2001/05/18公開
2001/06/05更新

自作初心者の方のために、組み立てるために必要なパーツの種類と機能を解説します。

下記の画像は自作するのに必要なパーツ一覧です。

【画像をクリックすると解説へジャンプします。】

CPU メモリー マザーボード
ハードディスク・ドライブ CD−ROM フロッピー・ドライブ
ビデオ・カード ディスプレイ サウンド・カード
スピーカー キーボード マウス
ケース OS  
 

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CPU(Central Processing Unit)【中央演算装置】
CPU(Central Processing Unit:「シーピーユー」)は、パソコンの中枢となる重要なパーツで処理性能を決定付けるパーツでもあり、人間でいえば脳に当たります。CPUの性能はMHzというクロック数が目安となります。使用するマザーボードによって使用できるCPUのメーカー及び種類が異なります。
CPUのメーカー及び種類は、intel(インテル)社が発売している製品でPentiumV(ペンティアム・スリー)またはCeleron(セレロン)でクロック周波数数が800MHz(メガヘルツ)というのがあります。AMD(エー・アム・ディー)社が発売している製品ではAthlon(アスロン)またはDuron(デュロン)でクロック周波数が900MHzというのがあります。最近のクロック周波数は、1000MHz以上のCPUが多くなり1000MHz=1GHz(ギガヘルツ)といいます。これ以外にも1.5GHz、1.7GHzというCPUも発売されています。
CPUは,パソコンの中でハードディスクやメモリーなどの各装置を制御したり、計算処理やデータを加工したりします。
CPUの形状には、2種類ありSlot(スロット)タイプとSocket(ソケット)タイプがあります。CPUは、かなり発熱するためヒートシンクという放熱板にファンが取り付けられたものをCPUに取り付けて強制的に冷却を行います。現在では、Socketタイプが主流になっています。

1)SlotタイプとSocketタイプの違い
Slotタイプは、最初からヒートシンクとCPUファンは組み付けられた状態になっています。Socketタイプは、ヒートシンク&ファンは別になっており自分で取り付ける必要があります。

CPUメーカーと発売されているCPUです。
intel
Pentium4 intelの最新CPUです。Socket423でピン数が423本あります。今後、Socket478が登場しこちらがメインになると思います。
Pentium!!! intelの代表的なCPUです。Slot1とSocket370がありますが、今はSocket370であるFC-PGAが主流になっています。L2キャッシュは256KBあります。FSB100とFSB133の2種類あります。
Celeron intelの低価格用CPUですがアークテクチャーはPentium!!!と同じです。キャッシュサイズがPentium!!!の半分の128KBであるため性能もPentium!!!より低くなります。FSB66とFSB100の2種類あります。Celeronには、今のFC-PGA以外にPPGAがバルク品として出回っているのでSocketの互換が無いので注意が必要です。

AMD
Athlon AMDを代表するCPUでPentium4とPentium!!!のライバル製品ですが価格の安さとPentium4よりクロック数は低くてもPentium4を凌ぐ性能を持っています。特に、ビジネスアプリケーションのパフォーマンスは最強です。現在、最強のCPUといっても過言ではありません。L2キャッシュは256KBあります。AthlonのFSBはPentium!!!と異なっていてFSBは100と133ですがCPUとマザーボードのチップセット間は倍の200MHzと266MHzで動作するようになっています。
Duron AMDの低価格PC用で、Celeronのライバル製品です。L2キャッシュは64KBとCeleronの半分ですがパフォーマンスはほぼ互角です。
K6-V Socket7ですがAthlonが登場する前にはAMDを代表するCPUでしたいまだに人気があります。
K6-2+ これも、Socket7ですがK6-Vよりキャッシュサイズが半分となっています。

VIA Cyrix
Cyrix V Socket370とピン互換があるCPUでCeleronより低価格なので初心者向きと言えます。L2キャッシュがないため性能は落ちます。最近ではL2キャッシュ付きのバージョンが出てきましたので性能もCeleronと遜色なくなっています。


2)リテール品とバルク品
リテール品は正規品とかBOX品(箱入りなのでこう呼ぶこともある)とも呼び、メーカーが小売店で一般ユーザーに販売するために出荷した正規品です。ヒートシンク及びCPUファンが付属されています。バルク品は、正規の販売ルート以外の流通経路から小売店(パソコンショップ)に流れてきたものでヒートシンクやCPUファンは付属していない。
リテール品はメーカー保証が付いていますが、バルク品はショップの初期不良保証のみでメーカー保証が付いていません。リテール品が流通する前にバルク品が流通することが多いので物によってはバルク品しか入手できない場合もあります。
極まれに、メーカー側の正式発表前にES(Engineering Sample)品が極少量(1個とか2個)流通する場合があります。しかし、動作するための環境が無い場合(対応するマザーボードが販売されていないなど)があるので購入には注意が必要です。
初心者にはリテール品を購入することをお勧めいたします。

3)動作周波数と動作倍率
CPUは電気的信号により動作します。それが動作周波数です。CPUは自分で電気的信号を発生されることはできません。マザーボード側で発生させた動作周波数を、CPUへ送りCPUを動作させます。これを外部クロックと言いFSB(Front Side Bus)ともいいます。CPU内部では外部からの動作周波数の数倍で動作します。この倍数を動作倍率といいintel製品は倍率固定になっています。PentiumVは現在、FSBで100MHzもしくは133MHzのどちらかをサポートした製品があります。例えば、PentiumV700MHzではFSB100MHzで動作倍率が7になっていて動作周波数が700MHzとなります。
AMDの一部の製品で倍率変更のできる製品もあります。

4)オーバークロック
動作倍率は固定になっているCPUは、FSBによってCPU内部の動作周波数が変わります。最近のマザーボードではこのFSBを変更することが可能で、正規の動作周波数以上で動作させることをオーバークロックと言います。オーバークロックによってCPUが壊れて動作しなくなった場合は、メーカーの保証が利きませんので注意してください。
AMD製品の動作倍率変更可能なCPUを使用する場合には、FSBと動作倍率のいろいろな組み合わせで動作可能な周波数を見つけだすことが出来ます。ただし、動作する最高周波数は製造上の誤差によりCPU各個体により異なります。また、動作周波数を上げていくと発熱も多くなるのでリテール品に付属しているヒートシンクやCPUファンでは冷却処理が追いつかなくなってきます。より、大きいヒートシンクやCPUファンを付けて冷却能力を上げることで動作周波数をさらに上げることが出来る場合があります。

