2001/05/18公開
2001/06/05更新
自作初心者の方のために、組み立てるために必要なパーツの種類と機能を解説します。
下記の画像は自作するのに必要なパーツ一覧です。
【画像をクリックすると解説へジャンプします。】
CPU | メモリー | マザーボード |
ハードディスク・ドライブ | CD−ROM | フロッピー・ドライブ |
ビデオ・カード | ディスプレイ | サウンド・カード |
スピーカー | キーボード | マウス |
ケース | OS | |
CPU(Central Processing Unit)【中央演算装置】 | ||||||||||||||||||||||
CPU(Central Processing Unit:「シーピーユー」)は、パソコンの中枢となる重要なパーツで処理性能を決定付けるパーツでもあり、人間でいえば脳に当たります。CPUの性能はMHzというクロック数が目安となります。使用するマザーボードによって使用できるCPUのメーカー及び種類が異なります。 CPUのメーカー及び種類は、intel(インテル)社が発売している製品でPentiumV(ペンティアム・スリー)またはCeleron(セレロン)でクロック周波数数が800MHz(メガヘルツ)というのがあります。AMD(エー・アム・ディー)社が発売している製品ではAthlon(アスロン)またはDuron(デュロン)でクロック周波数が900MHzというのがあります。最近のクロック周波数は、1000MHz以上のCPUが多くなり1000MHz=1GHz(ギガヘルツ)といいます。これ以外にも1.5GHz、1.7GHzというCPUも発売されています。 CPUは,パソコンの中でハードディスクやメモリーなどの各装置を制御したり、計算処理やデータを加工したりします。 CPUの形状には、2種類ありSlot(スロット)タイプとSocket(ソケット)タイプがあります。CPUは、かなり発熱するためヒートシンクという放熱板にファンが取り付けられたものをCPUに取り付けて強制的に冷却を行います。現在では、Socketタイプが主流になっています。 1)SlotタイプとSocketタイプの違い Slotタイプは、最初からヒートシンクとCPUファンは組み付けられた状態になっています。Socketタイプは、ヒートシンク&ファンは別になっており自分で取り付ける必要があります。 CPUメーカーと発売されているCPUです。
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メモリー | ||||||||||
メインメモリーは、PC内でデータやプログラムを記憶する装置で、現在多く出回っているす。 一般的にメモリーを種類分けしている場合はメモリーチップのことを指している場合が多いです。メモリーチップにはSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory:エスディーラム)、DDR SDRAM(ouble Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory:ディディーアールエスディーラム)、DirectRDRAM(Direct Rambus Dynamic Random Access Memory)があります。このメモリチップを実装したものがメモリーモジュールでDIMM(Dual Inline Memory Module:ディム)、RIMM(Rambus Inline Memory Module:リム)があります。 1.メモリーチップ
3.CL=2、CL=2.5、CL=3 |
マザーボード | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
マザーボードは、パソコンを構成するのに必要な各パーツを装着するために基板です。 マザーボードによって使用できるCPU、メモリー、ハードディスク、拡張カードが異なりますので使用用途や拡張性を考慮した選択が必要になります。 マザーボードの構成は下記の通りになっています。
ATX仕様
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ハードディスク・ドライブ |
HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)の略で、HDと表記される場合もあります。大容量な記憶装置で、アプリケーションプログラムやデータを保存するための記憶装置です。現在のWindowsMeでは標準的なインストールでも295MB以上の容量を必要としているため必要不可欠な装置です。古いOSでDOSというのがありますが、これはフロッピーディスク1枚(1.44MB)に入る容量です。DOSと比較すると現在のWindowsシステムは200倍以上の容量を必要とすることになります。Windowsをフルにインストールすると700MBぐらいにもなり、それにOffice2000をインストールすると、324MB以上の容量が必要となりWindowsとOfficeで1GB(Giga Byte)以上の容量が必要となります。 