2007/07/21公開


我が家もやっとPCI Express x16カード導入
      
DirectX10対応RADEON HD2900XT(玄人志向製でもATI純正品?)です


RADEON X850XT PEを使い始めてから早1年半が経ってしまいました。周りは、PCI Expressカード環境なのに我が家はAGP環境を押し通して来ましたが、そろそろ、潮時かなと思ってPCI Express x16のRADEON HD2900XTを購入しました。PCI Express環境への移行に伴いマザーとメモリーも交換しています。

HD2900XT カード本体 同梱内容 HD2900XT チップ hynix製 GDDR3 MAX 1GHz
とにかく巨大なカードというか巨大なヒートシンクです。重量はなんと2.6kgもあり、持つとずしっと重さを感じます。

ヒートシンクを取り外したところ

分解後のカード表面

分解後のカード裏面 Theaterチップ
※ヒートシンクはヒートパイプが使用されています。

PCI Express 8pin + 6pin 電源端子 CrossFireコネクタ 下はX850XT PE カード裏面
※ビデオデコーダー「ATI Theater」チップはカード表面の下に位置しています。CrossFireコネクタの下にディップスイッチが2個、使用方法は不明です。
  PCI Express電源コネクタは8pin+6pinになっています。6pin+6pinの電源でも動作しますが「ATI Overdrive」は利用できません。8pinのPCI Express電源コネクタは8pinEPS12V電源コネクタとは微妙に形状が異なり装着するこはできませんので8pinEPS12V電源コネクタを無理して押し込まないようにしましょう。故障の原因になります。

ATI HD2900XTの仕様
グラフィックスユニット ATI Radeon HD2900 (R600)
バスシステム PCI Express x16
プロセスルール 80nm
ストリーミングプロセシングユニット 320 SPU 4 SIMDアレイ
レンダーバックエンド/テクスチャユニット 16基/16基
トランジスタ数 7億
コアクロック プロセッサスピード 740MHz
ディスプレイメモリ 512MB GDDR3 825MHz(DDR1.65GHz) 512bit
RAMDAC 400 MHz 30-bit RAMDACs
コネクタ DVIx2(DualLinkDVI)
TV-Out(HDTV)、HDMI出力対応
対応API OpenGL 2.0、DirectX 10.0(Shader Model 4.0)、HDTV ディスプレイ対応、
その他付属品 S-VIDEO コンポジット変換ケーブル、YPrPb コンポーネント出力変換ケーブル、VIVOケーブル、HDMI変換コネクタ付、DVI-VGA変換アダプタ、ドライバCD-ROM、マニュアル

測定環境 Asustek P5W DH Deluxe Asustek P5P800 SE
CPU intel PentiumD 950 (3.4GHz)
CPUファン リテール
メモリー SanMax DDR2-800 CL5 hyni 1GB×2=2GB
BIOS設定:SPD (5-5-5-18)
Winbond BH-5 チップ PC3200 CL2.5 256×4=1024MB
BIOS設定:SPD (2.5-3-3-8)
マザーボード Asustek P5W DH Deluxe(i975X + ICH7R) Asus P5P800 SE(i865PE)
HDD HITACHI Deskstar7K80(80GB)
サウンドカード オンボード(Realtek Semiconductor ALC882M) Creative Sound Blaster Audigy 2 Digital Audio
ネットワーク オンボード(Marvell 88E8053) オンボード(intel 82540ED Gigabit)
OS Windows XP Professional SP2 DirectX9.0c
Windows Vista Ultimate DirectX10.0 (Call of Juarez ベンチのみ)
ビデオカード ATI HD2900XT(R600)デフォルトクロック ATI X850XT PE(R480)デフォルトクロック
ドライバー CATALYST 7.6
CATALYST 7.7(ロスト プラネットのみ)

ATI HD2900XTにはHDMI変換コネクタが付属していてHDMI Audio DriverをインストールすることによりHDMIからのAudio出力も可能になります。
HDMI Audio Driver
※HDMI Audio Driverはここからダウンロードできます。

プロパティの内容

※「Graphics Card Manufacturer」はATI純正品の「ATI X850XT Platinum Edition」と同じ「Build by ATI」になっています。ATI純正品と同じということかな?

ATI OverdriveはPCI Express用8pinコネクタに8pin電源コネクタが刺さっていないと「ATI Overdrive」が表示されません。この8pinコネクタはCPU用の8pinEPS12V電源コネクタと形状が異なるのでCPU用8pin電源コネクタは使用できません。

ATI Overdrive デフォルト動作クロックは コア:743MHz メモリ:1.656GHz オーバークロック コア:858MHz、メモリ:1.796GHz

※公表されている標準での動作クロックはコア:740MHz、メモリー:1.65GHzですが、ちょっと高めに設定されているようです。しかし、3Dゲームが動作していない状態だとコア:507MHz、メモリ:1.02GHzと低いクロックになり省電力モードになっているようです。