※オーバークロックは自己責任で行ってください。

5)x86互換プロセッサ
現在パソコンで使用されているCPUはx86互換プロセッサがほとんど占めています(ただし、AppleのMacintoshはx86互換プロセッサではありません)。この、x86はintel社が1978年に発売したプロセッサ8086がベースとなっておりx86シリーズの最初の製品です。intel社はこのx86についてすべての特許を取得しており、x86互換プロセッサを製造する場合は、intel社のライセンスを受ける必要があります。

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メモリー
メインメモリーは、PC内でデータやプログラムを記憶する装置で、現在多く出回っているす。
一般的にメモリーを種類分けしている場合はメモリーチップのことを指している場合が多いです。メモリーチップにはSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory:エスディーラム)、DDR SDRAM(ouble Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory:ディディーアールエスディーラム)、DirectRDRAM(Direct Rambus Dynamic Random Access Memory)があります。このメモリチップを実装したものがメモリーモジュールでDIMM(Dual Inline Memory Module:ディム)、RIMM(Rambus Inline Memory Module:リム)があります。

1.メモリーチップ
SDRAM
(Synchronous DRAM)
外部バスインターフェイスが一定周期のクロック信号に同期して動作するよう改良したDRAMを言います。このクロック信号は外部から与える66MHz、100MHz、133MHzに同期しCPUとも同期して動作します。PC66、PC100、PC133と種類分けされているのがこの外部クロックに相当します。
DRAMは、メモリセルというbitの情報を記憶する領域があり、1セルに1bit保持します。このメモリセルはトランジスタとコンデンサで構成されていて、情報の記憶はコンデンサの電荷によって"1"か"0"を判定します。この電荷は時間と共に減少するため一定時間ごとにリフレッシュといって再書き込みを行い情報を保持します。DRAMは非同期方式でチップ内部で動作を決めていたため高速なDRAMでも66MHzを超えることができませんでした。SDRAMは、これを改良し外部との信号のやり取りを全てクロックに同期させて動作させるため100MHzを超える高速な動作が可能となりました。
DDR-SDRAM
(Dubl Data Rait SDRAM)
SDRAMを改良し外部クロックの2倍の転送速度を実現しています。SDRAMは1サイクルで読み書きしますが、この1サイクルの立ち上がり部分と立ち下り部分の両方で読み書きできるようにしたものです。
100MHz×2で動作するDDR200はPC1600(転送速度1600Mbytes/s)とも呼び、133MHz×2動作のDDR266はPC2100(転送速度2133Mbytes/s)と呼んでいます。
DirectRDRAM
(Direct Rambus DRAM)
Rambus社が開発した高速インターフェース技術Direct Rambusを採用したDRAMで、600MHz、700MHz、800MHzと高いクロック数で動作し800MHzだと最大転送速度が1.6Gbytes/sにも達します。


2.メモリーモジュール
DIMM
(Dual Inline Memory Module)
ノートパソコン用に省スペースを実現するための増設メモリー基盤の規格です。デスクトップ用のメモリーモジュールもこれを利用していますが、ノートパソコン用は32bit幅で、デスクトップ用は64bit幅になっています。駆動電圧は3.3〜5Vになっていますがデスクトップ用は3.3Vになっています。ただし、DDR SDRAMのメモリーモジュールは2.5Vになっています。
DIMMに使用するメモリーチップはSDRAMかDDR SDRAMになっています。
RIMM
(Rambus Inline Memory Module)
基本デザインはDIMMを踏襲していますが、DIMMとの互換は無くDirectRDRAM用の規格です。マザーボード上には最大3枚までしか搭載できません。3枚以下の場合には空いているところにC(Continuity)-RIMMというメモリーチップを搭載しないモジュールを挿します。

3.CL=2、CL=2.5、CL=3
CLは(CAS(Column Address Strobe) latency:キャスレイテンシー)の略で、メモリーチップの半導体素子は格子状に配列されていて、データの読み書きは行と列を指定して行います。CASlatencyはこの列を指定するときに使用されるCAS(Column Address Strobe)信号の発行から実行までの遅延時間を表します。単位は外部クロックの同期信号のクロック数で表し、CL=2は2クロック、CL=3は3クロックの遅延になります。この数値が小さい方が高速に動作することになります。
行を指定する場合はRAS(Row Address Strobe)信号を使用しますが、これにも遅延クロックがあり2クロック、3クロックがあります。
RAS信号とCAS信号はリフレッシュする時も使用されます。
RDRAMは、内部的には行と列に分かれていますが、外部からのRAS信号、CAS信号での制御はありません。

4.SPD
SPD(Serial Presence Detect)はシリアル・バスでデータを読み出せるROMの一種で、メモリーモジュールに搭載して使用します。SPDに書き込まれているCASlatency/RASlatencyなどの設定値を読み出して、BIOSのメモリー設定値の信号タイミングを自動的に設定します。
 
5.ECC(Error Correcting Code)
ECCとは「誤り訂正符号」の略で、メモリのビット化けなどのエラーを訂正するのに、本来のデータとは別に付加される冗長なデータのことを言います。このデータエラーを検出した時、自動的に訂正が行われます。
ECC付きメモリーを使用する場合には、CPU、チップセット、BIOSがECCに対応している必要があります。また、搭載するメモリすべてをECC付きメモリーにしないと誤り訂正が機能しません。
最近では、メモリの信頼性が高くなってきているので、高価なECC付きメモリを使う必要性がなくなっています。また、マザーボードもECC付きメモリーが使用できないのが多いので購入には注意が必要です。
ただし、高い信頼性が求められるサーバやワークステーションの記憶装置やバスに使用されます。

