2003/10/12公開



とうとう最速カードも3.5万円を切った
        
ATI
RADEON9800Pro(玄人志向)です

最近ゲームをしていてGeForce4Ti4600だと能力不足を感じはじめ、もうちょっと性能のいいビデオカードが欲しいなと思っていました。順当にアップグレードを考えるといままでnVIDIA製チップを使用したビデオカードをそれもELSA製品を使っていたので、GeForceFX5900チップを搭載したGLADIAC FX 935カード購入となる訳ですが、RADEON9800XTが正式に発表されたのでRADEONにちょっと興味が出てきました。しかし、RADEON9800XTのベンチ比較結果を見るとRADEON9800Pro256MB版より5〜10%の性能アップに止まり、価格はというと$499(5.7万円)とかなり高価になるので、購入はちょっと難しいかなと諦めていました。しかし、ATIテクノロジーズジャパンの発言ではRADEON9800Proはボードごとカードベンダーへ提供しているとのことなので、それじゃあ、どこのメーカーのカード買ってもRADEON9800Proは同じ物という事になるし、ATIのRADEONカードを使ってみたいなとずうっと思っていたので、キワモノ的なパーツを販売している玄人志向製のRADEON9800Proカードが3.5万円を切る格安で販売されていたので即購入してしまいました。このカード玄人志向のサイトを見ると製造元はYUANになっていますが、はたして、このRADEON9800ProはATI純正と同じなのか興味のあるところです。

RADEON9800Proカード本体 同梱内容 RADEON9800Pro R350チップ

※R350チップは、鏡面仕上げでピッカピッカでした。自分の顔が写ってしまうので斜めに画像撮りました。

Samsung製の2.86ns品
MAX350MHz

下はGLADIAC 925ViVo(GeForce4Ti4600)



ATI RADEON9800Proの仕様
バスシステム AGP 4x/8x(AGP 3.0 bus configuration) 0.8V/1.5V
グラフィックスコントローラ ATI RADEON9800Pro(R350) プロセッサスピード 380MHz
ディスプレイメモリ 128 MB DDR SDRAM 2.8ns 340MHz(DDR680MHz) 256-bit
RAMDAC 400 MHz
コネクタ アナログVGA 15ピン
DVI-I デジタルビデオ出力
TV-OUT
対応API OpenGL、DirectX 9.0
その他付属品 DVI-VGA変換アダプタ、S-VIDEO コンポジット変換ケーブル
ドライバCD-ROM、PowerDVD


測定環境
CPU intel Pentium4 2.4B(Northwood)
メモリー A-DATA (Winbond BH-5) 256MB×2 = 512MB PC3200 CL2.5
BIOS設定 2-2-2-5-4
マザーボード Asus P4C800-E Deluxe(i875P) BIOS  1011
HDD IBM Deskstar 7K250(80GB)
サウンドカード オンボード
OS WindowsXP SP1 DirectX9.0b
ビデオカードドライバー ATI RADEON9800Pro    :ATIリファレンスドライバーCATALYST 3.7
nVIDIA GeForce4Ti4600:nVIDIAリファレンスドライバー Ver45.23

プロパティの内容 SiSoftware Sandra 2004 Standardの情報

※グラフィックカードの製造元は、「ATI Technologies Inc.」になっています。ベンダーIDとサブベンダーIDは同じ「1002」です。

標準クロック(スペック値より低めです)

 

オーバークロック コア420MHz/メモリー401MHz(DDR802MHz)

上記オーバークロックした値は、あくまでも限界値を探るものでゲームプレイで使用できるクロックではないことを付け加えて置きます。
※オーバークロックは自己責任で行ってください。



ベンチマーク結果

ベンチテストは、標準クロックとコア/メモリーを420Hz/401MHz(DDR802MHz)にクロックアップした場合とCPUを3.0GHz(18×167MHz)にクロックアップした時のベンチテストも行いました。

3DMark03 build330

  CPUクロック 2.4GHz 3.0GHz 2.4GHz
  クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック
デフォルト
378MHz
337MHz
OverClock
420MHz
401MHz
GF4Ti4600
デフォルト
300MHz
650MHz
解像度