RADEON HD2900XTは、通常使用で550Wを要求しています。CrossFire使用時ともなると750Wというとてつもない電源容量を要求します。テストではPCI Express用8pin電源コネクタを備えて余裕でCrossFireを使用できるAntec TruePower Quattro TPQ-850を使用しました。(CrossFire接続はしないと思いますが環境だけは整えました)

TruePower Quattro TPQ-850 電源使用してのテスト PCI Express用6+2ピンをカードに接続したところ



ベンチマーク結果

現在、公開されているCATALYST 7.6では3DMark05、3DMark06をそのまま実行することができません。コマンドプロンプトで「-nosysteminfo」とパラメータを付けることによって実行することができます。

「-nosysteminfo」のパラメータを付けての3DMark05の実行


ところが、このパラメータだと3DMark03とPCMark05を実行することができませんでした。そこで、いろいろなサイトを検索したところ「C:\WINDOWS\system32\Futuremark\MSC」の中にある「Direcpll.dll」に影響を受けているようなので、このDLLファイルを削除すると、デスクトップのショートカットから3DMark03、05、06、PCMark05を実行することができました。

Direcpll.dllファイル

削除する場合は、オリジナルファイルをどこかにコピーして保存しましょう。もしくは、リネームすることによっても実行されることができました。

3DMark06 build110

クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック
HD2900XT
デフォルト
743MHz
828MHz
HD2900XT
Overdirve
858MHz
898MHz
X850XT PE
デフォルト
540MHz
587MHz
解像度

1024×768 32bit 

Anti-Aliasing/AnisotropicFiltering None 
8x/16x
None  8x/16x
None 
3DMark Score 7761 6871 7925 7852 2399
SM 2.0 Score 3234 2598 3263 3223 1189
SM 3.0 Score 3982 3550 4164 4147 N/A
CPU Score 1733 1717 1733 1710 1682
Graphics Tests Return to Proxycon(fps) 27.443 19.253 27.733 27.414 8.986
Firefly Forest(fps) 26.463 24.052 26.645 26.303 10.834
CPU Tests CPU1 - Red Valley(fps) 0.553 0.548 0.554 0.546 0.541
CPU2 - Red Valley(fps) 0.869 0.869 0.868 0.857 0.836
HDR Tests Canyon Flight (SM 3.0)(fps) 44.418 36.365 48.28 47.971 Not Supported
Deep Freeze (SM 3.0)(fps) 35.225 34.642 35.009 34.978 Not Supported


3DMark06


3DMark05 build130

クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック
HD2900XT
デフォルト
743MHz
828MHz
HD2900XT
Overdirve
858MHz
898MHz
X850XT PE
デフォルト
540MHz
587MHz
解像度
1024×768 32bit
Anti-Aliasing/AnisotropicFiltering
None
8x/16x
None 8x/16x
None
3DMark Score 10528 10107 10623 10278 6655
CPU Score 4023 3988 4130 4043 4997
Game Test GT1-Return to Proxycon(fps) 37.3 36.6 37.2 36.6 29.0
GT2-Firefiy Forest(fps) 27.0 26.6 27.3 27.0 19.8
GT3-Canyon Flight(fps) 74.3 67.7 75.4 70.3 32.8
CPU Test CPU Test1(fps) 2.3 2.3 2.4 2.3 2.8
CPU Test2(fps) 3.1 3.1 3.1 3.1 4.0


3DMark05


3DMark03 build360

クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック
HD2900XT
デフォルト
743MHz
828MHz
HD2900XT
Overdirve
858MHz
898MHz
X850XT PE
デフォルト
540MHz
587MHz
解像度

1024×768 32bit 

Anti-Aliasing/AnisotropicFiltering None
8x/16x
None 8x/16x None
3DMark Score 32864 9412 35450 10692 13781
CPU Score 820 747 831 745 924
Game Test GT1-Wing of Fury(fps) 417.2 195.0 423.6 218.8 350.4
GT2-Battle of Proxycon(fps) 277.2 72.9 300.5 84.2 101.3
GT3-Troll's Lair(fps) 224.5 58.3 240.6 66.2 82.4
GT4-Mother Nature(fps) 232.3 65.9 256.1 74.0 92.9
CPU Test CPU Test1(fps) 118.8 106.7 119.2 107.2 109.6
CPU Test2(fps) 10.0 9.4 10.3 9.2 15.3
Feature Test Fille Rate (Single-Texturing) MTexcels/s 7616.4 1897.5 8041.4 2383.6 1242.8
Fille Rate (Multi-Texturing)MTexcels/s 11349.8 9356.7 13077.3 10829.2 2640.8
Vartex Shader(fps) 122.3 91.7 122.6 90.8 41.2
Pixel Shader 2.0(fps) 376.1 132.0 402.8 138.2 167.7
Ragtroll(fps) 137.6 48.4 140.2 54.2 58.3
Sound Test  No Sound 90.7 75.2 91.7 80.6 72.2
24 Sound 78.6 70.1 77.3 66.0 63.9
60 Sound Not Supported 52.6