近年、ハードディスクは大容量化と低価格化が進み10GBのハードディクで1万円程度で手に入ります。 HDDは、アルミ円盤もしくはガラス円盤に磁性体が塗られていて高速なモーターによって回転させ、磁気ヘッドによって磁性体にデータを書き込んだり、読んだりします。円盤の大きさによって3.5インチと2.5インチがあります。自作用には3.5インチHDDを使用します。2.5インチHDDは小型であるのためノートパソコンに広く利用されています。モーターには5400回転と7200回転のものがあるが5400回転のものは低騒音であるが、最近では7200回転のHDDも低騒音で発熱量が少なくなっている製品も多くなっています。 HDDには内臓用と外付け用とがありますが、最近では大容量のHDDが多いので内臓用だけで十分な容量が確保できます。内臓用はIDE(Integrated Drive Electronics:アイ・ディ・イー)インタフェースのものが多く最大で4個のデバイスを内蔵することが出来ます。ただし、それでも容量が不足する場合には、SCSI(Small Computer System Interface:スカジー)のHDDをを外付け用として使用します。SCSIのHDDを使用するためには拡張カードとしてSCSIカードが必要となります。SCSIにもいろいろ規格がありますが最大で32台の装置を接続することができます。ただし、SCSIのHDDは高価なこともあって性能や安定性を重視するサーバーでの使用が主流となっています。自作用には低価格なIDEのHDDが主流となっていて、最近では性能もSCSIのHDDと変わらなくなってきています。 IDEの大容量HDDを使用する際には、特に30GBを超える容量のHDDを使用する場合、マザーボード側のBIOS(Basic Input Output System :バイオス)でその容量をサポートしているか確認する必要があります。 |
CD−ROM、DVD−ROMドライブ CD-R/RWドライブ |
CD-ROMドライブ CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブは、CD読み出し専用の記憶装置である。オーディオCDの読み込みが1倍速となっていて、データの入ったCDを読み込む場合はその何倍かのスピードで読み込むことが可能となっており、最近では50倍速というCD-ROMもあり、回転スピードは毎分1万回転以上という超高速回転になる。低速回転でも50倍速と同じ性能をだすためにレーザービームのピックアップ部分を通常1本のところを7本のビームでコントロールしているドライブもある。 最近では、DVD(Digital Versatile DiskまたはDigital Video Discとも言う)を読み込むことができる装置も多くなってきている。 接続するインタフェースはIDE接続が多いが、SCSI接続の装置もある。 CD-R/RWドライブ CD-R(Recordable)ドライブは、書き込み可能なCD-Rディスクを使用してCD-ROMや音楽CDと同じCDを作成する。作成にはライティングソフトが必要となる。 CD-Rディスクは書き込みは一度だけで、書き換えることはできない。ただし、容量が空いている場合には、追加して書き込むことは可能である。もし書き込みが失敗した場合には破棄するしかない。これに対して書き換え可能なディスクを使用することによって何度でも消去して、書き換えることができるCD-RW(ReWritble)ドライブがある。 |
フロッピー・ドライブ |
FDD(Floppy Disk Drive:フロッピー・ディスク・ドライブ)は記録媒体として磁性体を塗った一枚の円盤(3.5インチ)をプラスチック製のジャケットでカバーしているFD(フロッピーディスク)を読み書きする装置です。FDは携帯性に優れているためデータやプログラムの持ち運びに便利です。FDDには2DD(2 sided Double density Double track:両面倍密度倍トラック)と2HD(2 sided High density Double track:両面高密度倍トラック)があり、容量は2DDは720KBで2HDは1.2MB(NEC98専用のようなもの)と1.44MBになります。FDDには2モードと3モードの2種類あります。2モードは2DDの720KBと2HDの1.44MBをサポートしてます。3モードは2モードにプラスしてNEC98用の1.2MBをサポートしていますが、専用のドライバーを必要とします。 FDDは、OSインストール時のシステム起動用として使用する以外に、マザーボードやビデオボードなどのBIOSを更新する際に使用します。最近では、OSのインストールはCD-ROMを使用するのと、BIOSもWindows上から更新できるものも現れてきているため、利用頻度の少ないデバイスとなっています。 |
ビデオカード(Video Card) |
