2018/01/03公開


AMD Threadripper対応X399 チップセットを使用したマザーボード
          
ASRock X399 Taichi

今回、「Ryzen Threadripper 1950X」導入に伴いマザーボードの交換が必要になったのでX399チップセット搭載マザーボードの中でコストパフォーマンスが高く評判の良い「ASRock X399 Taichi」を選択しました。
ご参考になればともいます。


1.ASRock X399 Taichi の仕様と概要

1)ASRock X399 Taichi の仕様
対応CPU - AMD TR4 Socket Ryzen Threadripper シリーズ CPU に対応
- IR デジタル PWM
- 11 電源フェーズ設計
- ASRock ハイパー BCLK エンジン III
チップセット - AMD X399
メモリ - クアッドチャンネル DDR4 メモリテクノロジー
- 8 x DDR4 DIMM スロット
- DDR4 3600+(OC)/3200(OC)/2933(OC)/2667/2400/2133 (ECC 対応および ECC 非対応)
 アンバッファード・メモリに対応(U-DIMM)
- システムメモリの最大容量: 128GB (Windows 32-bit では使用メモリは 4GB 未満)
- DIMM スロット内に 15μ ゴールドコンタクトを採用
拡張スロット - 4 x PCI Express 3.0 x16 スロット (PCIE1/PCIE2/PCIE4/PCIE5)
 シングル x16 (PCIE1)
 ダブル x16 (PCIE1) / x16 (PCIE4); でトリプル x16 (PCIE1) / x8 (PCIE2) / x16 (PCIE4)
 クアッド x16 (PCIE1) / x8 (PCIE2) / x16 (PCIE4) / x8 (PCIE5))
 起動ディスクとして NVMe SSD に対応
- 1 x PCI Express 2.0 x1 スロット
- AMD Quad CrossFireX™, 4-Way CrossFireX™, 3-Way CrossFireX™ および CrossFireX™
- NVIDIA® Quad SLI™, 4-Way SLI™, 3-Way SLI™ および SLI™
- 1 x 垂直 M.2 ソケット (Key E)、には WiFi-802.11ac モジュールが搭載されています (背面 I/O に)
- VGA PCIe スロットに 15μ ゴールドコンタクトを採用 (PCIE1 および PCIE4)
ストレージ/RAID - 8 x SATA3 6.0 Gb/s コネクタ、サポート RAID (RAID 0, RAID 1 および RAID 10), NCQ、AHCI およびホットプラグ機能
- 2 x ウルトラ M.2 ソケット (M2_1 および M2_2), M Key タイプ 2242/2260/2280 M.2 SATA3 6.0 Gb/s モジュール、および
 最大 Gen3 x4 (32 Gb/s) までの M.2 PCIe モジュールに対応
 (起動ディスクとして NVMe SSD に対応 ASRock U.2 キット)
- 1 x ウルトラ M.2 ソケット (M2_3), M キータイプ 2230/2242/2260/2280 M.2 SATA3 6.0 Gb/s モジュール
 最大 Gen3 x4 (32 Gb/s) までの M.2 PCIe モジュールに対応*
- 1 x U.2 コネクタ
 (U.2 コネクタが接続されている場合は M2_1 は無効になります)
ネットワーク - ギガビット LAN 10/100/1000 Mb/s
- 2 x GigaLAN Intel I211AT
- インターネットウェークアップ (Wake-On-LAN) 対応
- 雷/静電気放電 (ESD) 保護に対応
- チーミング機能付きデュアル LAN に対応(Windows 10 RS2 およびそれ以上でチーミングに対応)
- エネルギー高効率イーサネット 802.3az に対応
- PXE 対応
無線 LAN - Intel 802.11ac WiFi モジュール (本体付属品)
- IEEE 802.11a/b/g/n/ac
- デュアルバンド (2.4/5 GHz) に対応
- 最大 433Mbps の高速無線接続に対応
- Bluetooth 4.2 / 3.0 + ハイスピードクラス II に対応
オーディオ - 7.1 チャネル HD Audio およびコンテンツ保護機能 (Realtek ALC1220 オーディオコーデック)