6.片面実装(シングル・サイド(single-sided))と両面実装(ダブル・サイド(double-sided))
SDRAMやDDR SDRAMのメモリー・チップをメモリ・モジュールに実装する時の違いをあらわします。
片面実装はメモリ・モジュールの片面のみにメモリー・チップを実装します。両面実装は両面に実装されます。
両面実装は、2枚の片面実装のメモリ・モジュールを1枚にまとめたものに相当し、同じ容量のメモリ・チップを搭載した場合、両面実装の方が2倍の容量になります。ただし、チップセットによって装着可能なモジュール枚数が片面実装より制限されることがあります。これは、メモリーを管理する単位であるバンクと呼ばれるのがあります。両面実装は2バンク、片面実装は1バンク使用することになります。
例えば、メモリースロットが3本、メモリーバンクが3、最大搭載メモリー容量が512MBytesの場合
両面実装の128MBが1枚、片面実装の128MBが2枚の合計3枚で384MBのメモリーを持っていた場合、実装できるメモリーは258MBになります。組み合わせは、両面実装128MB(2バンク)+片面実装128MB(1バンク)=256MB(3バンク)また、片面実装128MB×2=256MB(2バンク)となります。3枚全部使用すると4バンク必要になるので実装はできないことになります。物理的にマザーボードに3枚挿しても256MBしか認識しないことになるか、なにも動作しないでダンマリ状態になり可能性があります。

intelの440BXのチップセットはメモリーチップの容量が少なかったころに開発されたチップなので両面実装を想定した仕様となっており、大容量の片面実装のメモリー・モジュールを2枚目以上搭載する場合、メモリー・モジュール同士の相性問題が出やすくなることがあります。i810以降のチップセットでは、片面実装でもこの問題は出にくいようです。

7.Unbuffered(アンバッファ)/Registered(レジスタ) 
メモリ・モジュールの種類を表すもので、Unbufferedタイプのメモリ・モジュールは、メモリ・チップとチップセットを直接接続するタイプです。Registeredタイプのメモリ・モジュールは、メモリ・チップとメモリ・バスの間にRegister(レジスタ)と呼ばれるチップを入れ、メモリ・チップの搭載を多く出来るようにしています。RegisteredタイプはUnbufferedタイプに比べ大容量向きのメモリ・モジュールです。また、メモリ・モジュールの枚数もRegisteredタイプのほうが多く搭載可能となります。
デスクトップ用のメモリー・モジュールは、ほとんどUnbufferedタイプです。

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マザーボード
マザーボードは、パソコンを構成するのに必要な各パーツを装着するために基板です。
マザーボードによって使用できるCPU、メモリー、ハードディスク、拡張カードが異なりますので使用用途や拡張性を考慮した選択が必要になります。

マザーボードの構成は下記の通りになっています。
   
1.CPUソケット
 CPUスロット
CPUを装着するためのもので、最近ではソケット形式が主流でスロット形式のものは見かけなくなってきました。Pentium4はSocket423でPentiumVやCeleronはSocket370、AthlonやDuronはSocketAとなっています。Socket423、Socket370、SocketAはそれぞれピン数が異なるため互換性はありません。また、Pentium4ではSocket478を出す予定があるようですがSocket423とはピンの互換性がありません。
Socket370についてはCPUを2個搭載できるマザーボードもあります。CPUをデュアルで動作させる場合には、Windows2000が必要になります。Windows98やMeではデュアルCPUをサポートしていません。次期OSのWindowsXPだとProfessionalが必要になります。WindowsXP Home EditionではデュアルCPUはサポートしていません。
2.メモリースロット メモリースロットにはSDRAM、DDR SDRAM、RDRAMのメモリーを挿しますが、使用できるメモリーの種類はマザーによって異なります。3種類のメモリーにはそれぞれ切り欠きが付いていてメモリースロットは切り欠きに合わせた形状になっていて誤ってメモリーを挿すのを防止しています。SDRAMとDDR SDRAMの両方のメモリースロットを持ったマザーボードもありますが、混在して使用することはできません。このような2種類のメモリースロットを持ったマザーボードは最初は手持ちのSDRAMを使用し、後からDDR SDRAMへ移行する場合に便利です。
メモリースロットの本数は一般的に、SDRAMは3〜4本、DDR SDRAMは2〜3本、RDRAMは3本挿せるようになっています。
3.ATX電源コネクタ 電源から出ているコネクタを挿す。
 現在は少なくなったAT電源の場合では、電源スイッチが電源から出ていたが、現在、主流となっているATX電源の場合、マザーボード側に電源スイッチがあり電源のON/OFFはマザーボード側からプログラムでコントロールされるようになっている。Windowsを終了させると自動的に電源が切れるのはこのためです。
4.IDEコネクタ IDE(Integrated Drive Electronics:アイ・ディー・イー)はCompaq社とWestern Digital社(ハードディスクメーカー)の共同開発によって内臓ハードディスク用の接続インタフェースとして登場し、ISAバスの信号線をそのまま使用していてBIOSで直接コントロールできるためSCSIより簡便で安価であることが特徴となっています。その後、データ転送を向上させ接続デバイスを増加させたE-IDE(Enhanced IDE)が登場しますが、1988年にANSIによってATA(AT Attachment interface)として規格化されました
IDE 接続が2台まで、最大容量は528MB、最大データ転送速度は3.3MB/秒
E-IDE 接続が4台まで、最大容量は8.4GMB、CD-ROMドライブやCD-Rドライブ接続も可能。PIOとMultiword DMAという2種類の転送方式で最大転送速度は16.7Mbytes/s。
ATA-1 ANSIによる最初の規格化
ATA-2 ハードディスクはATAで、ハードディスク以外はATAPIとして規格化。
ATA-3 ハードディスク の監視機能を追加。
ATA/ATAPI-4 ATAとATAPIを統合、Ultra ATA/33の仕様追加。
Ultra ATAはQuantum社,Seagate Technology社、Intel社による業界標準であるがATA/ATAPIには受け継がれている。Ultra DMAとういう新しい転送方式により最大転送速度33.3Mbytes/s。
ATA/ATAPI-5 Ultra ATA/66の仕様追加 最大転送速度は66.6Mbytes/s
ATA/ATAPI-6 Ultra ATA/100の仕様追加 最大転送速度は100Mbytes/s