グラフィックカードとも呼び、パソコンに画面表示機能を追加する拡張カードでマザーボードのAGPバススロット又はPCIバススロットに装着して使用する。最近のマザーボードには、この画面表示機能を搭載したものもあるが高性能を要求する場合には拡張カードが必要となる。特に動きの激しいゲームの場合は3次元グラフィックスの演算処理が高速に行われる高性能なビデオカードが必要となります。 ビデオカードは、文字や画像を描画するためのビデオチップと画像データを保持するためのビデオメモリー(VRAM)、ビデオチップで処理されたデジタルデータをCRTに表示するためアナログデータに変換するRAMDAC(Random Access Memory Digital/Analog Converter)、ディスプレイと接続する端子から構成されている。最近のビデオカードではRAMDACはビデオチップに内臓されています。 ビデオカードの動作手順は下記の通りです。 1.表示する画像データをビデオカード上のビデオチップがメインメモリーから受け取りVRAM上に保持する。 2.VRAMに保持された画像データを元にビデオチップが画像描画処理を行う。 3.画像描画処理されたデジタルデータをCRTに表示できるようビデオチップ内のRAMDACによりアナログデータへ変換する。 4.変換されたアナログデータはアナログ端子を経由してCRTに画像が表示される。 搭載されているビデオメモリの容量により表示できる表示サイズや色数が異なる。1280×1024サイズで32ビットカラーのリアルな3D表示を行うためには32MBが必要になる。 2次元の良質な画像を得るためには高速なRAMDACが必要となる。画像品質を良くするためには最低でも250MHzのRAMDACを必要とする。 3次元の画像処理を高速に行うためにはハードウェアT&L、バンプマッピング、Zバッファ、フィルタリングなどの各種機能がサポートされている必要がある。 サポートされている機能はビデオチップによって異なる。現在、ビデオチップを提供しているのはnVIDIA、ATI、Matrox、SiSがあり。この中でnVIDIAとSiSはチップのみを提供しています。ATIとMatroxはビデオカードも提供しています。 nVIDIAはGeForce2MX、GeForce2GTS、GeForce3がある。ARIはRage128、RADEONがある。MatroxはG450がある。 最近のビデオカードにはTVチューナーやビデオキャプチャー機能を追加しているカードも多く出回っています。 |
ディスプレイ(Display) | ||||||||||||
CRT(ブラウン管)とLCD(液晶)の2種類あり下記のような仕組みで表示します。
省スペースを目的とした場合、LCDが優位であるが、それ以外での性能はCRTが優位となるので、使用目的と懐具合で選択肢が異なる。 |
サウンド・カード(Sound Card) |
マザーボードに組み込まれている場合には必要ないです。音質が気になる方は必要です。 音声の入出力機能を持つ拡張カードで、これが無いとパソコンから音を出すことはできません。サウンドカードはD/Aコンバーターによりデジタル信号をアナログ信号に変換した信号をスピーカーへ出力します。この信号を変換する際にノイズを拾ったりD/Aコンバータの性能による音質の劣化がサウンドカードごとに異なります。 最近では、音声のデジタル信号の入出力インタフェース規格であるS/PDIF(Sony Philips Digital Interface)をサポートしているスピーカーやサウンドカードが多くなっている。これは、ソニーとPhilips社が開発した、音声のデジタル信号を入出力するための機器間のインターフェース規格で、サウンドカードとスピーカーとは同軸ケーブルもしくは光ケーブルをS/PDIF端子で接続します。特に光ケーブルはノイズの影響を受けないのと信号転送時の音質劣化がないのでクリアなサウンド再生が可能です。 最近のマザーボードにはサウンド機能を内臓したものもありますが現在、S/PDIFをサポートしているものが無く、また、2チャンネル以上のスピーカーをサポートしていないため5.1チャンネルのデジタルサラウンドを再生するためには別途サウンドカードが必要になります。 サウンドカードにはゲームで使用するゲームコントローラー接続のためのゲームポートが実装されています。最近のゲームコントローラーはUSB接続が多くなってきているのでゲームポートを使用することが少なくなってきています。このゲームポートはD-Sub15ピンコネクタが使用されていて、モニタ接続のコネクタと同一形状をしているので誤って接続しないよう注意が必要である。 |
スピーカー(Speaker) |
音が鳴ればいいや程度から5.1チャンネルでホームシアターまで幅が広いです。 パソコン用のスピーカーは、オーディオ用とはちょと異なりアンプ内臓型のスピーカーが多くスピーカー本体に各種コントローラーのつまみが付いています。スピーカーはモニタの左右に置くのが基本的ですが、音が鳴ればいい程度であればケースの5インチベイに収納できる内蔵型スピーカーもあります。 最近では、DVDの普及によりパソコンでデジタルサラウンドを再生するためS/PDIF端子のある5.1チャンネルスピーカーが多くなってきています。5.1チャンネルスピーカーはセンタースピーカー、左右のフロントスピーカー、リアスピーカーの5本のスピーカーとサブウーファーで構成されています。アンプはスピーカーとは独立しているものが多いですが中にはサブウファーにアンプが内臓されているのもあります。 デジタルサラウンドはサウンドカード側もS/PDIFをサポートしている必要があるので注意が必要です。 |