- Premium Blu-ray 音質対応
- サージ保護に対応
- Purity Sound 4
 ・ニチコン製ファインゴールドシリーズオーディオコンデンサ
 ・SN 比 120dB の DAC (差動アンプ搭載)
 ・前面オーディオコネクタ用 TI® NE5532 プレミアムヘッドセットアンプ (最大 600 Ohms のヘッドセットに対応)
 ・ピュア電源入力
 ・ダイレクトドライブテクノロジー
 ・PCB 絶縁シールド
 ・前面出力ポートにインピーダンスセンシング装備
 ・左右のオーディオチャンネル用の個別の PCB レイヤー
 ・ゴールドオーディオジャック
 ・15μ ゴールドオーディオコネクタ
- DTS コネクトに対応
コネクター - 1 x 電源 LED とスピーカーヘッダー
- 2 x RGB LED ポート
 (それぞれのヘッダーは最大 12V/3A、36W までの LED ストリップに対応します)
- 1 x CPU ファン コネクタ (4 ピン)
 (CPU ファンコネクタは最大 1A (12W) の電力の CPU ファンに対応します)
- 1 x CPU オプション/ウォーターポンプファンコネクタ (4 ピン) (スマートファン速度制御)
 (CPU オプション/ウォーターポンプファンは最大 1.5A (18W) の出力の水冷式ファンに対応します)
- 2 x 筐体ファン コネクタ (4 ピン) (スマートファン速度制御)
- 1 x シャーシオプション/ウォーターポンプファンコネクタ (4 ピン) (スマートファン速度制御)
 (シャーシオプション/ウォーターポンプファンは最大 1.5A (18W) の出力の水冷式クーラーファンに対応します)
 (CPU_FAN1, CHA_FAN1, CHA_FAN2, CPU_OPT/W_PUMP および CHA_FAN3/W_PUMP は 3 ピンまたは 4 ピンファンが
 使用されているかどうかを自動検出できます)
- 1 x 24 ピン ATX 電源 コネクタ (高密度電源コネクタ) (マザーボード向け)
- 1 x 8 ピン 12V 電源 コネクタ (高密度電源コネクタ) (マザーボード向け)
- 1 x 4 ピン 12V 電源 コネクタ (高密度電源コネクタ) (マザーボード向け)
- 1 x 6 ピン 12V 電源 コネクタ (高密度電源コネクタ) (PCIe グラフィックスカード向け)
- 1 x フロント音源ポート コネクタ (15μ ゴールドオーディオコネクタ)
 (オーディオ機器をオーディオコネクタのいずれか 1 つに接続します)
- 1 x 直角前面パネルオーディオコネクタ
 (オーディオ機器をオーディオコネクタのいずれか 1 つに接続します)
- 2 x USB 2.0 ポート (4 USB 2.0 ポート対応) (静電気放電 (ESD) 保護に対応)
- 2 x USB 3.1 Gen1 ポート (4 USB 3.1 Gen1 ポート対応) (静電気放電 (ESD) 保護に対応)
- 1 x CMOS クリアスイッチ
- 1 x Dr. Debug(LED 付き)
- 1 x 電源スイッチ (LED付)
- 1 x リセットスイッチ (LED付)
- 1 x CPU Xtreme OC スイッチ
後部出入力ポート - 2 x アンテナポート
- 1 x PS/2 マウス/キーボード ポート
- 1 x SPDIF 光出力コネクタ ポート
- 1 x USB 3.1 Gen2 Type-A ポート (10 Gb/s) (静電気放電 (ESD) 保護に対応)
- 1 x USB 3.1 Gen2 Type-C ポート (10 Gb/s) (静電気放電 (ESD) 保護に対応)
- 8 x USB 3.1 Gen1 ポート (静電気放電 (ESD) 保護に対応)
 USB3_6 ポートでウルトラ USB パワーに対応します( USB3_6 ポートでは ACPI ウェークアップ機能に対応しません)
- 2 x RJ-45 LAN ポート および LED (ACT/LINK LED および SPEED LED)
- 1 x BIOS Flashback スイッチ
- HD オーディオジャック: リアスピーカ / ミドルスピーカ / 低音スピーカ / サウンド入力 / フロントスピーカ /
 マイクロフォン (ゴールドオーディオジャック)
ソフトウェアと UEFI ソフトウェア
- ASRock A-Tuning
- ASRock RGB LED
- ASRock APP Charger
- ASRock XFast LAN