Ultra DMAには転送モードが6段階設定されています。

モード 最大転送速度 ケーブル 信号電圧 ANSI規格
Mode0 16.7Mbytes/s 40芯 5V ATA/ATAPI-4
Mode1 25Mbytes/s 40芯 5V ATA/ATAPI-4
Mode2 33.3Mbytes/s (Ultra DMA/33) 40芯 5V ATA/ATAPI-4
Mode3 44.4Mbytes/s 80芯 5V ATA/ATAPI-5
Mode4 66.7Mbytes/s (Ultra DMA/66) 80芯 5V ATA/ATAPI-5
Mode5 100Mbytes/s (Ultra DMA/100) 80芯 3.3V ATA/ATAPI-6

 IDEコネクタはハードディスクドライブ、CD-ROM/DVD-ROMドライブ、CD-R/RWドライブを接続するためのコネクタです。
コネクタは2個付いていて、プライマリーとセカンダリーに分かれています。また接続するケーブルにはコネクタが2個付いていて、マスターとスレーブに分かれています。合計で4個のデバイスが接続できることになります。一般的な接続例としては、HDDをプライマリーのマスター側にCD-ROMドライブはセカンダリーのマスター側に接続します。これはHDDとCD-ROMドライブを同一ケーブル上に接続しないことにより、HDDのアクセスが遅いデバイスに足を引っ張られるのを防ぐためです。
ハードディスクやCD-ROMドライブにはSCSI接続の製品もありますが、IDEコネクタには接続できないので注意が必要です。こうゆう場合は、別途SCSI拡張カードが必要になります。
最近のマザーボードにはRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks:レイド)の機能を持ったものもあります。この機能を持ったマザーボードには別途、IDEコネクタが2個ついています(合計でIDEコネクタが4個付いていることになります)。このRAID機能を使用するか否かはマザーボード上のディップスイッチの切り換えによって行います。
このRAIDは複数のハードディスクをOS側からは1台のハードディスクとして見えるようにする技術で、一度のデータ処理で複数のハードディスクに分散して書き込んだり読み込んだりするため高速なデータ処理が可能となります。

5.FDDコネクタ フロッピードライブを接続するためのコネクタです。SuperDiskの接続も可能なマザーボードもあります。SuperDiskは当初、LS-120と呼ばれていて、1枚のディスクに120MBのデータを記憶することができますが、専用のディスクが必要になります。ただし、従来の3.5インチのフロッピーディスクの読み書きは可能となっています。
6.PS/2コネクタ キーボード、マウスを接続するコネクタです。PS/2コネクタは2個付いていて同一形状になっていますが、キーボードとマウスを接続するところは決まっています。コネクタのパネルに絵がついていますので注意して差し込みます。
7.USBコネクタ  USB(Universal Serial Bus:ユー・エス・ビー)はシリアル、パラレル、PS/2に変わる新しいバスで大容量のデータ転送を行わないデバイスに向いています。USBは最大127台の機器を接続することができ、ケーブルの長さは5mまでと規定されている。また、パソコンに電源が入っていても抜き差し可能であるところが特徴となっています。USB接続製品にはキーボード、マウスがあります。その他にはプリンター、ゲームコントローラー、CD-R/RWドライブ、スキャナー、ビデオキャプチャなどがUSB接続可能な製品があります。
USBはCompaq社,DEC(Compaq社に吸収),IBM,intel,Microsoft,NEC,ノーザンテレコムの7社が中心となって策定したシリアルインタフェースで,外付けのPC向け周辺機器を接続するためのもので、現在広く利用されているUSB 1.1規格では転送スピードが1.5Mbytes/sと低速ですが、最新規格のUSB 2.0になると転送スピードは60Mbytes/sと高速になりUltra DMA/66のハードディスクに近い転送スピードを実現することになります。ただし、このUSB 2.0をサポートしたチップセットやOS(WindowsXPもサポートしないようです)がまだありませんが、2002年からUSB 2.0をサポートしたチップセットが登場する予定です。今後、普及するインタフェースです。現在、USB 2.0製品が流通していますが、対応OSが無いため下位互換となるUSB 1.1としてしか動作できません。ただし、USB 2.0用のホストアダプタを搭載した拡張カード(PCIバス用)とWindows2000用ベータドライバーを使用することにより動作させることは可能のようです。
8.シリアルコネクタ 現在ではほとんど使用されることはありません、外付けモデムや外部接続する場合に使用します。最近ではUSB接続が主流となってきているため徐々に使用されなくなってきています。
9.パラレルコネクタ プリンターを接続するときに使用します。最近のプリンターにはUSB接続が多くなってきているのでこれも徐々に使用されなくなってきています。
10.AGPバススロット  AGP(Accelerated Graphics Port:エー・ジー・ピー)バスは、intelが1996年に発表したグラフィックデバイスとメインメモリー間を結ぶデータ伝送路の規格で、AGPバススロットはビデオカード専用のスロットで、それ以外の拡張カードを挿すことはできません。
11.PCIバススロット  PCI(Peripheral Component Interconnect:ピー・シー・アイ)バスは、intelを中心として業界団体であるPCI SIG(Special Interest Group)と共同で策定した業界標準のバスアーキテクチャーです。マザーボード上の各パーツ間を結ぶデータ伝送路の規格で、バス幅は32bitで動作クロックは33MHzになっています。最近ではバス幅が64bitで動作クロックが66MHzというという仕様も規定されたPCI2.2というバージョンもあります。
 PCIバススロットはPCIバス用の拡張カードを挿すためのスロットで、グラフィックカード(PCIバス用)、内臓モデムカード、LANカード、RAIDカード、SCSIカード、ビデオキャプチャーカードなどがあります。一般的にはPCIスロットの本数は5本から6本が標準的ですが、チップセットにより同時に使用できるPCIバスの本数には制限があります。
SCSIカードとRAIDカードの両方使用する場合には注意が必要で、挿すスロットの位置によってRAIDのハードディスクを認識したり、認識しなかったりするトラブルが発生しますので、最初にRAIDカードを認識するスロット位置に挿す必要があります。
12.ISAバススロット  ISA(Industry Standard Architecture:アイサ)バスは、IBMのPC/AT互換機が出来た当初に実装されていたATバスの信号タイミングを明確に規格化したものです。ISAバスはPC/AT互換機が登場した1984年からPCIバスが登場する1990年代までPCを拡張するための重要なバスとして広く使用されてきました。しかし、最近では高速化するI/Oデバイスの性能にバス幅が16bitのISAバスでは追いつかなくなり、使用されることが少なくなってきました。ISAバスのスロットは2本ありますが1本はPCIバスと共用になっています。最近ではISAバススロットは1本しか付いていないものやISAバススロットの無いマザーボードもあります。今後、PCIバスが中心となりISAバスは消滅することになると思われます。
13.AMR/CNR AMR(Audio/Modem Riser:エー・エム・アール)はintelが1998年にサウンド機能やモデム機能を拡張カードとして追加するためのインタフェース規格です。CNR(Communication and Network Riser)はAMRの後継規格でネットワーク機能を追加したもので、AMRはi810チップセットから、CNRはi815チップセットからサポートされていてマザーボード側にデジタル回路を実装し、アナログ回路部分を拡張カードとして提供する規格です。AMRやCNRはPCベンダーがPCにオプション機能として低価格でサウンド機能やモデム機能を追加するためのものです。多くのi815チップセットのマザーボードにCNRスロットが付いていますが、CNRの拡張カードが一般市場に出回っていないことから自作で利用することは少ないと思われます。
14.ビデオコネクタ 最近のチップセットには、ビデオ機能が搭載されていることが多くなってきています。その場合、マザーボードにディスプレイと接続するコネクタが付いています。ただし、3Dのグラフィック性能はそれほど高くは無いので、3Dゲーム向きとは言えません、ビジネスソフトやインターネット、Eメールを使用するぐらいであれば内臓されているビデオ機能でも十分の性能といえます。初めて自作するときの出費を抑えることができ便利です。一般的にはAGPバススロットも備えているので将来、高性能なビデオカードへのアップグレードも可能になっています。
15.サウンドコネクタ 最近のチップセットはサウンドの機能が搭載されていることが多くなってきています。その場合、スピーカーを接続するジャックとゲームコントローラー用コネクタが付いています。初めて自作するときには出費を抑えることがで便利です。将来、高性能なサウンドカードへアップグレードすることもできます。
16.ATX電源コネクタ ATX電源を接続するコネクタで電源側から伸びているケーブルの束を接続します。Pentium4用マザーボードでは、これとは別に4ピンの12V電源コネクタが付いていて、ATX電源側もこの電源ケーブルが付いているPentium4対応電源が必要となります。

