2017/09/23公開

オーバークロック版のMSI nVIDIA GeForce GTX 1080 Ti ARMOR 11G OC です

Asus製のnVIDIA GeForce GTX970を搭載したオーバークロック版のSTRIXシリーズを2014年12月から3年弱使用してきました。AMDのRadeon RX Vega 64の登場に期待していたんですがGeForce GTX1080Tiの性能を超えることはなくGeForce GTX1080と同程度の性能と判明したので思い切って現時点で最速グラフィックカードであるGeForce GTX1080Tiの導入を決め、MSI製の「nVIDIA GeForce GTX 1080Ti ARMOR 11G OC」を購入しましたのでレビューを掲載しますのでご参考にしてください。


1.nVIDIA GeForce GTX1080Ti ARMOR 11G OC の概要

GeForce GTX1080Ti ARMOR 11G OC同梱内容 GeForce GTX1080Ti ARMOR 11G OCカード本体 GeForce GTX1080Ti ARMOR 裏側

補助電源コネクタ 8ピン×2

カードサイズはGeForceGTX970STRIXと同じ

GeForceGTX970STRIXと同じ2スロット占有
※ヒートシンク固定ねじの頭に封印シールが貼っていて分解したか分かるようになっています。今回は分解見送りです。
「GTX 1080 Ti GAMING X 11G」では2.5スロット占有(実質3スロット占有)されるので2スロット占有に留まっているのはありがたいです。

  nVIDIA GeForce GTX1080Ti ARMOR 11G OC の仕様 nVIDIA GeForce GTX1080 Ti Founders Edition の仕様
グラフィックスユニット nVIDIA GeForce GTX1080 Ti nVIDIA GeForce GTX1080 Ti
コア GP102-350 GP102-350
バスシステム PCI Express 3.0 x16 PCI Express 3.0 x16
プロセスルール 16nm 16nm
シェーダプロセッサー数 3584基 3584基
テクスチャーユニット数 224基 224基
ROP数 88基 64基
GPUベースクロック 1531MHz 1480MHz
GPUブーストクロック 1645MHz 1582MHz
メモリ・インタフェース GDDR5X 352bit GDDR5X 352bit
メモリクロック 11016MHz 11010MMHz
メモリ容量 11264MB 11264MB
最大バンド幅 484 GB/s 484 GB/s
最大表示解像度 デジタル出力:7,680×4,320ドット デジタル出力:7,680×4,320ドット
コネクタ DisplayPort 1.4 ×2 (スタンダードサイズのDisplayPort)
HDMI×2 (HDMI 2.0b)
DVI-D×1
※デジタル出力はHDCP 2.2に対応
DisplayPort 1.4 ×3 (スタンダードサイズのDisplayPort)
HDMI×1 (HDMI 2.0b)
DVI(DVI-D×1)
※デジタル出力はHDCP 2.2に対応
消費電力 250W (補助電源コネクタ 8ピン×2) 250W (補助電源コネクタ 8ピン×1、6ピン×1)
対応API OpenGL 4.5、DirectX 12.0、HDTV ディスプレイ対応
NVIDIA SLI technolog 2-Way
NVIDIA PureVideo HD technology
NVIDIA PhysX-Ready、NVIDIA CUDA technology
NVIDIA 3D Vision Surround Ready
NVIDIA GameStream-Ready、NVIDIA G-Sync-Ready
VR READY
OpenGL 4.5、DirectX 12.0、HDTV ディスプレイ対応
NVIDIA SLI technology 2-Way
NVIDIA PureVideo HD technology
NVIDIA PhysX-Ready、NVIDIA CUDA technology
NVIDIA 3D Vision Surround Ready
NVIDIA GameStream-Ready、NVIDIA G-Sync-Ready
VR READY
その他付属品 ドライバーCD、ユーザーマニュアル -

nVIDIA GeForce GTX1080Ti ARMOR 11G OC の特徴
Armor2Xの放熱設計
・ トルクスファン
 - 分散型のファンブレード: 角度のついたブレードがエアフローを加速します
 - 従来型のファンブレード: 大型のヒートシンクへのエアフローと空気の拡散を最大化します。
・ Zero Frozr: 低負荷時にはファンの回転を停止し、不要なファンのノイズを最小化します
・ エアフローコントロールテクノロジー: 最新の空気力学を応用したエアフローコントロールにより冷却効率を向上