UEFI
- ASRock フル HD UEFI
- ASRock Instant Flash
- ASRock インターネット・フラッシュ
- ASRock クラッシュレス BIOS
- ASRock イージー RAID インストーラ
付属品 - クイックインストールガイド、サポートディスク、I/Oパネル
- 4 x SATAフラットケーブル
- 1 x ASRock 3-Way SLI™ Bridge カード
- 1 x ASRock 4-Way SLI-S111 Bridge カード
- 1 x ASRock SLI_HB_Bridge_3S カード
- 2 x ASRock WiFi 2.4/5 GHz アンテナ
- 3 x M.2 ソケット用ねじ
- 付属ディスク(ドライバ, ツールソフト, アンティウィルス (トライアル), グーグル クローム・ブラウザー & ツールバー)
ハードディスク制御 - 温度センシング: CPU ファン、CPU オプション/ウォーターポンプファン、シャーシファン、シャーシオプション/ウォーターポンプファン
- ファンタコメータ: CPU ファン、CPU オプション/ウォーターポンプファン、シャーシファン、シャーシオプション/ウォーターポンプファン
- 静音ファン (CPU 温度に従ってシャーシファン速度を自動調整): CPU ファン、CPU オプション/ウォーターポンプファン、シャーシファン、
 シャーシオプション/ウォーターポンプファン
- ファンマルチ速度制御: CPU ファン、CPU オプション/ウォーターポンプファン、シャーシファン、シャーシオプション/ウォーターポンプファン
- 電圧範囲: +12V, +5V, +3.3V, CPU Vcore, VCORE_NB, DRAM, PCH 1.05V, +1.8V, VDDP
規格 - ATX 規格: 12.0-in x 9.6-in, 30.5 cm x 24.4 cm
- 8 レイヤー PCB
- 2oz コパー製 PCB


2)ASRock X399 Taichi のパッケージ内容
ASRock X399 Taichi マザーボード 製品パッケージ 付属品


3)ASRock X399 Taichi のボード表面&裏面
ASRock X399 Taichi 本体 マザーボード裏面
CPUソケットの裏面にはボードが歪まないように金属プレートで補強されています。

4)AMD Socket TR4 周りとデジタル電源回路&電源コネクタ類
AMD Socket TR4 周り

11フェーズデジタル電源回路
CPUソケット上部に8フェーズ メモリスロット脇に3フェーズ 裏面に電源回路用タンタルコンデンサを実装
プレミアム 60A パワーチョーク Dr. MOS IR デジタル PWM
Ryzen ThreadripperのTDPは180Wになっているので高負荷時やオーバークロック時に安定動作するよう電源回路は 11 電源フェーズ設計となっています。各電源のフェーズには「プレミアム 60A パワーチョーク」と「Dr. MOS」を各々搭載しています。
「プレミアム 60A パワーチョーク」を使用することによって飽和電流を最大 3 倍まで効果的に増加させ、マザーボードの Vcore 電圧の強化・向上を計っています。
「Dr. MOS」 は、それぞれのフェーズの電流と温度の監視向けに最適化されているため、CPU に円滑かつ安定した電源を供給し、優れたオーバークロック能力を提供します。
オンボード 「IR デジタル PWM」 コントローラはCPUソケット上部とメモリスロット脇に各々1個ずつ搭載しており正確で安定した電力を供給します。


電源回路のアルミニウム合金ヒートシンク ヒートシンクを外したところ 熱伝導シートが貼付けています
大型ヒートシンクはアルミニウム合金製を使用しており 「MOSFET」 からの発熱を効率的に放熱し、システム全体の性能を安定させます。


左右メモリスロットに各々2フェーズ電源回路を搭載(プレミアムメモリ合金チョーク使用)
左右のメモリスロットには各2フェーズの電源回路を搭載し、メモリ電源供給用に特別設計されたプレミアムメモリ合金チョークを使用し、耐電磁干渉性および耐熱性に優れマザーボードへの電源供給の安定性と信頼性を向上させています。
メモリスロットのピンはすべて腐食に強い15μ金メッキピンを採用しており、より安定したデータ転送を実現しています。