ATX仕様
intelが提唱した仕様で、従来大手PCベンダーが各社独自でマザーボードを開発していたためパーツの互換が無かったり汎用ケースの利用ができないため製造コストを低くすることが困難でした。intelがこの問題を解消するため1995年にこのATX仕様を発表し、現在もっとも広く普及しています。ATX仕様にはマザーボードの形状や寸法、各パーツやスロットの配置が厳密に決められていてパーツの互換性を高めています。

  奥行き
BabyAT 22cm 30.5cm
ATX 24.4cm 30.5cm
MicroATX 24.4cm 24.4cm


チップセット
 マザーボード上にはチップセットというCPU、メモリー、拡張カード、ハードディスクなど各デバイスのコントロールするための重要なLSIが2個搭載されています。
 このチップセットよって使用できるCPUのタイプ、メモリーのタイプ、HDDのタイプなどが異なります。最近では、このチップセットにグラフック機能、サウンド機能を内臓させた統合型チップセットもあります。チップセットはマザーボードを地図として見て、上側にあるチップをノースブリッジ、下側にあるチップをサウスブリッジと言ってます。

ノースブリッジ CPUの近くにあるLSIで主にCPU、メモリー、AGPバスを接続しコントロールします。ノースブリッジにビデオ機能を搭載することがあります。
サウスブリッジ ハードディスクのDMAコントロール、PCIバスとISAバスの接続、PS/2、USB、シリアル、パラレルの各々のインタフェースをコントロールします。


チップセットは、intelが提供しているチップセットには440BX、i810、i815があります。CPUはSocket370をサポートしていて、メモリーはSDRAMをサポートしています。i850ではCPUはSocket426をサポートしていて、メモリーはRDRAMをサポートしています。AMDからはAthlonとDuron用にAMD761が提供されていますが、通常はノースブリッジとサウスブリッジは同一メーカーのものを使用するが、このチップの場合、ノースブリッジにAMD761でサウスブリッジにはVIA(VIA Technologies, Inc. )のVT82C686Bチップを使用しメーカーが異なります。このAMD761はCPUはSocketAをサポートしていて、メモリーはDDR SDRAMをサポートしています。intelのSocket370用とAMDのSocketA用のApollo KT266チップセットにそれぞれチップセットが用意されています。その他にALi(Acer Laboratories Inc.)からはAMDのSocketA用のALiMAGiK1チップセットが提供されています。SiS(Silicon Integrated Systems Corp. )からはSocketA用に統合型チップセット(ビデオ、サウンド機能が統合されている)のSiS735が提供されています。このチップはSDRAMとDDR SDRAMの両方をサポートしています。

マザーボードのベンダーをこのチップセットを使用し、いろいろな種類のマザーボードを提供しています。

メーカー チップセット CPUタイプ FSB メモリー AGP PCI IDE USB AMR
CNR
ISA Audo/Modem/ビデオ ISA
intel i850 Socket423 FSB100 RDRAM  AGP2.0
 2X/4X
6本(Rev2.2) UltraATA
33/66/100
4 CNRx1 AC'97 2.1
(Audio/Modem)
 
i815 Socket370
Slot1
FSB
66/100/133
SDRAM 100/133 AGP2.0
2X/4X 
6本(Rev2.2)  UltraATA
33/66/100
4 CNRx1 ビデオ出力 AC'97 2.1(Audio/Modem)   
440BX Socket370、Slot FSB
66/100
SDRAM 66/100 AGP1.0
2X 
4本(Rev2.1) UltraATA33 2 4   ISAx4
AMD+VIA AMD761+VT82C686B SocketA FSB
200/266
DDR SDRAM 200/266              
VIA Apollo KT266 SocketA FSB
200/266
DDR SDRAM 200/266 AGP 4X 6本 UltraATA
33/66/100
6 AMRx1 AC'97(Audio/Modem)  
Apollo KT133A SocketA FSB
200/266
SDRAM 66/100/133 AGP 4X 6本 UltraATA
33/66
AMRx1 AC'97(Audio/Modem)  
Apollo Pro266 Socket370 FSB66/100/133 DDR SDRAM 200/266 AGP2.0
2X/4X
6本 UltraATA
33/66/100
6   AC'97(Audio) MC'97(Modem)  
SiS SiS735 SocketA FSB200/266 SDRAM 66/100/133
DDR SDRAM 200/266
AGP2.0
2X/4X
6本 UltraATA
33/66/100
6   AC'97  