オーバークロックユーティリティ Afterburner
・ Android/iOS携帯端末からワイヤレスで操作が可能
・ Predator(プレデター):ゲーム動画キャプチャツール
・ Kombustor(コムバスター):DirectX12ベンチマークソフト内蔵
・ マルチGPU対応

Military Class 4 コンポーネント
・ MIL-STD-810Gに準拠した安定性と品質を誇る Hi-c CAP、個体コンデンサ、スーパーフェライトチョーク(SFC)を使用

測定環境
CPU intel Core i7 4930K( 4.0GHz OC)
CPUファン CWCH100(水冷)
メモリー SanMax DDR3-1600 CL11 (8GB×4)+(4GB×4)=48GB
マザーボード GIGABYTE GA-X79-UD5(Intel X79 Express)
HDD Crucial M4 SSD 256GB ×2(RAID 0)
サウンドカード CRIATIVE Sound Blaster ZxR
ネットワーク オンボード(Intel WG82579V)
OS Windows 10 64bit(Creators Update適用)
ドライバー Force Ware 385.41 WHQL
使用電源 Antec EarthWatts EA-650 Green (650W)


2.オーバークロックツール「Afterburner」

「Afterburner」は、リアルタイムハードウェアモニタ機能とリアルタイムオーバークロック設定機能を搭載するOCツールです。「Afterburner」を使用すれば、Windows上からビデオカードの状態を細かく把握でき、詳細なオーバークロック設定が行えます。
「Afterburner」はnVIDIAカードであればMSI以外の他社のnVIDIAカードのOCツールとしても利用可能です。
高機能リアルタイムハードウェアモニタ&OCツール「Afterburner」
デフォルト スキン v3 Cyborg スキン
※ 「スキン v2」では「Shader Clock」の変更が可能になります。

「Afterburner」のプロパティ設定画面
全般的な機能を設定します。
「Windowsと一緒に起動」にチェックを入れるとユーザー設定したGPUクロック等に自動的に設定が可能です。
監視グラフに表示する項目を選択することが可能です。 Afterburnerのスキンを選択することが可能です。

GPU Clok、Memory Clock、Boost GPU Clock の設定内容
デフォルト GPUクロック OC 設定 Founders Edition と同じGPUクロック設定
※参考のため「Founders Edition」と同じGPUクロックに設定しベンチマークを取得しました。

Boost時のGPUクロック&メモリークロックの設定値とベンチソフト(3DMark TimeSpy、3DMark FireStrikeExtreme、3DMark FireStrikeUltra)実行時のGPU・メモリーのMaxクロック及びGPU温度を測定してみました。
  デフォルト OC 設定
設定値 実行Max値 設定値 実行Max値
GPUクロック 1531MHz 1949MHz 1631MHz 2050MHz
メモリークロック 1376MHz 5508MHz 1559MHz 6237MHz
GPU温度 Min 30℃ / Max 73℃ Min 30℃ / Max 76℃

「GPU Tweak II」による各モードのGPU&メモリークロックとGPU温度
デフォルト設定 OC 設定
※測定時の室温は25℃です。
OCの設定はGPUクロックを+100MHzの1631MHzに設定しました。ブースト時のGPUクロックは2000MHz超えの2050MHzまで到達しました。
GPU温度が45℃以下になるとファンの回転が停止します。

3.ベンチマーク結果

1) 3DMark Time Spy (DirectX12)
3DMark Time Spy ベンチマーク

3DMark Time Spy (総合スコア:、解像度 2560×1440)
3DMark Time Spy (GraphicsScore:、解像度 2560×1440)

) 3DMark Fire Strike (DirectX11)
3DMark FireStrike (総合スコア)
3DMark FireStrike (GraphicsScore)

3) ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド (DirectX11)
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド (Score)


4) ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター (DirectX11)
ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター ベンチマーク

ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター (Score)


5) Superposition Benchmark
UNIGINEが開発した「Unigine 2 graphics engine」ベースの最新ベンチマークソフトです。
Superposition Benchmark

