2012/01/02公開




 ハイエンドCPU「Sandy Bridge-ECore i7-3930K (3.2GHz)です

IntelはSandy Bridgeアーキテクチャを採用した初のハイエンドCPU「Sandy Brodge-E」を11月14日より発売開始しました。約2年近く使用してきた「Core 2 Quad Q9650」の古さを感じていたので、「Core i7-3930K」をを購入しました。各種のベンチを測定してみましたので購入の参考にしてください。

1.Core i7-3930K (3.2GHz:Sandy Bridge-Eコア)の特徴
・LGA2011 パッケージ を採用、1333MHzシステム・バス、L1キャッシュ 32KB×6、L2 キャッシュ 256KB×6、ラスト・レベル・キャッシュ(LLC) 12MB、最新の32nmプロセス技術、6コア/12スレッド
Intel® Turbo Boost Technology、SSE2、SSE3、SSSE3、SSE4.1、Intel® Hyper-Threading Technology、Extended Memory 64 Technology ( EM64T )、Intel® Virtualization Technology (VT-x)、Intel® Virtualization Technology for Directed I/O (VT-d)

LGA2011 CPUはLGA775と比較するとかなり大きいCPUです。
Core i7 3930K 3.2GHz 左側はLGA2011 Core i7 3930K
右側はLGA775 Core 2 Quad Q9650


Core i7 3930K ( Sandy Brodge-E、32nm、3.2GHz、6コア/12スレッド

Core i7 3930K ( タスクマネージャー/12スレッド


測定環境
CPU intel Core i7 3930K (3.2GHz) intel Core 2 Quad Q9650 (OC:4.0GHz)
CPUファン Intel製 RTS2011AC(空冷)
Corsair製 CWCH50-1(水冷)
Corsair製 CWCH50-1(水冷)
メモリー SanMax SMD-16G68CP-16KL-Q-BK DDR3L-1600 16GB(4GB*4) SanMax DDR2-1066 CL5 ELPIDA 2GB×2=4GB (銅(Cu)配線プロセス)
マザーボード GIGABYTE GA-X79-UD5 Rev.1.0(X79 Express) Asus Maximus II Formula(P45 + ICH10R)
HDD WD Caviar Green(WD10EADS-00L5B1) Barracuda 7200.11(ST3320613AS)
サウンドカード オンボード (Realtek ALC898) ONKYO SE-200PCI LTD
ネットワーク オンボード(Intel WG82579V) オンボード(Marvell 88E8056)
OS Windows 7 Ultimate SP1 64bit版
ビデオカード&ドライバー Inno3D GeForceGTX580


2.クロックアップ耐性

インテル純正空冷クーラーと水冷クーラー「Corsair製 CWCH50-1」でのクロックアップ耐性をテストしてみました。

1)インテル純正空冷クーラー「RTS2011AC」でのクロックアップ耐性

クーラーはCPUに同梱されておらず、別売となっていたので、Intel純正の空冷クーラーを購入し使用してみました。パッケージjはCPUパッケージよりかなり大きいものでした。
右はRTS2011ACのパッケージ、左は3930K RTS2011AC本体 電源が入ると青白く光ります

Core:4.5GHz、Core 電圧設定:Auto アイドル時と高負荷時のコア温度
※コア温度測定時の室温は14℃。

2)水冷クーラー「Corsair製 CWCH50-1」でのクロックアップ耐性

サイズのAPSALUS用のLGA2011りテンションキットを流用し、「Corsair製 CWCH50-1」をLGA2011ソケットに固定しました。キット内のリング状のホルダーは使用できませんでしたが、固定には支障ありませんでした。
APSALUS用のLGA2011リテンションキットを「CWCH50-1」に流用

電圧設定:Autoの場合、4.6GHzが限界でした。
Core:4.8GHz、Core 電圧設定:1.55V


ベンチマーク結果

1)CPUベンチ

Superπ 104万桁

SiSoftware Sandra Lite 2012


)3Dベンチ

Phenom X4 9950 BEでのゲームベンチはビデオカードの交換が難しい環境になっているので、今回測定は見送っています。
CINEBENCH 11.5

3DMark11 Build103 Performanceモード

3DMarkVanatage Build110 CPU スコア


)エンコード

ビデオエンコードソフト
TMPGEnc Video Mastering Works 5

ビデオソースデータ と 出力ビデオデータの設定
ビデオソースデータ
・MTV2000録画データ (1分、62.7MB)
・Video size         720 x 480
・Video bitrate     8000kbps(CBR)
・Audio format     MPEG-1 Layer-2
・Audio frequency 48kHz
・Audio bitrate     224kbps
出力ビデオデータ(WindowsMediaファイル)のエンコード設定
映像 ・Video size         720 x 480
・Video bitrate     2394kbps(1パスCBR)
・Video codec      Windows Media Video 9
・Video framrate 29.97fps
音声 ・Audio codec      Windows Media Audio 9.2
・Audio format   192kbps、48kHz、Stereo(2パスCBR)
出力ビデオデータ(MPEGファイル)のエンコード設定
映像 ・Video size         720 x 480
・Video bitrate     4000kbps(1パスCBR)
・Video codec      MPEG-2
・Video framrate 29.97fps
音声 ・Audio codec      MPEG-1 Audio Layer U
・Audio format   192kbps、48kHz

TMPGEnc Video Mastering Works 5 による 1秒当たりの処理フレーム数

TMPGEnc Video Mastering Works 5 (1秒当たりの処理フレーム数)
※フィルタリング設定なし。


総評

1.圧倒的なCPU性能

比較対象とした「Core 2 Quad Q9650」は2世代前のCPUなので4.0GHzにオーバークロックしてベンチ比較しましたが「Core i7-3930K」は3.2GHzのデフォルト状態でも高性能ぶりを発揮し、4.0GHzにオーバークロックした「Core 2 Quad Q9650」よりも高いベンチ結果となりました。マザー側で「Turbo」機能を有効にした場合、CPUの負荷状況に合わせて最高で3.8GHzまでクロックアップするので、更に高性能ぶりを発揮します。

2.オーバークロック性能
「Core i7-3930K」は倍率フリーなのでいろいろ試すことができました。オーバークロック性能は、空冷と水冷の冷却で比較してみましたが、この「Core i7-3930K」はコア電圧設定がデフォルト電圧での限界は空冷では4.5GHzで水冷では4.6GHzでした。コア電圧を1.55Vに上げた時の水冷での限界は4.8GHzで5.0GHzに到達することはできませんでした。
空冷にはIntel純正品を使用しましたが、寒い日が続いたので4.5GHzまでオーバークロックできましたが、負荷をかけた時はコア温度は60℃まで上がるので真夏時はオーバークロックは難しいかと思います。オーバークロックしない場合でも、冷却は水冷を使用することをお勧めします。

3.ハイエンドユーザー向けCPU
動画エンコードでもゲームでも十分な性能を発揮します。ただし、CPU、マザー、メモリー、CPUクーラーを交換したので約10万円の出費になりました。かなりの出費になりますので予算的に余裕のある方で動画エンコード、ゲーム等で高性能CPUを必要としているハイエンド・ユーザー向けと思います。

注)オーバークロックによる製品破損は保証外ですのでオーバークロックは自己責任で行ってください。



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