHz/470MHzでテストしました。また、性能としては上位になるGeForce4Ti4600(GLADIAC
925ViVo)のベンチテストも合わせて行いました。
3DMark03 build330
クロック周波数設定 コア クロック メモリークロック |
デフォルト 250MHz 400MHz |
OverClock 283MHz 470MHz |
GF4Ti4600 デフォルト 300MHz 650MHz |
|
解像度 |
1024×768 32bit |
|||
3DMark Score | 1369 | 1511 | 1655 | |
Game Test | GT1-Wing of Fury | 74.9fps | 81.6fps | 103.5fps |
GT2-Battle of Proxycon | 6.8fps | 7.6fps | 10.9fps | |
GT3-Troll's Lair | 6.0fps | 6.7fps | 10.6fps | |
GT4-Mother Nature | 7.5fps | 8.4fps | N/A | |
CPU Test | CPU Score | 397 | 397 | 402 |
CPU Test1 | 39.1fps | 39.1fps | 40.3fps | |
CPU Test2 | 7.9fps | 8.0fps | 7.9fps | |
Feature Test | Fille Rate (Single-Texturing) | 598.6MTexcels/s | 683.1MTexcels/s | 829.6MTexcels/s |
Fille Rate (Multi-Texturing) | 705.2MTexcels/s | 782.2MTexcels/s | 2169.8MTexcels/s | |
Vartex Shader | 4.3fps | 4.7fps | 6.1fps | |
Pixel Shader 2.0 | 7.2fps | 8.0fps | N/A | |
Ragtroll | 4.4fps | 4.9fps | 6.2fps | |
Sound Test | No Sound | 25.1fps | 25.1fps | 25.4fps |
24 Sound | 22.7fps | 22.8fps | 23.1fps | |
60 Sound | 21.6fps | 21.5fps | 21.8fps |
3DMark03 |
3DMark2001SE
クロック周波数設定 コア クロック メモリークロック |
デフォルト 250MHz 400MHz |
OverClock 283MHz 470MHz |
GF4Ti4600 デフォルト 300MHz 650MHz |
解像度 |
1024×768 32bit |
||
FSAA Mode | None | ||
3DMark Score | 7385 | 7884 | 11231 |
Game1-Car Chase-Low Detail (fps) | 98.7 | 106.4 | 162.3 |
Game1-Car Chase-High Detail (fps) | 47.4 | 48.7 | 56.0 |
Game2-Dragothic-Low Detail (fps) | 121.9 | 133.1 | 207.7 |
Game2-Dragothic-High Detail (fps) | 65.7 | 70.7 | 115.7 |
Game3-Lobby-Low Detail (fps) | 112.5 | 117.7 | 134.7 |
Game3-Lobby-High Detail (fps) | 55.2 | 57.3 | 61.7 |
Game4-Nature (fps) | 34.4 | 39.1 | 75.8 |
Fille Rate (Single-Texturing) (MTexels/s) | 628.1 | 713.6 | 1073.8 |
Fille Rate (Multi-Texturing) (MTexels/s) | 730.2 | 810.3 | 2325.3 |
High Polygon Count (1 Light) (MTriangles/s) | 28.4 | 30.4 | 50.2 |
High Polygon Count (8 Lights) (MTriangles/s) | 4.9 | 5.4 | 12.5 |
Environment Bump Mapping | 67.4 | 73.6 | 167.8 |
DOT3 Bump Mapping (fps) | 73.4 | 83.1 | 151.5 |
Vartex Shader (fps) | 46.0 | 51.2 | 99.2 |
Pixel Shader (fps) | 53.3 | 59.3 | 123.3 |
Advanced Pixel Shader (fps) | 28.1 | 31.3 | 89.1 |
Point Sprites (MSprites/s) | 12.1 | 13.7 | 30.4 |
3DMark2001 |
N-Bench 2
デフォルト |
OverClock |
GF4Ti4600 デフォルト 300MHz 650MHz |
|
FSAA |
None |
||