24pin ATX電源コネクタ 4Pin CPU電源コネクタ 8Pin CPU電源コネクタ マルチGPU用PCI-E 6Pin補助電源コネクタ
CPU 電源コネクタは4Pinと8Pinの電源コネクタに分離し、マザーボードの左右に電源コネクタを配置することで電源をより効率的に供給し、発熱温度を低く抑え、システムの安全性を向上させることによってオーバークロック能力を強化する設計になっています。
PCI-E 6Pin補助電源コネクタは 4 枚のグラフィックスカードを取り付ける場合には、PSU の電源ケーブルをこのコネクタに接続することを勧めています。


5)AMD X399チップセット
太極図をモチーフしたヒートシンク 熱伝導シートが貼付けられネジ2本で固定 AMD X399 チップセット  
 
AMD X399チップセットはSocket TR4向けに設計されRyzen Threadripperの持つ64レーンのPCI-Express3.0を各スロットに振り分けることで、最高4-Wayのマルチグラフィックス環境を構築可能にしている。またインターフェイスはUSB3.1 Gen.2×2、USB3.1 Gen.1×14、USB2.0×2のUSBポートと、最大12ポートのSATA3.0(6Gpbs)を搭載し、RAIDレベルは0/1/10に対応。最新NVMe SSDもサポートし、RAID環境の構築も可能になっている(RAID構築は2017年10月に解禁となっている)。また、NVMe SSDによるシステムドライブのRAID環境の構築も可能となっている。


6)高音質オーディオ回路「Purity Sound 4」
「Purity Sound 4」オーディオ ニチコン製音響コンデンサ搭載 AudioコントローラRealtek「ALC 1220」 ノイズ防止のためメイン基板から回路分離
オーディオ回路は、S/N比120dBAのRealtek製最新IC「ALC1220」をベースにした「Purity Sound 4」を搭載し、600Ωのハイインピーダンスに対応するオペアンプTi「NE5532」や、ニチコン製オーディオコンデンサ「ファインゴールドシリーズ」を採用している。PCB 絶縁シールドによりメイン基板から分離した独立設計になっており左右オーディオチャンネル層を分けた分離レイヤー構造などを採用することで、オンボードながら高音質なサウンドを提供しています。


7)PCI-E スチール製スロット
4 x PCI-E 3.0 x16、1 x PCI-E 2.0 x1 スロットはスチール製カバーで保護 スチール製カバーは裏からハンダ付け PCI-E 2.0 x1 右端に切り込みが入っている
 
PCI-E スロットは堅牢なスチール製カバーで保護されグラフィックスカードによる信号干渉を防止します。また、スチール製カバーはマザーボード裏からハンダ付けされておりグラフィックスカードをPCI-E スロットにしっかりと取り付けることができます。


8)Intel デュアルギガビットLAN
Intel 「I211AT」ギガビットLANコントローラ ギガビットLANコネクタ
LAN ケーブルをこのマザーボードの背面出入力に接続できます。このマザーボードのチーミング機能付きデュアル LAN を有効にすれば、2 つの単一接続を 1 つの単一接続のように動作させて、転送帯域幅を 2 倍に増やし、データをより効果的に転送できます。


9)Ultra M.2 ソケット
3基の「Ultra M.2」ソケット
帯域幅32Gbpsの「Ultra M.2」ソケットを 3基搭載し、NVMe SSDは最大3台まで同時に使用可能です。なお「Ultra M.2」の1ポートとU.2は帯域を共有しているためU.2 コネクタが接続されている場合は M2_1 は無効になるので使用には注意が必要です。


10)Hyper BCLK Engine III
ICS製クロックジェネレータ
「9VRS4883BKLK」
PCIe 周波数オーバークロッキングに対応する外部ベースクロックジェネレータのICS製クロックジェネレータ「9VRS4883BKLK」が追加されています。より幅広い周波数とより正確なクロック波形を提供します。ユーザーは、正確かつ安定したオーバークロッキングで CPU 投資を最大限活用できます。