BIOS(Basic Input/Output System:バイオス)
 マザーボードに接続される入出力装置の基本的な制御を行うプログラムで、OSやアプリケーションソフトへ基本的な入出力を提供します。BIOSはマザーボード上の不揮発メモリーに記録されていて、内容を最新のものに更新することが可能になっています。BIOSの画面からCPUやメモリーへ供給する電圧を変更したり、CPU動作周波数、CPU倍率を変更したりすることができるBIOSも多くなってきています。

レガシーテクノロジーの撤去
レガシー (legacy)テクノロジーとは、PC設計に必要なハードウェアテクノロジーで一世代前に登場してきたバス、ポート、スロットのことを言います。このレガシーテクノロジーを撤去することによりPC設計の自由度が増し、より低価格で高性能なPC製品を提供できるというとこが謳い文句です。このレガシー・テクノロジーの代表格がISAバスです。それ以外にもシリアルポート、パラレルポート、PS/2コネクタ、IDEなどがあります。これらのテクノロジーはすでに登場している高速なPCIバスやUSBへ取って変わろうとしています。すでに、ISAバスの無いマザーも登場していますが、これからシリアルポート、パラレルポート、PS/2コネクタの無いマザーが登場してくると思います。

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ハードディスク・ドライブ
HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)の略で、HDと表記される場合もあります。大容量な記憶装置で、アプリケーションプログラムやデータを保存するための記憶装置です。現在のWindowsMeでは標準的なインストールでも295MB以上の容量を必要としているため必要不可欠な装置です。古いOSでDOSというのがありますが、これはフロッピーディスク1枚(1.44MB)に入る容量です。DOSと比較すると現在のWindowsシステムは200倍以上の容量を必要とすることになります。Windowsをフルにインストールすると700MBぐらいにもなり、それにOffice2000をインストールすると、324MB以上の容量が必要となりWindowsとOfficeで1GB(Giga Byte)以上の容量が必要となります。

近年、ハードディスクは大容量化と低価格化が進み10GBのハードディクで1万円程度で手に入ります。
HDDは、アルミ円盤もしくはガラス円盤に磁性体が塗られていて高速なモーターによって回転させ、磁気ヘッドによって磁性体にデータを書き込んだり、読んだりします。円盤の大きさによって3.5インチと2.5インチがあります。自作用には3.5インチHDDを使用します。2.5インチHDDは小型であるのためノートパソコンに広く利用されています。モーターには5400回転と7200回転のものがあるが5400回転のものは低騒音であるが、最近では7200回転のHDDも低騒音で発熱量が少なくなっている製品も多くなっています。

HDDには内臓用と外付け用とがありますが、最近では大容量のHDDが多いので内臓用だけで十分な容量が確保できます。内臓用はIDE(Integrated Drive Electronics:アイ・ディ・イー)インタフェースのものが多く最大で4個のデバイスを内蔵することが出来ます。ただし、それでも容量が不足する場合には、SCSI(Small Computer System Interface:スカジー)のHDDをを外付け用として使用します。SCSIのHDDを使用するためには拡張カードとしてSCSIカードが必要となります。SCSIにもいろいろ規格がありますが最大で32台の装置を接続することができます。ただし、SCSIのHDDは高価なこともあって性能や安定性を重視するサーバーでの使用が主流となっています。自作用には低価格なIDEのHDDが主流となっていて、最近では性能もSCSIのHDDと変わらなくなってきています。

IDEの大容量HDDを使用する際には、特に30GBを超える容量のHDDを使用する場合、マザーボード側のBIOS(Basic Input Output System :バイオス)でその容量をサポートしているか確認する必要があります。

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CD−ROM、DVD−ROMドライブ CD-R/RWドライブ
CD-ROMドライブ
CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブは、CD読み出し専用の記憶装置である。オーディオCDの読み込みが1倍速となっていて、データの入ったCDを読み込む場合はその何倍かのスピードで読み込むことが可能となっており、最近では50倍速というCD-ROMもあり、回転スピードは毎分1万回転以上という超高速回転になる。低速回転でも50倍速と同じ性能をだすためにレーザービームのピックアップ部分を通常1本のところを7本のビームでコントロールしているドライブもある。
最近では、DVD(Digital Versatile DiskまたはDigital Video Discとも言う)を読み込むことができる装置も多くなってきている。
接続するインタフェースはIDE接続が多いが、SCSI接続の装置もある。

CD-R/RWドライブ
CD-R(Recordable)ドライブは、書き込み可能なCD-Rディスクを使用してCD-ROMや音楽CDと同じCDを作成する。作成にはライティングソフトが必要となる。
CD-Rディスクは書き込みは一度だけで、書き換えることはできない。ただし、容量が空いている場合には、追加して書き込むことは可能である。もし書き込みが失敗した場合には破棄するしかない。これに対して書き換え可能なディスクを使用することによって何度でも消去して、書き換えることができるCD-RW(ReWritble)ドライブがある。

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フロッピー・ドライブ
FDD(Floppy Disk Drive:フロッピー・ディスク・ドライブ)は記録媒体として磁性体を塗った一枚の円盤(3.5インチ)をプラスチック製のジャケットでカバーしているFD(フロッピーディスク)を読み書きする装置です。FDは携帯性に優れているためデータやプログラムの持ち運びに便利です。FDDには2DD(2 sided Double density Double track:両面倍密度倍トラック)と2HD(2 sided High density Double track:両面高密度倍トラック)があり、容量は2DDは720KBで2HDは1.2MB(NEC98専用のようなもの)と1.44MBになります。FDDには2モードと3モードの2種類あります。2モードは2DDの720KBと2HDの1.44MBをサポートしてます。3モードは2モードにプラスしてNEC98用の1.2MBをサポートしていますが、専用のドライバーを必要とします。
FDDは、OSインストール時のシステム起動用として使用する以外に、マザーボードやビデオボードなどのBIOSを更新する際に使用します。最近では、OSのインストールはCD-ROMを使用するのと、BIOSもWindows上から更新できるものも現れてきているため、利用頻度の少ないデバイスとなっています。