3DMark03


N-Bench 3

クロック周波数設定
 コア クロック
 メモリークロック 

HD2900XT
デフォルト
743MHz
828MHz

HD2900XT
Overdirve
858MHz
898MHz
X850XT PE
デフォルト
540MHz
587MHz
Anti-Aliasing/AnisotropicFiltering

None

8x/16x

None

8x/16x
None
Over All 2437 2378 2415 2360 2501
CPU BenchMark Score
Integer1 (Landscape) 2770 2757 2713 2743 2730
Integer2 (Mandelbrot) 2898 2609 2898 2609 2609
FPU 1(Flock) 1827 1824 1811 1818 1800
FPU 2(Rigid Body) 1714 1717 1715 1712 1690
CPU Over All 2302 2226 2284 2220 2207
3D BenchMark Score
Ninja 1 2877 2845 2861 2825 2645
Ninja 2 1980 1962 1955 1959 2516
Grand Touring 2491 2458 2466 2441 3071
Star Fighter 2940 2853 2907 2776 2947
3D Over All 2572 2529 2547 2500 2794


N-Bench3



ゲームベンチ

QuakeVARENA (FPS,1280X1024 32bit)

Comanche 4 (Frame/Sec,1280X1024 32bit)
Unreal Tournament 2004 (Botmatch,1600X1200)

※UT2004は、「Benchemall」を利用してベンチを取りました。


DirectX10 ゲームベンチ

Call of Juarez」 ベンチ

解像度 1280x1024 1600x1200
Multi-Sampling off x4 off x4
Min (fps) 12.7 11.1 11.7 6.2
Max (fps) 91.5 52.4 52.4 25.9
Avg (fps) 47.9 23.6 30.1 12.5


ロスト プラネット」 パフォーマンステスト

ロスト プラネット DirectX 10 バージョン ロスト プラネット DirectX 9 バージョン

※「ロスト プラネット」はCATALYST 7.7を使用しています。CATALYST 7.6でDirectX 10 バージョンを動作させると画面表示がおかしくなります。

チップとメモリーの温度
(クロックはデフォルト、室温24℃、HD2900XTは3DMark06、X850XT PEは3DMark05動作時の温度測定)

    HD2900XT X850XT PE
コア 無負荷 44℃ 45℃
ベンチ動作中 69℃ 82℃
メモリー 無負荷 39.0℃ 39.6℃
ベンチ動作中 50.6℃ 62.5℃

※コアチップ温度は「ATI Overdrive」画面にて測定。


総評


1)とにかく「でかい」「重い」
X850XT PEカードと比較するとHD2900XTはかなり大きいです。特に冷却部分の大きさは圧巻です。しかし、この大きいクーラーのおかげでベンチ動作時のコア温度は思ったよりも低い温度でX850XT PEよりも低くなっています。また、クーラーの騒音もX850XT PEよりも低いように感じます。といってもそもそも両方とも大きな音ですけど。
ヒートシンク部分はヒートパイプが使用されていて銅製になっているためカード全体が重くなっています。カードを持つとズシッときます。

2)ATI初のDirectX10対応カード、「UVD」機能は未搭載
HD2900XTは、ATI(AMD)初のDirectX10対応カードになります。「Call of Juarez」「ロスト プラネット」でDirectX10のベンチテストを行いましたが両方とも激重です。「ロスト プラネット」だとDirectX9と画質はあまり差がないように思います。「Call of Juarez」ではDirectX9とでかなり画質に差があるようですが、正式版のゲームソフト持っていないので確認できていません。
Radeon HD 2600/2400シリーズでは動画再生支援機能「UVD (Universal Video Decoder)」が搭載されていますが、HD2900シリーズには搭載されていません。その代わり再生支援としてシェーダを利用した「UVA (Universal Video Acceleration)」が搭載されています。ハイエンドカードにはハイエンドなCPUが必要ということになります。ベンチ結果を見てもintel PentiumD 950 (3.4GHz)ではこのHD2900XTの性能をフルには引き出せていないようい思います。
DirectX8.0ソフトのベンチ結果を見るとX850XT PEより低い結果となっています。これは、X850XT PEのレビュー時に9800Proとの比較で性能の伸びのないことが確認できていました。DirectX8.0ソフトでのベンチはあまり意味のないことがわかりましたので、今後は、DirectX9、DirectX10のベンチテストに切り替えたいと思います。

3)HDMIに対応
HD2900XTにはHDMI変換コネクタが付属しています。HDMIはHigh-Definition Multimedia Interface(ハイ-デフィニション マルチメディア インタフェース)の略で、接続標準規格であるDVIに音声伝送機能や著作権保護機能(デジタルコンテンツ等の不正コピー防止)、色差伝送機能を加えAV家電と連携できる規格です。
HDMI Audio Driverが用意されていてこのドライバーをインストールすることによりHDMIからのAudio出力も可能になります。極端に言うとサウンドカードが不要となり、オーディオ用のケーブルも不要ということになるのでPCケース背面のケーブル周りはスッキリさせることができます。我が家では、HDMI接続できる機器が無いためテストはできませんでした。今後は、HDMI接続によりPCとAV機器との接続が可能になり選択範囲がかなり広がります。



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