11)バックパネル、その他
バックパネルインタフェース SATAコネクタ、U2コネクタ 「Smart Switch」、「Dr.Debug」
バックパネルインターフェイスはUSB3.1 Gen.2×2(Type-A/Type-C)、USB3.0×8、オーディオ端子×5、光オーディオ端子×1、ギガビットLAN×2、PS/2×1の構成になっています。更にIEEE 802.11ac無線LAN&Bluetoothコンボカードと、USBメモリだけでUEFI ROMを書き換えられる「BIOS Flashback Switch」を搭載しています。
U.2 を使用して世界最速 U.2 PCIe Gen3 x4 SSD を接続できます。
「Smart Switch」及び「Dr.Debug」のオーバークロック機能はマザーボード右下にまとめて配置されています。


2.Ryzen Threadripperの装着方法
CPUの大型化に伴いRyzen Threadripperは4,094本という、大量のコンタクトピンが必要になり Ryzen ThreadripperのLGAパッケージのピンは非常に繊細なことから、これまで以上にピン曲がりやピン折れのリスクが増えることになります。そこでAMDでは、専用のキャリアフレームを使用する方法を採用し、ピン曲がりやピン折れのリスクを軽減しています。

金属カバーのネジを緩める   金属製カバーが自動的に持ち上がる
 
金属製のカバーに刻印されている「OPEN 3→2→1」の順にCPU付属のトルクスドライバーでネジを緩めます。

  3本すべてのネジを緩めると、金属製カバーが自動的に持ち上がります。
金属製フレームを持ち上げる   透明のダミーキャリアフレームを持ち上げる
 
透明のダミーキャリアフレームを搭載する金属製のフレームを持ち上げます。


  金属製のフレーム部分から透明のダミーキャリアフレームを上へ持ち上げます。
透明のダミーキャリアフレームを取り外す   Ryzen Threadripperを差し込む
 
金属製のフレーム部分から透明のダミーキャリアフレームを取り外します。


  金属製フレームの溝にオレンジ色のキャリアフレーム毎 Ryzen Threadripperをゆっくりと差し込んで装着します。
金属製フレームにRyzen Threadrippe完了   ラッチで仮固定
 
金属製フレームにRyzen Threadrippe 装着完了です。


  Ryzen Threadrippe を装着した金属製フレームをソケットに下ろしていき、2箇所のラッチで仮固定します。「カチ」と音がしたら仮固定完了です。
トルクスネジを締めて固定   Ryzen Threadripperの固定完了
 
金属製のカバーにある通り、「CLOSE 1→2→3」の順にトルクスドライバーでトルクスネジを締めれば固定作業は完了です。

  トルクスネジを「CLOSE 1→2→3」の順に徐々に締めてトルクスドライバーが「カク」となるまでトルクスネジを締めれば完了です。


3.簡易水冷CPUクーラーの装着方法
Socket TR4用ブラケット装着 Socket TR4に「CWCH50-1」を固定
Ryzen Threadripper に付属するSocket TR4用ブラケットはCorsair製「CWCH50-1」に装着可能ですので付属するブラケットを利用して「Ryzen Threadripper 1950X」を「CWCH50-1」で冷却します。
ブラケットのネジの締め付けはブラケットに刻印された「1→2→3→4」の順に締め付けます。


4.BIOS設定

1)CPU周波数、コア電圧変更
BIOS メイン画面 BIOS 言語設定 CPU周波数及び電圧変更
購入時のBIOSバージョンはP1.50でした。2018年1月1日現在の最新バージョンはP2.00がASRockのサイトにアップされていましたのでBIOSアップデートしています。BIOS画面の言語表示は「English」以外に「日本語」表示が可能になっています。
「OC ツール」画面でCPUの周波数とコア電圧の変更が可能です。コア電圧を1.45V以上に変更しようとすると文字が赤くなり警告を示します。

Ryzen Threadripper 1950X ( 14nm、3.4GHz、16コア/32スレッド )


2)DRAM設定
CORSAIR CMK16GX4M2B3200C16
X399チップセットはクアッドチャネルをサポートしていますのでDDR4メモリーはCORSAIR製のCMK16GX4M2B3200C16(8GBX2)を2セット(8GBが4枚)購入しました。

XMPプロファイルによるDRAM設定変更 DRAM周波数の変更画面
XMP 2.00プロファイル読み込みでDRAM周波数及びDRAM電圧設定を変更します。

CMK16GX4M2B3200C16のSPD情報 ( XMP 2.0 サポート ) XMPプロファイル自動設定 ( DRAM周波数:1066MHz )