1024×768 32bit

FSAA/Aniso None 2x/8x 4x/8x None None None
  3DMark Score 5551 3729 2831 5740 6212 1794
Game Test GT1-Wing of Fury(fps) 181.8 121.9 106.3 204.3 190.8 123.9
GT2-Battle of Proxycon(fps) 37.6 22.9 13.9 37.4 43.1 10.8
GT3-Troll's Lair(fps) 32.9 20.3 13.2 33.5 37.7 10.4
GT4-Mother Nature(fps) 33.3 26.8 23.8 33.3 37.4 N/A
CPU Test CPU Score 539 541 537 675 537 546
CPU Test1(fps) 59.5 59.3 58.8 74.5 59.1 57.5
CPU Test2(fps) 9.7 9.8 9.7 12.1 9.7 10.3
Feature Test Fille Rate (Single-Texturing) MTexcels/s 1685.6 1622.1 1390.3 1685.9 1957.1 851.0
Fille Rate (Multi-Texturing)MTexcels/s 2601.4 2579.7 2589.0 2601.1 2943.5 2198.6
Vartex Shader(fps) 18.3 18.0 17.8 18.3 20.3 6.2
Pixel Shader 2.0(fps) 48.3 33.7 30.5 48.3 55.9 N/A
Ragtroll(fps) 23.9 13.7 7.9 23.8 27.8 6.5
Sound Test  No Sound N/A N/A N/A N/A N/A N/A
24 Sound N/A N/A N/A N/A N/A N/A
60 Sound N/A N/A N/A N/A N/A N/A

※P4C800-E DeluxeのオンボードサウンドだとSoundTestでは認識していないようです。
 

3DMark03



3DMark2001SE

CPUクロック 2.4GHz 3.0GHz 2.4GHz
クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック
デフォルト
378MHz
337MHz
OverClock
420MHz
401MHz
GF4Ti4600
デフォルト
300MHz
650MHz
解像度

1024×768 32bit 

FSAA/Aniso None  2x/8x 4x/8x None None None
3DMark Score 15176 12413 11300 17799 15615 12587
Game1-Car Chase-Low Detail (fps) 205.3 176.7 155.4 233.3 202.0 195.8
Game1-Car Chase-High Detail (fps) 60.7 63.8 62.9 85.4 62.8 63.1
Game2-Dragothic-Low Detail (fps) 284.9 223.9 199.6 335.0 288.6 216.7
Game2-Dragothic-High Detail (fps) 153.3 130.8 116.8 179.1 155.2 124.9
Game3-Lobby-Low Detail (fps) 188.8 170.9 156.8 231.8 189.9 178.1
Game3-Lobby-High Detail (fps) 84.2 83.0 80.4 104.0 83.6 82.8
Game4-Nature (fps) 121.1 57.3 49.0 121.4 139.0 62.2
Fille Rate (Single-Texturing) (MTexels/s) 2013.3 1897.5 1600.5 2013.3 2336.7 1092.2
Fille Rate (Multi-Texturing) (MTexels/s) 2979.6 2929.6 2914.2 2979.6 3316.9 2335.4
High Polygon Count (1 Light) (MTriangles/s) 83.6 78.6 70.4 86.0 89.6 58.0
High Polygon Count (8 Lights) (MTriangles/s) 18.9 18.6 18.2 18.9 21.0 12.5
Environment Bump Mapping 201.5 148.2 141.3 203.9 201.0 149.7
DOT3 Bump Mapping (fps) 238.6 96.6 85.7 238.8 277.1 154.6
Vartex Shader (fps) 179.3 113.5 89.0 225.0 177.5 100.1
Pixel Shader (fps) 175.5 118.3 110.8 243.4 198.5 124.8
Advanced Pixel Shader (fps) 246.5 117.6 96.5 246.5 282.4 90.1
Point Sprites (MSprites/s) 43.5 22.2 11.3 43.5 50.7 30.6


3DMark2001



N-Bench 2

CPUクロック 2.4GHz 3.0GHz 2.4GHz
クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック 

デフォルト
378MHz
337MHz

OverClock
420MHz
401MHz

GF4Ti4600
デフォルト
300MHz
650MHz
FSAA

None

2x/8x 4x/8x None None None
Over All 2025 2022 1992 2536 2036 1969
CPU BenchMark Score
Integer1 (Tunnel) 2121 2105 2122 2665 2134 2117
Integer2 (Mandelbrot) 1432 1437 1432 1813 1428 1463
FPU 1(Chase) 1359 1381 1382 1723 1370 1376
FPU 2(Rigid Body) 876 877 876 1089 870 871
CPU Over All 1447 1450 1453 1822 1450 1456
3D BenchMark Score
Low 1 (Leaves) 1919 1924 1910 2424 1907 1951
Low 2 (Breath) 2172 2184 2084 2708 2177 2207
High 1 (Leaves) 2922 2937 2900 3697 2929 2985
High 2 (Breath) 3400 3333 3234 4176 3480 2788
3D Over All 2603 2594 2532 3251 2623 2482