Over All | 2275 | 2378 | 2440 |
CPU BenchMark Score | |||
Integer1 (Tunnel) | 2827 | 2825 | 2829 |
Integer2 (Mandelbrot) | 2419 | 2398 | 2406 |
FPU 1(Chase) | 1963 | 1969 | 1909 |
FPU 2(Rigid Body) | 1993 | 1989 | 1992 |
CPU Over All | 2300 | 2295 | 2284 |
3D BenchMark Score | |||
Low 1 (Leaves) | 2029 | 2055 | 2077 |
Low 2 (Breath) | 1673 | 2094 | 2306 |
High 1 (Leaves) | 2656 | 3070 | 3236 |
High 2 (Breath) | 2646 | 2627 | 2765 |
3D Over All | 2251 | 2461 | 2596 |
N-Bench2 |
ゲームベンチ
チップとメモリーの温度
(クロックはデフォルト、室温28℃、3DMark03動作時の温度測定)
無負荷時のチップ裏温度 | ベンチ動作中のチップ裏最高温度 |
無負荷時のメモリー温度 | ベンチ動作中のメモリー最高温度 |
GeForceFX5200 | GeForce4Ti4600 | ||
チップ | 無負荷 | 58.0℃ | 48.0℃ |
ベンチ動作中 | 65.4℃ | 53.8℃ | |
メモリー | 無負荷 | 42.7℃ | 37.3℃ |
ベンチ動作中 | 54.3℃ | 49.8℃ |
※GeForce4Ti4600(GLADIAC925ViVo)は前回評価時のデータを使用。
総評
1)カードデザインは金太郎飴状態のリファレンスデザイン
今では、ハイパフォーマンスカードでさえリファレンスデザインが当たり前になってしまったカードデザインですが、GeForceFX5200ではリファレンスデザインも何種類か用意されているようでELSAと同じリファレンスのカードデザインを採用しているのは基板の色こそ違いますがGAINWARDとAlbtronが同じカードデザインになっています。
ELSA社も前は独自のカードデザインを採用していたのですが製品のライフサイクルが短くなった現在では仕方が無いこととは思いつつもちょっと寂しい気持ちです。GeForceFXチップではnVIDIAからリファレンスデザインでの販売が条件になっているようで、唯一独自カードデザインの製品を出していたカノープスも今回は、GeForceFXチップを使用したカードではリファレンスデザインで販売する予定です(ただし、ダイレクトショップのみの販売)。
製品ライフサイクルの関係でリファレンスデザインを採用するか独自デザインを採用するかはカードベンダーの自由ですが、リファレンスのカードデザインでの販売が条件になっているのは、いささかnVIDIAの横暴のような気がします。
2)ベンチ結果
DirectX9対応チップと言うことだけあって、3DMark03ではGeForce4Ti4600に大差を付けられないスコアを出しています。他のベンチでは、「FINAL FANTASY XI Becnhmark」(GPUの違いによる差の出にくいベンチです)以外はGeForce4Ti4600に大差を付けられ、ゲームに適したカードではないことがわかります。今回はゲーム用に購入したわけではないのでこれは納得です。でも、解像度を下げてのゲームプレイは軽快とは言えませんが、そこそこプレイすることができます。GeForce4MX440カードを持っていないので、比較はできませんが、GeForce4MX440同程度かちょっと上回る性能ではないかと思われます。
3)CPUよりも高いチップ温度、でも大丈夫
GeForceFX5900ultraを搭載したリファレンスカードでは発熱量が多いため2スロット使うほどの巨大なファンとヒートシンクが採用されていましたが、GeForceFX5200もなかなかの発熱量でチップ温度はGeForce4Ti4600よりもかなり高くなっています。ファンレスヒートシンクなのでちょっと心配ではありますが、オーバークロック状態で「Splinter
Cell」のゲームを長時間プレイしていてもフリーズや色抜けなどの現象は起きませんでした。
最近のGPUチップはCPU(AthlonXP)よりも温度が高いです。AthlonXPでも50℃を超えることはなかなか無いのですがGeForceFX5200だとベンチ動作中に60℃をアッサリ超えてしまいます。
最後に
グラフィックカードを交換予定のある方でゲームはやらないけど、静かなパソコンを自作したい方には打って付けのカードではないかと思います。GeForceFX5200チップ搭載のファンレスカードは各メーカーから販売され価格の差はあまりないことと、リファレンスデザインでもあるので自分の好きなカードベンダーを選択するのがいいかと思います。次期OSであるLonghorn(2005年リリース予定)ではDirectX9ベースのグラフィックスとなります。Longhornのことを考えるのは、まだ早いかもしれませんが、この手のカードは永く使われると思いますので先を見据えての購入もいいかもしれません。
※オーバークックは自己責任で行ってください。