XMP2.00プロファイルに設定 ( DRAM周波数:1600MHz )



5.ネットワークアダプタのチーム化の設定方法

チーミング機能については、下記 Intelサイトの「インテル アドバンスド・ネットワーク・サービスによるチーム化」に詳細が掲載されていますので参考にしてください。
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/articles/000005667/network-and-i-o/ethernet-products.html

1)ネットワークドライバーのインストール手順

ドライバーはASRockのサイトからダウンロードします。
ドライバー&ソフトウェアインストール手順の画面 解説
「ドライバーとソフトウェアのインストール」をクリックします。
インストール・ウィザードが起動したら「次へ」をクリックします。
使用許諾契約書の画面が表示されますので「使用許諾契約の条項に同意します」にチェックを入れて、「次へ」をクリックします。
同意しない場合はインストールが開始されません。
セットアップ・オプションの画面が表示されたら「インテル® アドバンスト・ネットワーク・サービス」にチェックを入れます。ここにチェックを入れないと「チーム化」ができませんので注意してください。
「次へ」をクリックします。
インストール開始する場合は、「インストール」をクリックします。
インストール完了で左記の画面が表示されますので「完了」をクリックし、インストール・ウィザードを終了させます。


2)デバイスマネージャでチーム化の手順

チーム化手順の画面 解説
ドライバーインストール完了後、デバイスマネージャーでネットワークアダプタの「Intel(R)I1211 Gigabit Network Connection」のプロパティを開きます。
プロパティを開いたら「チーム化」のタグをクリックします。アダプターのチーム化の画面が表示されます。
「このアダプターを他のアダプターとチーム化する」にチェックを入れます。「新規チーム」をクリックすると新規チーム作成のウィザードが開始します。
新規チーム作成のウィザードが開始し、チーム名の指定画面が表示されます。
チーム名を指定します。
画面にアダプターが表示されるので、チームに含めるアダプターにチェックを入れ「次へ」をクリックします。
チームタイプの選択画面が表示されるので、チームタイプを選択します。
「アダプティブ・ロード・バランシング」を選択しました。アダプティブ・ロード・バランシング機能は外部からのデータ受信はプライマリー・アダプターのみが行います。マルチキャスト/ブロードキャストや、ルーティングされないプロトコルでは、プライマリー側のアダプターからのみ送信されます。
チーム作成が完了すると左記の画面が表示されますので「完了」をクリックしてウィザードを終了します。


チーム化完了後のデバイスマネージャーによる確認 解説
チーム化が完了するとデバイスマネージャーでは指定したチーム名が一つのデバイスとして認識されています。
チームのプロパティを開くと「チームの削除」「詳細」「チームの編集」「スイッチのテスト」「アダプタのプロパティ」を確認することが可能になっています。また、チーム内のアダプターは2枚ともステータスが「アクティブ」状態になっていることが確認できます。アダプターがネットワークに接続されていても使用されていない状態の時は「スタンバイ」状態になっていることがあります。
スイッチの設定状態をテストする場合は「スイッチのテスト」をクリックします。
スイッチのテスト画面が表示されるので、テストを実行する場合は「テストの実行」をクリックします。
スイッチの設定状態がチームタイプに適合しているかテストを実行します。
スイッチの設定状態がチームタイプに適合している場合は左記の画面が表示されます。
左記画面はチームタイプに「アダプティブ・ロード・バランシング」を選択した場合のテスト結果です。ただし、我が家のスイッチングハブは設定変更はできないので適合しないチームタイプがあります。
スイッチの設定がチームタイプに適合していない場合は、テスト結果として問題の状況を表示します。
左記の画面はチームタイプに「静的リンク・アグリゲーション」を選択した場合のテスト結果です。我が家のスイッチングハブはリンク・アグリゲーション対応スイッチを使用していないので左記のような結果となりました。


6.システムチューニングツール「A‐Tuning」
「A-Tuning」はASRockマザーのシステムチューニングツールです。
「A-Tuning」 Operation Mode (操作モード) 画面 Operation Mode Advanced 画面
「Operation Mode」画面で「Performance Mode」(性能向上)、「Standard Mode」(標準モード)、「Power Saving」(ECO モード)の3種類の動作モードから選択可能です。
「Performance Mode」では詳細な設定が可能な「Advanced」画面が用意されています。ただし、「ASRock X399 Taichi 」では設定可能な項目は表示されませんでした。
「A-Tuning」 OC Tweaker (OC 調整) 画面 「A-Tuning」 System Info (システム情報) 画面
BIOS画面上の「OC Tweaker」と同じ項目が設定可能でシステムのオーバークロックを設定します。