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ビデオカード(Video Card)
グラフィックカードとも呼び、パソコンに画面表示機能を追加する拡張カードでマザーボードのAGPバススロット又はPCIバススロットに装着して使用する。最近のマザーボードには、この画面表示機能を搭載したものもあるが高性能を要求する場合には拡張カードが必要となる。特に動きの激しいゲームの場合は3次元グラフィックスの演算処理が高速に行われる高性能なビデオカードが必要となります。
ビデオカードは、文字や画像を描画するためのビデオチップと画像データを保持するためのビデオメモリー(VRAM)、ビデオチップで処理されたデジタルデータをCRTに表示するためアナログデータに変換するRAMDAC(Random Access Memory Digital/Analog Converter)、ディスプレイと接続する端子から構成されている。最近のビデオカードではRAMDACはビデオチップに内臓されています。

ビデオカードの動作手順は下記の通りです。
1.表示する画像データをビデオカード上のビデオチップがメインメモリーから受け取りVRAM上に保持する。
2.VRAMに保持された画像データを元にビデオチップが画像描画処理を行う。
3.画像描画処理されたデジタルデータをCRTに表示できるようビデオチップ内のRAMDACによりアナログデータへ変換する。
4.変換されたアナログデータはアナログ端子を経由してCRTに画像が表示される。

搭載されているビデオメモリの容量により表示できる表示サイズや色数が異なる。1280×1024サイズで32ビットカラーのリアルな3D表示を行うためには32MBが必要になる。
2次元の良質な画像を得るためには高速なRAMDACが必要となる。画像品質を良くするためには最低でも250MHzのRAMDACを必要とする。
3次元の画像処理を高速に行うためにはハードウェアT&L、バンプマッピング、Zバッファ、フィルタリングなどの各種機能がサポートされている必要がある。

サポートされている機能はビデオチップによって異なる。現在、ビデオチップを提供しているのはnVIDIA、ATI、Matrox、SiSがあり。この中でnVIDIAとSiSはチップのみを提供しています。ATIとMatroxはビデオカードも提供しています。
nVIDIAはGeForce2MX、GeForce2GTS、GeForce3がある。ARIはRage128、RADEONがある。MatroxはG450がある。

最近のビデオカードにはTVチューナーやビデオキャプチャー機能を追加しているカードも多く出回っています。

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ディスプレイ(Display)
CRT(ブラウン管)とLCD(液晶)の2種類あり下記のような仕組みで表示します。
CRT(Cathode Ray Tube) ブラウン管の後ろにある電子銃から電子ビームを発射し、発射された電子ビームは偏向ヨークという電磁石のよなもので方向を変え、ブラウン管内部の蛍光体にあて発光させることによって、文字や映像を表示します。CRTにはシャドウマスク方式とアパーチャーグリル方式があります。
シャドウマスク シャドウマスクと呼ばれる円形の孔の空いたマスクをR(Red)、G(Green)、B(Blue)蛍光体の孔の上に配置する方式で、3つの電子銃を持ち、3本のビームをR,G,Bの蛍光体に当てて画像を表示する。明るさやコンストラストはアパーチャグリルに劣るが、ドットピッチを小さくできるため文字表示に最適である。
アパーチャーグリル アパーチャグリルと呼ばれる縦方向にスリットの入ったマスクを使用している。電子ビームの透過率が高いので明るさやコンストラストはシャドウマスクより優れている。そのためグラフィック表示に最適である。
スリットの入ったマスクの間隔を均等にするために画面の上下にダンパー線という2本の線が横に張られている。
ソニーが開発したトリニトロンと三菱が開発したダイヤモンドトロンがこの方式を採用している。
LCD(Liquid Crystal Display) LCDは液晶に電圧をかける事によって分子の向きが変わる性質を利用した表示装置で、液晶を2枚のガラス板で挟み、ガラスには水平方向と垂直方向の格子状に重ねて電極を配線し、この交点を1つの画素としている。
電極に電圧をかけると液晶の分子の向きが変わり透過する光の振動方向が変化する。さらに、偏光板を置いて光の透過・非透過を制御する。また、液晶は発光しないので暗いところで使用できるように背後からバックライトの光によって文字や映像を映し出す。
LCDは薄型化が容易で、消費電力も少ないためノートパソコンに使用されている。最近では、デスクトップ型の一体型パソコンにも使用されている。
LCDは、入力端子としてDIV端子だけの場合があるのでビデオカード側にDIV用出力端子もしくは変換ケーブルが必要となるので注意が必要である。
DSTN
(Dual-scan Super Twisted Nematic)
単純マトリックス方式を利用したLCDで、STNタイプの改良型で、画面を2分割して同時にスキャンさせることにより応答速度を高めた。TFTより性能は劣るが、製造コストが低いため低価格ノートパソコンに多く使用されている。
TFT
(Thin Film Transistor)
アクティブ・マトリックス方式を利用したLCDである。液晶にアモルファスシリコンなどを薄幕状にしたトランジスタを使用して、画素ごとにオン・オフを切り替えて表示する方法である。反応速度が速く残像が少ない、視野角も広く優れた性能であるが、DSNTより製造コストが高いため高性能ノートパソコンに使用されている。