 

N-Bench2


ゲームベンチ

Aquamark3 GFX (1024X768 32bit,AA:None,Aniso:4x,Detaols:V.High)
Aquamark3 fps (1024X768 32bit,AA:None,Aniso:4x,Detaols:V.High)

QuakeVARENA (FPS,1280X1024 32bit)

Comanche 4 (Frame/Sec,1280X1024 32bit)
Comanche 4 (Tris/Sec,1280X1024 32bit)
Unreal Tournament 2003(Flyby,1280X960)
Unreal Tournament 2003(Botmatch,1280X960)
FINAL FANTASY XI Benchmark 2 (High Resolution)



チップとメモリーの温度
(クロックはデフォルト、室温25℃、3DMark03動作時の温度測定)

無負荷時のチップ裏温度 ベンチ動作中のチップ裏最高温度
無負荷時のメモリー温度 ベンチ動作中のメモリー最高温度


    RADEON9800Pro GeForceFX5200 GeForce4Ti4600
チップ 無負荷 53.7℃ 58.0℃ 48.0℃
ベンチ動作中 68.2℃ 65.4℃ 53.8℃
メモリー 無負荷 51.2℃ 42.7℃ 37.3℃
ベンチ動作中 83.2℃ 54.3℃ 49.8℃

※GeForce4Ti4600(GLADIAC925ViVo)、GeForceFX5200(GLADIAC534)は前回までの評価時のデータを使用。


総評


1)格安カードでもRADEON9800ProはATI純正と同じ?
カードの色は赤、ヒートシンクを見ると概観はATI純正と同じように見えます。更に、CATALYSTのプロパティを見るとベンダー名は「ATI Technologies Inc」となっていてベンダーIDとサードベンダーIDは同じ「1002」となっています。
これは、まぎれもなくATI製と見ていいのではと思いました。更に、コアとメモリークロックを見ると仕様では、380MHz/340MHzになっていますが、BIOS内のデータでは、378MHz/337MHzとこれもどうやらATI純正と同じようです。ATI純正品を持っていないので確実なことは言えませんが、ATIテクノロジーズジャパンの発言とこの結果を合わせると、玄人志向のRADEON9800ProはATI純正と同じと見ていいかと思います。

2)9800XTが市場に出てくるまではまだまだ最速カード
10月末には、最速の9800XTが市場に登場すると思いますが、それまではまだ、RADEON9800Proは最速ビデオカードであることには間違いありません。ベンチ比較では2世代前になるGeForce4Ti4600(RADEON8500と同じ世代)と比較したので圧倒的に差がついているのはし方がありませんが、手持ちのゲームを解像度1280×1024 32bit、アンチエイリアスを2xに設定しプレイしてみましたが、GeForce4Ti4600よりも軽快にプレイすることができました。

3)DirectX9.0ではCPUよりビデオカードの性能に依存する
今回、Pentium4 2.4Bの定格2.4GHzと3.0GHzにオーバークロックした時のベンチを取ってみましたが、DirectX8.0対応のベンチソフトやゲームではCPUをアップグレードすることによって性能が伸びるとを確認することができました。しかし、DirectX9.0対応の3DMark03とAquamark3では、CPUのクロックアップよりコアとメモリーをクロックアップする方が性能アップにつながります。DirectX9.0対応のゲームは、高性能なCPUより、高性能なビデオカードが必要になるということになります。

4)ゲームとの相性は?
RADEONのビデオカードだとよくゲームが起動しなかったり、プレイ中に不具合が発生したりと、nVIDIAのGeForce系よりもゲームとの相性が悪いと言われてきました。しかし、「Colin McRae Rally 3」「SOLDIER OF FORTUNE U」「SPLINTER CELL」など手持ちのゲーム数種類プレイしてみましたがプレイ中に不具合が発生することはありませんでした。

5)9800XTが出てくれば更に安くなる
10月末には、RADEON9800XTが市場に登場してくるのでRADEON9800Proは更に安くなると思われます。最近、アキバを見て回ると4万円を切っているRADEON9800Proが多いので9800XTが市場に出回れば更に安くなり3万円前半の価格になるのではといます。いままで、ちょっと高いので手が出なかった方でも手の届きやすい価格まで下がることが予想されるので、DirectX8.0のゲームを軽快にプレイするには最良のカードではないかと思います。これで、GeForce4Ti4600は現役から引退となります。

※オーバークロックは自己責任で行ってください。

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