システムに関する情報を表示します。

「A-Tuning」 FAN-Tastic Tuning (FAN-Tastic チューニング) 画面 「A-Tuning」 Setting (設定) 画面
グラフを使用して、最大 5 種類のファン速度が設定できます。割当てられた温度に達すると、ファンは次の速度レベルへと自動的にシフトします。
Windowsを起動時に「A-Tuning」を自動実行する場合に、「Auto run at Windows Startup(Windows 起動時に自動実行) 」にチェックを入れます。


7.ベンチマークの結果

測定環境
CPU Ryzen Threadripper 1950X (3.4GHz) intel Core i7 4930K (3.4GHz)
CPUファン Corsair製 CWCH50-1(水冷) Corsair製 CWCH100 (水冷)
メモリー CORSAIR CMK16GX4M2B3200C16 (8GB X 2) X 2 = 32GB
XMP2.00プロファイル DDR4-3200
SanMax DDR3-1600 CL11 (8GB×4)+(4GB×4)=48GB
マザーボード ASRock X399 Taichi ( BIOS P2.00 ) GIGABYTE GA-X79-UD5 (X79 Express) BIOS:F13w
システムHDD Crucial M4 SSD 256GB
サウンドカード CRIATIVE Sound Blaster ZxR
ネットワーク オンボード(Intel I211AT) オンボード(Intel WG82579V)
OS Windows 10 Pro 64bit( バージョン 1709 )
ビデオカード&ドライバー MSI nVIDIA GeForce GTX 1080 Ti ARMOR 11G OC(Force Ware 388.71 WHQL)
使用電源 クーラーマスター V1200 Platinum (1200W)

1)CPUテスト

SiSoftware Sandra Lite Platinum 2017 (24.50)
RyzenThreadripper 1950Xのテスト結果を引用しています。

2)メモリーテスト

SiSoftware Sandra Lite Platinum 2017 (24.50)
メモリー帯域はLocalモードがいい結果となりました。他のベンチ結果では逆転しているベンチもあります。

3)ネットワーク

SiSoftware Sandra Lite Platinum 2017 (24.50)
チーム化ではチームタイプは「アダプティブ・ロード・バランシング」を選択しています。

8.総評

1)コストパフォーマンスの高いマザーボード

「ASRock X399 Taichi」はハイエンドクラスマザー並みに電源回りを補強し、ソケット裏面に金属プレートでマザーボードを補強、また、PCI-Eスロットは金属製カバーでスロットの保護と補強を怒っています。
正にハイエンドクラスマザー並みの機能を備えたコストパフォーマンスの高いX399チップセット搭載マザーといえます。

2)ギガビット LANでチーム化してみよう
よくハイエンドマザーに搭載している10ギガビットLANは私のような一般家庭ユーザーのPC環境では必要性がありません。コストを抑えるため10ギガビットLANの搭載は止めて、1ギガビットLANを2個搭載しています。これによりチーム化が可能となっています。一般ユーザーでもチームタイプの「アダプター・フォールト・トレランス」や「アダプティブ・ロード・バランシング」であれば特別なスイッチングハブを用意する必要もなくチーム化を設定するハードルも低くなります。

3)DDR4メモリーの相性
X399チップセット搭載マザーはDDR4メモリーとの相性があるとのことなので。ASRockサイトのメモリーサポート一覧を確認し、「CORSAIR CMK16GX4M2B3200C16 (8GB X 2)」を2セット購入しクアッドチャンネルを使うため4枚用意しました。
BIOS画面のDRAM設定でXMPプロファイル自動設定にするとDDR-2133のスピードになります。DDR-3200に設定する場合はXMPプロファイルの項目をXMP2.00プロファイルに設定します。なぜか、起動する際には警告音が鳴ってしまいます。ただし、DDR-3200で使えています。


注)オーバークロックによる製品破損は保証外ですのでオーバークロックは自己責任で行ってください。

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