省スペースを目的とした場合、LCDが優位であるが、それ以外での性能はCRTが優位となるので、使用目的と懐具合で選択肢が異なる。

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サウンド・カード(Sound Card)
マザーボードに組み込まれている場合には必要ないです。音質が気になる方は必要です。
音声の入出力機能を持つ拡張カードで、これが無いとパソコンから音を出すことはできません。サウンドカードはD/Aコンバーターによりデジタル信号をアナログ信号に変換した信号をスピーカーへ出力します。この信号を変換する際にノイズを拾ったりD/Aコンバータの性能による音質の劣化がサウンドカードごとに異なります。
最近では、音声のデジタル信号の入出力インタフェース規格であるS/PDIF(Sony Philips Digital Interface)をサポートしているスピーカーやサウンドカードが多くなっている。これは、ソニーとPhilips社が開発した、音声のデジタル信号を入出力するための機器間のインターフェース規格で、サウンドカードとスピーカーとは同軸ケーブルもしくは光ケーブルをS/PDIF端子で接続します。特に光ケーブルはノイズの影響を受けないのと信号転送時の音質劣化がないのでクリアなサウンド再生が可能です。
最近のマザーボードにはサウンド機能を内臓したものもありますが現在、S/PDIFをサポートしているものが無く、また、2チャンネル以上のスピーカーをサポートしていないため5.1チャンネルのデジタルサラウンドを再生するためには別途サウンドカードが必要になります。
サウンドカードにはゲームで使用するゲームコントローラー接続のためのゲームポートが実装されています。最近のゲームコントローラーはUSB接続が多くなってきているのでゲームポートを使用することが少なくなってきています。このゲームポートはD-Sub15ピンコネクタが使用されていて、モニタ接続のコネクタと同一形状をしているので誤って接続しないよう注意が必要である。

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スピーカー(Speaker)
音が鳴ればいいや程度から5.1チャンネルでホームシアターまで幅が広いです。
パソコン用のスピーカーは、オーディオ用とはちょと異なりアンプ内臓型のスピーカーが多くスピーカー本体に各種コントローラーのつまみが付いています。スピーカーはモニタの左右に置くのが基本的ですが、音が鳴ればいい程度であればケースの5インチベイに収納できる内蔵型スピーカーもあります。
最近では、DVDの普及によりパソコンでデジタルサラウンドを再生するためS/PDIF端子のある5.1チャンネルスピーカーが多くなってきています。5.1チャンネルスピーカーはセンタースピーカー、左右のフロントスピーカー、リアスピーカーの5本のスピーカーとサブウーファーで構成されています。アンプはスピーカーとは独立しているものが多いですが中にはサブウファーにアンプが内臓されているのもあります。
デジタルサラウンドはサウンドカード側もS/PDIFをサポートしている必要があるので注意が必要です。

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キーボード(Key Bord)
データを入力するのに必要なパーツです。
タイプライターと同じような操作で、パソコンに文字を入力するための周辺装置です。キーボードにはいくつか種類があり、一般的なものとして106型キーボードがあります。これは米国で使用していた101型キーボードを日本語向けにかなを刻印したものです。最近では、109型キーボードがあり、これは106型キーボードにWindows用としてWindowsロゴのキー、アプリケーションのキーを追加したものです。
キーボードはマザーボードに接続して使用します。接続方法はPS/2が一般的ですが、最近ではUSBを使用して接続するキーボードも多く出回っています。ただし、USB接続する場合には、OSはWindows98SEかWindowsMeが必要になります。その他にケーブルを無くした無線式のキーボードもあります。
キーボードはOADG(Open Architecture Development Group)が標準を決めています。OADGは、パソコン関連製品の標準を策定する団体で、日本のパソコンメーカーが集まって結成されています。

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マウス(Mous)
Windows操作には必要なパーツです。
マウスはWindowsシステムに不可欠な周辺装置で、マウスを机上で動かしてWindows画面に表示されているマウスポインタを任意の場所に移動させて、ボタンを押すことによって画面を切り替えたり、アプリケーションソフトを起動させたり操作します。
マウスにはボタンが2つ、裏側にはボールが内臓されていて、マウスを机上で動かすと、このボールが回転することによって画面上のマウスポインタを移動させています。2つのボタンの間にはホールという回転するローラーが付いていてこれを動かすことにより画面を上下にスクロールさせることができます。最近では光学式のマウスがあり、裏にはボールが無くその代わりLEDによる発光部と受光部があり、マウスの移動方向と速度を検出し画面上のマウスポインタの動きを制御しています。裏にボールがあるマウスをメカニカルマウスといい、光学式のマウスをオプティカルマウスといいます。
マウスはマザーボードに接続して使用するが、PS/2接続が一般的であるが、最近ではUSB接続のマウスも登場しています。

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ケース(Case)
各パーツを組み入れる箱です。デスクトップ型、タワー型と各種あります。
パソコンに必要な各種パーツを格納するため汎用的に作られた入れ物で、マザーボード、CD-ROM、ハードディスクドライブ、電源などを入れます。
ケースは横置きのできるデスクトップ型、縦置きのできるタワー型と分かれている。また、タワー型でも大きさによって、フルタワー、ミドルタワー、マイクロタワーと分かれています。それぞれ、フロッピードライブを格納する3.5インベイ、CD-ROMなどを格納する5インチベイの数も違っています。定番はミドルタワーで3.5インチベイが1個、5インチベイが3個が平均的です。
市販されているマザーボードのはねじ位置はATX、microATX、BabyAT毎に決められているので購入時には注意が必要です。
ほとんどのケースには電源が付属していて250W、300W、350Wと各種あり、Athlonを使用する場合には電源容量の多きものが必要となります。また、Pentium4は4ピンの12V電源コネクタを主電源コネクタ以外にマザーボードに別途挿す必要があるので、Pentium4に対応している電源が付属しているケースが必要となります。
ケースは、ほとんど買い換えることがないので置くスペースや将来の拡張を考えて購入しましょう。

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OS(Operating System)
パーツではありませんが、これが無ければパソコンもただの箱です。
OSは、オペレーティングシステム(Operating System)の略語でパソコンを動かし全体を管理するための基本ソフトウェアです。OSは、マウス、キーボード、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、メモリー、画面表示など各ハードウェアの入出力管理やファイル管理、メモリー管理、ユーザーインターフェースの提供を行い。それと同時に、各アプリケーションソフトで共通に使用する基本機能を提供する。
自作PCで使用されるx86系CPUで使用できるOSには、Microsoft社が提供しているWindows98、Windows Millennium Edition、Windows NT、Windows 2000のWindowsシリーズがパソコンOSの約9割を占めている。その他に無償配布されているLinuxやFreeBSDのUNIX系のOSがあるが上級者向けでかなりのスキルが必要とされ、初心者が使用するのは無理である。
ホームユースで使用する場合は、Windows98もしくはWindows Millennium Editionの使用をお勧めします。ビジネスユースで使用する場合は、Windows 2000 Professionalの使用をお勧めします。
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