キーボード(Key Bord) |
データを入力するのに必要なパーツです。 タイプライターと同じような操作で、パソコンに文字を入力するための周辺装置です。キーボードにはいくつか種類があり、一般的なものとして106型キーボードがあります。これは米国で使用していた101型キーボードを日本語向けにかなを刻印したものです。最近では、109型キーボードがあり、これは106型キーボードにWindows用としてWindowsロゴのキー、アプリケーションのキーを追加したものです。 キーボードはマザーボードに接続して使用します。接続方法はPS/2が一般的ですが、最近ではUSBを使用して接続するキーボードも多く出回っています。ただし、USB接続する場合には、OSはWindows98SEかWindowsMeが必要になります。その他にケーブルを無くした無線式のキーボードもあります。 キーボードはOADG(Open Architecture Development Group)が標準を決めています。OADGは、パソコン関連製品の標準を策定する団体で、日本のパソコンメーカーが集まって結成されています。 |
マウス(Mous) |
Windows操作には必要なパーツです。 マウスはWindowsシステムに不可欠な周辺装置で、マウスを机上で動かしてWindows画面に表示されているマウスポインタを任意の場所に移動させて、ボタンを押すことによって画面を切り替えたり、アプリケーションソフトを起動させたり操作します。 マウスにはボタンが2つ、裏側にはボールが内臓されていて、マウスを机上で動かすと、このボールが回転することによって画面上のマウスポインタを移動させています。2つのボタンの間にはホールという回転するローラーが付いていてこれを動かすことにより画面を上下にスクロールさせることができます。最近では光学式のマウスがあり、裏にはボールが無くその代わりLEDによる発光部と受光部があり、マウスの移動方向と速度を検出し画面上のマウスポインタの動きを制御しています。裏にボールがあるマウスをメカニカルマウスといい、光学式のマウスをオプティカルマウスといいます。 マウスはマザーボードに接続して使用するが、PS/2接続が一般的であるが、最近ではUSB接続のマウスも登場しています。 |
ケース(Case) |
各パーツを組み入れる箱です。デスクトップ型、タワー型と各種あります。 パソコンに必要な各種パーツを格納するため汎用的に作られた入れ物で、マザーボード、CD-ROM、ハードディスクドライブ、電源などを入れます。 ケースは横置きのできるデスクトップ型、縦置きのできるタワー型と分かれている。また、タワー型でも大きさによって、フルタワー、ミドルタワー、マイクロタワーと分かれています。それぞれ、フロッピードライブを格納する3.5インベイ、CD-ROMなどを格納する5インチベイの数も違っています。定番はミドルタワーで3.5インチベイが1個、5インチベイが3個が平均的です。 市販されているマザーボードのはねじ位置はATX、microATX、BabyAT毎に決められているので購入時には注意が必要です。 ほとんどのケースには電源が付属していて250W、300W、350Wと各種あり、Athlonを使用する場合には電源容量の多きものが必要となります。また、Pentium4は4ピンの12V電源コネクタを主電源コネクタ以外にマザーボードに別途挿す必要があるので、Pentium4に対応している電源が付属しているケースが必要となります。 ケースは、ほとんど買い換えることがないので置くスペースや将来の拡張を考えて購入しましょう。 |
OS(Operating System) |
パーツではありませんが、これが無ければパソコンもただの箱です。 OSは、オペレーティングシステム(Operating System)の略語でパソコンを動かし全体を管理するための基本ソフトウェアです。OSは、マウス、キーボード、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、メモリー、画面表示など各ハードウェアの入出力管理やファイル管理、メモリー管理、ユーザーインターフェースの提供を行い。それと同時に、各アプリケーションソフトで共通に使用する基本機能を提供する。 自作PCで使用されるx86系CPUで使用できるOSには、Microsoft社が提供しているWindows98、Windows Millennium Edition、Windows NT、Windows 2000のWindowsシリーズがパソコンOSの約9割を占めている。その他に無償配布されているLinuxやFreeBSDのUNIX系のOSがあるが上級者向けでかなりのスキルが必要とされ、初心者が使用するのは無理である。 ホームユースで使用する場合は、Windows98もしくはWindows Millennium Editionの使用をお勧めします。ビジネスユースで使用する場合は、Windows 2000 Professionalの使用をお勧めします。 |