Superposition Benchmark 結果


6) DiRT Rally
ラリーシミュレーションゲーム「DiRT Rally」のベンチマーク機能を使用してベンチマークを取得しました。
DiRT Rally ベンチマーク

DiRT Rally ベンチ結果


7) Assetto Corsa
レーシングシミュレーションゲーム「Assetto Corsa」のベンチマーク機能を使用してベンチマークを取得しました。
Asseto Corsa ベンチマーク

Assetto Corsa ベンチ結果



8) HITMAN
アクションゲーム「HITMAN」のベンチマーク機能を使用してベンチマークを取得しました。
尚、日本語版のHITMANでベンチマーク機能を使用する場合はオプションの言語設定の中のオーディオ言語を「English」に設定する必要があります。「日本語」に設定しているとエラーが出てベンチマーク機能が使用できませんのでご注意ください。
HITMAN ベンチマーク

HITMAN DX11 ベンチ結果

HITMAN DX12 ベンチ結果


9) 消費電力
SANWAの「TAP-TST7」を使用しシステム全体の最大消費電力を測定し、その数値からCPU(実測値)、HDD、ケースファンなどのカタログ値の消費電力を除いた数値です。
※アイドル時の消費電力は最小消費電力を測定しています。

消費電力(CPU、HDD,ケースファン等の消費電力を除く、W:ワット)

GeForceGTX1080Ti ARMORの最大消費電力の平均値は約360Wで、GeForceGTX970 STRIXの最大消費電力の平均値は約230Wでした。


4.総評

1)電源ユニットに問題発生
「GeForceGTX1080Ti ARMOR」でベンチソフトを動作させると途中でシステムリセットがかかってしまいPCが再起動してしまう現象が発生しました。 急遽、予備として持っていた「Antec EarthWatts EA-650 Green」に交換するとベンチソフトは問題なく動作するようになりました。
「Antec TRUEPOWER Quattro TPQ-850」は10年も使用しているので電源ユニット内部のパーツがかなりへたっているので負荷がかかると電圧が下がってしまい再起動したものと推察します。
新たな電源ユニットを発注し届いていますがベンチマークのデータ取得に時間が無かったので「Antec EarthWatts EA-650 Green」で急場を凌いでデータ取得しています。

2)解像度3840X2160まで軽快にゲームが動作
今回からベンチ取得用のゲームタイトルとして「HITMAN」を加えました。「DiRT Rally」「Assetto Corsa」「HITMAN」の3本のゲームタイトルともに解像度3840X2160で画質は最高品質でフレームレートは60fpsをはるかに超え70fpsで軽快に動作します。

3)オーバークロック性能と2スロット占有の恩恵
GPUクロックをデフォルト1531MHz→1631MHzにクロックアップしても問題なく動作しました。「GeForceGTX1080Ti ARMOR」の上位モデルである「GTX 1080 Ti GAMING X 11G」のOC Modeは1569MHzですので、クロックアップには余裕が有り「GTX 1080 Ti GAMING X 11G」のOC Modeと同じ設定での常用運用が可能です。
「GTX 1080 Ti GAMING X 11G」をはじめとするオーバークロック版では2.5スロット占有されるのが多い中で「GeForceGTX1080Ti ARMOR」は高性能ながら2スロット占有でコンパクトなサイズに収まっているのは好感のもてる製品です。

4)GPU温度が45℃以下でファンが停止
GPU温度が45℃を下回るとファンは回転を停止します。ゲームをプレイしていないときはGPUファンの回転は停止しますが、我が家の環境ではケースファンが沢山付いているのでそちらの音でうるさいです。

5)電源ユニットの容量に注意
今回から消費電力の測定を追加しました。今回測定した中で「HITMAN」のDX12設定が一番消費電力が高く、システム全体の最大消費電力が533Wまで到達しました。
「GeForceGTX1080Ti ARMOR」の推奨電源ユニットの容量は600Wですので650Wの電源ユニットを使用しましたので余裕はありますが、各ユーザーのシステム環境に応じて余裕を持った電源ユニットの導入が必要です。
もし、SLI構成を構築する場合は1000Wクラスの電源ユニットが必要かと思います。







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